【緊急特別企画】
毎日ワールドカップの行方を予想中!

(2002/05/31-06/30)


THE DAILY FORECAST:FIFA WORLD CUP 2002 KOREA/JAPAN


6月15日−6月30日【決勝トーナメント】といくつかのコラム
[結果]について:青字はスコアに関係なく勝敗引き分けの予想が的中したもの、赤字は不的中のもの)

6月15日(土)

やりました。昨日深夜に某所に顔を出したら、みんなが「おめでとう」と握手してくれました。それに「みなさまのおかげです」と返した私っていったいナニ?

レビューとかグループリーグ回顧とか、書くネタはあるのですが、とにかくはまず予想を。

ROUND16
【ドイツ対パラグアイ】
1530 ソギポ(西帰浦)

最終戦にカメルーンと激闘してしまったドイツは3人も出場停止(ツィーゲ、ラメロー、ハマン)。対するパラグアイはカルロス・バレデスが出場停止で、12日の「奇跡の逆転」から中2日というきつい日程。

今回のドイツは組み分けに恵まれて、得点11・失点1と統計上はトップの成績なのだが、実は控えの選手層が薄い。直前に主力に怪我が相次いだためだが、その「代役」が活躍してしまうのがワールドカップ。苦しいときに勝ってしまうのがドイツのお家芸でもあるし、最後の最後にはドイツが勝っているような気がする。

しかし、そういう予想ではつまらないので、パラグアイがサンタクルスとクエバスのゴールで1-2の勝利。ドイツはラメロウの代わりに出た若いケールが退場処分になってしまう・・・で、どうでしょう?

[結果]:ドイツ1-0パラグアイ

ROUND16
【デンマーク対イングランド】
2030 新潟

GROUP DEATHで生き残ったイングランドと、フランスを最終戦で敗って1位通過のデンマーク。イングランドはベスト8に進出すると奥さんと会えるそうで、選手のモチベーションは高いらしい(本当か?)

イングランドのCBふたり(キャンベルとファーディナンド)は非常に強力。アルゼンチン戦では11人全員で守りきってしまった。対するデンマークは堅守から手数をかけない攻めで得点を重ねる。おそらく、じりじりするような展開になるのではないか?

さて、デンマークはサイドに早く展開してから、中央にサンド、トマソンが詰めるパターンがぴったりはまっている。高いクロスボールなら勝機はないが、ゴール前にシュート性の速いボールを送るのが得意なだけに、イングランドのエリクソン監督が両サイドにどんな手を打ってくるかが見物。

イングランドはいまひとつ試合運びが拙いというか、「若い」。デンマークの運動量の多い中盤に手こずるようだと、ベッカム、オーウェン頼みの単調な攻めに陥る可能性がある(といっても、それで点が取れたりするのだが)。

そういうことで、敢えて1-0でデンマーク逃げ切りと予想する。得点はトマソンあたりか。

[結果]:デンマーク0-3イングランド

ひえええ。まだアルコールが抜けない・・。

ではまた。

14:57
Saturday, 15 June, 2002

6月15日(土)その2【予想概要】

決勝トーナメントの行方を探る、ということで、いまのうちに概要を発表。

【希望】

決勝はぜひ、日本対韓国で。決して無謀な望みではなくなった。

【冷静な予想】

3戦全勝の2チームであるブラジルとスペインが決勝で激突、というあたりが妥当か。

【ちょっと詳しく】

大会前は本命:アルゼンチン、対抗:フランス、穴:ポルトガルって思っていたが3チームともグループリーグで敗退。なんてこったい・・。

いわゆる強豪で、心配なく勝ち上がったのがブラジル、スペイン、ドイツ。しかし、ブラジルもスペインも守備が不安定で、ドイツは層の薄さに不安。イタリアはかろうじて進出、イングランドはきついグループのなかで勝負に徹して浮上。こうして見ると、絶対の優勝候補は存在しないし、すでにグループリーグで明らかになったように、かつての常識や前評判は捨ててかかるべきかと思う。

ということで、ベスト8は試合順に挙げていくと、

パラグアイ
デンマーク
スウェーデン
アイルランド
メキシコ
ブラジル
日本
韓国

という下克上がまだまだ続くと予想しておこう。

次いでベスト4は

ブラジル
メキシコ
アイルランド
日本

になるといいなあ(韓国には申し訳ない)。

で、日本がブラジルに歴史的勝利を挙げて決勝へ。相手はメキシコを延長・PK戦の死闘の末に破ったアイルランド。・・という、非常に手前みそな妄想を考えついてしまいました。それにしても南米からわずか2チーム、アフリカからは1チームしかベスト16に入っていない。

次の予選から出場枠は東アジアから2ないし3(オセアニアとのプレーオフ)、インド以西のアジアから2チームというのはどうでしょうか、みなさん。

あ、もうすぐキックオフだ。

15:17
Saturday, 15 June, 2002

6月16日(日)【追想】

このあいだ、とある居酒屋で飲んでいたら「お客さん、5年前にみんなあきらめていたのに『絶対フランスに行ける』って頑張ってたヒトでしょ?」と話しかけられました。

駅前の路上焼き鳥屋に私が入り浸っていたころの店員さんでした。あのとき、日本は韓国に逆転負けし、カザフスタンには終了間際に引き分けに持ち込まれ、加茂監督が更迭され、ウズベキスタンにはラッキーゴールで引き分けに持ち込み、国立のUAE戦では審判にも見放され・・。

「でも、結局フランスに行ったもんねえ。お客さん、えらいよねえ。たったひとりで頑張ってさあ。『気の毒に・・』って思ってたけど」

あれから月日は流れ、日本戦の席を求めて徹夜で並んだチケットセゾン店舗はなくなり、夜中に焼き鳥を差し入れてくれた店長のタクちゃんは独立して先月のワールドカップの開幕日に店を開きました。

14日に、私は「師匠」(競馬とサッカーを私に教えてくれたヒトですが)とともに自宅でチュニジア対日本をテレビ観戦しました。勝利、そして決勝トーナメント進出の瞬間、2人でハイタッチしてから黙り込んでしまいました。

私の脳裏には昔の映像がフラッシュバックしていました。85年、木村和司のフリーキック。87年、雨中の中国戦。「もしかしたら」という甘い希望を無惨にうち砕く、実力差を見せつけられての敗戦。その後、香港に負けたりタイに負けたり・・。93年、運にも恵まれてあと1勝だったのにイラクによって地獄に叩き込まれた。2年後、アトランタ・オリンピックの最終予選で、サウジに前園の2ゴール勝ってようやく本大会出場を決めた・・。

長い沈黙のあと、私がつぶやいたのは「生きててよかった・・」という馬鹿な一言でした。師匠は「よかったなあ・・」と相づちを打ってまた黙ってしまいました。ふたりとも涙声でした。こんな幸せな沈黙のなかで、私たちは自分の心の底からわき上がってくる何かと対話していたような気がします。「感動」とかいうコトバでは表現しきれない何かと・・。

・・と、今回はセンチメンタルにしめてみた。

ではまた。

11:29
Sunday, 16 June, 2002

6月16日(日)

それにしても、私の応援するチームがことごとく敗退し(ポルトガル、フランス、クロアチア、そしてデンマークまで・・)、残るは日本、アイルランド、韓国のみ。で、人気はあるけど私は評価していないイタリアとイングランドとドイツが勝ち上がっていくし・・。ま、毎回のことではあるのですが。

それにしても、デンマークは最初の2つのミスがなければ・・(ラウルセンがヘッドで戻すはずがCKを献上、ファーディナンドが落としたボールをGKソレンセンがキャッチミスして失点)。パラグアイはクエバスをもっと早いタイミングで入れていれば・・(延長勝負と見たのでしょうが)。

気を取り直して本日の予想です。

ROUND16
【スウェーデン対セネガル】
1530 大分

私の飲み友だちがチケットをゲットして行っています。「Aの2位がフランスで、Fの1位がアルゼンチンだったら黄金カードだねえ」と言い合った1週間前が嘘のようです。

セネガルは、アフリカらしくない組織的戦術の浸透した、いいチームです。でも、ラーション大好きの私はスウェーデンに賭けてみます。先日、セルティックのユニで横浜に行ったらもてた、ってこともありますが。3-1でスウェーデンが8強進出。

[結果]:スウェーデン1-2セネガル(OT)

ROUND16
【スペイン対アイルランド】
2030 スウォン(水原)

実は、真剣に韓国行きを考えていた最大の理由はこのカードにあります。水原はソウルに近いので宿はなんとかなるだろうし・・。結局行きませんでしたが、私にとっては「事実上の決勝戦」です。アイルランドを優勝候補と思っているヒトは間違いなく少数派でしょうけど・・。

にわかに優勝候補になりつつあるスペインは、ラウル、モリエンテスが調子を上げており、中盤にはシャビ、バレロン、ルイス・エンリケ、メンディエタと多士済々。

それをけ落とす根拠は、まさにタレントが過剰だから。こうした才能溢れるメンバーの影で献身的に働く「労働者」がいるのか? また、毎試合とも失点していることからもわかるように、イエロ、ナダルは老練というよりスピード不足を露呈。イバン・エルゲラはポジショニングのミスが多いし、つけいる隙はある。

そういうわけで、アイルランドがまたもや驚異的運動量でスペインの攻撃をしのぎつつ、イアン・ハートのFKとロビー・キーンのダイビングヘッドで挙げた2点を守りきって0-2で勝ち上がる。

ちなみに、アイルランドのGKギブンは注目です。カーンが顔で威圧するタイプであるのに対し、ギブンは俊敏さでおそるべき範囲をカバーします。

[結果]:スペイン1-1アイルランド(OT) PK:スペイン3-2アイルランド

さて、今日も「予想」というより「願望」に近いものとなりました。どうなることやら?

13:52
Sunday, 16 June, 2002

6月17日(月)

Round16も4試合が終了し、私は見事に4試合ともはずしています。ある意味、完璧です。でも、なんでやろ?

「日本ってベスト8行ける?」という質問を多々受ける今日この頃、「決勝まで行くよ」と答えると呵々大笑されました。いまに見てろ〜。「あのセネガルに勝てるの?」「おれはトルコを応援する」という、罰当たりな人々には天罰を(笑)。

日本戦以外はいくらはずしてもいい、ってのが恐らくみなさま方の本音でしょう。今日も心置きなくはずしてみようと思います。

ROUND16
【メキシコ対アメリカ】
1530 ジョンジュ(全州)

空席が目立つ韓国シリーズですが、ソウル近辺(ソウル、スウォン、インチョン)と韓国戦以外はガラガラと予想されている。チケットの高値が響いているようです。自治体が身内で手売りし、小中学生を数千人単位で無料招待しても埋まらない席。ダフ屋は定価の4分の1でも売れないとあきらめ模様。日本とはなんて違いだ・・。

ソギポ(チェジュ島)とジョンジュはなかでも不入り。今日の客席を注目しているゆえんです。

さて、この試合はもちろんメキシコのもの。ブラジル大統領に向かって「あなたの国に黒人はいますか?」と質問した(昨年11月)大統領が「攻撃は最大の防御」と講演する国に対し、メキシコが攻撃のお手本を示すのだ。

サッカーの話に戻すと、双方とも中盤から組み立て、スピード溢れる攻撃を展開する好チームです。しかし、陽気なメキシコ・サポに煽られてスタンドはメキシコのホームと化すのであった。スコアは2-1か。

[結果]:メキシコ0-2アメリカ

ROUND16
【ブラジル対ベルギー】
2030 神戸

さすがに「ベルギーの勝ち」と予想する気はない。かといって、圧倒的な差がつくとも思えない。ベルギーの守備は守る気になったらかなり強固。日本はこのゲームからブラジルの攻撃をどう封じるか、守備の穴はどこかを研究すべきでしょう。

ブラジルの魅力は右カフー、左ロベルト・カルロスの上がりからの多彩な攻め。そして、穴はその上がったスペースを活用することだ。しかし、そのためには彼らからボールを奪わなければならない・・。

さらに脅威なのはロナウド、リバウド、ロナウジーニョの「3R」が細かいパス交換とポジションチェンジで攻めていく前線。うしろの連中も無茶苦茶うまいしなあ。少なくとも2点は覚悟しないといけないと読む。

しかし、攻撃に無上の喜びを感じるブラジル気質のせいで、ロッキ・ジュニオールが上がった隙にスピードに乗ったカウンターを喰らい、ついファウルで止めて・・という展開を思いついたのですが、ベルギーに「スピードに乗った」プレーができる選手なんていたっけ?

結果は3-1でブラジル(が勝ってほしい。これ以上本命が消えないでくれ)。

[結果]:ブラジル2-0ベルギー

いよいよ明日は日本対トルコ。またもや午後3時半開始ですが、仕事なんかしている場合かあ〜っ。いや、仕事の方が大事か。一億総サポーター化している現状もかなり怖いものがある・・。

09:39
Monday, 17 June, 2002

6月17日(月)【観戦記・特別篇】

たまにはサッカーの神様も味なことをしてくれるもので、突然、ブラジル対ベルギー戦のチケットを入手できました。当日に「神戸に行く?」と聞かれて「行く!」と即答できるくらいヒマなヤツと思われているようです。事実、その通りです。私、いつでもどこでも出撃態勢だけは整っております。

宿泊先確保も兼ねて、海外サッカーに造形の不快、いや違った「造詣の深い」M氏(大阪在住)を誘い、神戸ウイングスタジアムに出動しました。

スタンドにはベッカムをはじめイングランドの面々も来ていて、写真を撮りに客が殺到して警備が殺気だっていました。

試合はご存じのように、ベルギーの健闘虚しくブラジルが2-0で勝ちました。ベルギーのサッカーに好感を持ったことはなかったのですが、このの試合はすごくよかったと思います。ボールを奪ったら左右に散らし、あるいは中盤でタメを作り、先発で起用されたムペンザ兄が鋭い突破を見せて何度もチャンスメイク(昨日の予想ではこのヒトを忘れていました。決定力は弟ほどではないが、スピードに乗った攻めはなかなか)。ウィルモッツのゴールがファウルで取り消されなければ展開としてはわからなかった。

ブラジルは、ジュニーニョ・パウリスタもロナウジーニョも前がかり、CBは統率が取れていず、中盤ががら空きでそのスペースをベルギーに使われていました。ロナウジーニョは若さゆえか、せっかくのロナウドやロベルト・カルロスの素早い飛び出しにパスを供給せず、ボールの持ちすぎでチャンスを何度もつぶしていました。

総じて、ブラジルはいまだにチームが組織として機能していない。しかし、個人技と2人のコンビネーションだけで得点してしまう。前の3人で点を取れるのだから、ディフェンスの連中は頻繁に上がる必要はない。・・というのが私とM氏の一致した意見でした(ということだよね?)。

M氏は「エメルソンが怪我でいないのが、やっぱり痛い。中盤に落ち着きがない」というご意見でした。卓見だと思います。

私はロナウジーニョは右ウィングに上げて3トップにするか、リバウドを下げてトップ下に持ってきてパス出しと2列目からの飛び出しに役割変更するか、あるいはその両方がいいのではないかと思います(もしかしたら、そういうシステムなのかもしれませんが、本人たちの動きはロナウジーニョが少し下がり目、リバウドはトップに張っている)。しかし、ブラジルが順調に得点を上げて勝っている以上、フェリペ監督は大幅なシステム変更はしないし、できないでしょう。だとすれば、ブラジルは決勝へと進めない可能性の方が大きい。ブラジルの弱点を的確に突き、90分間ずっと集中して忠実にディフェンスするチームにやがて敗れるでしょう。

06:30
Tuesday, 18 June, 2002

6月18日(火)

新幹線で帰って息もつかずにiBookに向かっています。はあはあ。

ROUND16
【日本対トルコ】
1530 宮城

トルコは2人ほど出場停止ですが、あまり戦力は変わらないと見た方がいいと思います。また、雨なら日本有利という予想もちらほら聞きますが、トルコのように足元のワザで勝負するタイプの場合、雨はあまり関係ないでしょう。

と、ちょっと心配させた上で断言します。2-1で日本が8強に進出!

トルコあるいはガラタサライなどのクラブチームの強さは、かなりの部分をホームでの熱狂的応援に拠っています(テレビで見ていても凄い)。故に、日本のホームでは逆の立場におかれて気持ちが乗らない。スペースに走り込むプレーをしてきたら応対が大変ですが、わりに予想しやすい攻撃パターンなので、しっかり集中していれば大丈夫です。

日本はきちんと中盤を支配し、前半はボールを速く回して相手をイライラさせる。2人も出場停止になっていることからもわかるように、トルコはすぐにカッカしますから、これで思うつぼ。

左右に振られて疲れた守備陣形の足が止まったころにアレックスを投入してしまえば一丁あがり。うわははは。

[結果]:日本0-1トルコ

ROUND16
【韓国対イタリア】
2030 テジョン(大田)

カンナバロが出場停止でネスタが怪我。ユリアーノ、ココあたりを使うようですが、もしも3バックで来たら左右のスペースに侵入してスピードで揺さぶる。4バックで来たなら、中盤と最終ラインのあいだのスペースでボールを回して攪乱する。いまの韓国ならできます。そして、いまのイタリアのカテナチオは綻びかけている。

ヒディンク監督にとっては、言うことを全然聞かないオランダよりも、素直でしかも献身的に走る韓国の方が自分の理想に近いのではないでしょうか? 私には、いまの韓国チームはまるでかつてのオランダのようにさえ見えます。

イタリアはヴィエリ、トッティ、デル・ピエロを最初から投入してくれば、得点機はあるでしょう(イタリアの体質上、チャンスの数は多くないが、決定率は高い)。かくして、ゲームとしては非常に充実したものになると思います。

1-1のまま延長に突入し、最後にリスク覚悟で攻め上がったホン・ミョンボのゴールデン・ゴールで韓国が劇的勝利、8番目の椅子を獲得。

[結果]:韓国2-1イタリア(OT)

【連休】

ついに、2日間の休暇がやってきました。19日、20日は試合がありません。みなさん、感動の余韻を胸に静かに休みましょう。え? 仕事があるって? そうですか。すみません、世間知らずなもんで。

では、3日後にまた。

14:01
Tuesday, 18 June, 2002

6月21日(金)

幸せな夢は早々に破れてしまいました。

が、ワールドカップはまだ終わっていません。お休み明けですが、さっそく予想を。

準々決勝
【イングランド対ブラジル】
1530 静岡

ブラジルは戦術以前にチームの約束事すらあってない状態で、チームとしては無茶苦茶なのに、個人技と2人のコンビネーションだけで勝ってしまっているのが、どうにも不思議。アルゼンチン、フランスのような洗練され、完成に近かった(美しい能動的ポジションチェンジ、流れるようなパス交換、ボールを引き出すオフ・ザ・ボールの動き・・)チームが早々に敗退したのに・・。「審判に恵まれた」こともあるし(少なくとも得点および失点で1点ずつ得をしている)。

イングランドは、前ではオーウェン、ヘスキーが頑張り、うしろではキャンベル、ファーディナンドが跳ね返し、セットプレーからベッカム、と戦術はともかく確実に勝てる陣容ではあります。

しかし、ブラジルの予想がつかない攻めには対応できないでしょう。ブラジルは自分自身でも、何をやるべきか、何がやれるのかわかっていないような気がするし。ブラジルの守備はさらに予想しがたい。なにしろ、がんがん攻めておいて、ボールを取られたら近くの選手が慌てて戻る。どたばたしつつも、技量では上回っているのでなんとか防いでしまう、という展開か。

ううむ。実はJ-waveのmorning totoでは「イングランドが勝つ」って応募したんだけど。整合性を保つためにも「2-1」でイングランド、ってことにしておこうか。

[結果]:イングランド1-2ブラジル

準々決勝
【ドイツ対アメリカ】
2030 ウルサン(蔚山)

前評判は高くないのに、ドイツが勝ち上がっている要因は失点が少ないこと。なぜ失点が少ないかといえば、得点力のあるチームと対戦していないから。サウジ、アイルランド、カメルーン、パラグアイと相手がだんだん強くなる展開のなかでチーム戦術を修正しながらコンビネーションが上がっている。もともとドイツは競り合いに強いのだ。

また、イタリアがエクアドル相手に大勝できたのに2-0以降は安全運転したのに対し、ドイツは情け容赦なくグロッキー状態のサウジから8点を奪った。こういう戦い方のチームが結局勝ち残っている、というのは興味深い。過去の成功体験に囚われて戦術の近代化も世代交代も遅れた教訓を生かしていれば、ドイツが勝つのが常道なのだが・・。

アメリカはきちんと中盤を組み立てるし、スピード溢れる攻めも展開するし、日本に似たタイプのチームなのですが、いかんせんやり口が汚い。あれだけファウルで止めてはかつてのアルゼンチン、いつものアフリカ勢というイメージに近い。それでも失点をガンガン喰らっているし。

そういうわけで、サッカーにおける正義はアメリカにはない。2-0でドイツが4強へ。

[結果]:ドイツ1-0アメリカ

【負けっぷり】

ベルギーは「誤審」で先制点が幻となり、ブラジルに敗れたが監督も選手も胸を張って帰った。

アイルランドはPK戦でスペインに敗れたものの、サポーターも選手にスタンディング・オベーションを送り、そのあきらめない執念と恐るべきビール消費量の陽気なサポーター集団ともども、日本に強烈な印象を残して帰った。

しかるにイタリアは監督も選手もメディアも敗戦を審判のせいにし、あるクラブ会長は決勝ゴールを決めたアン・ジョンファンに「イタリアの土を踏ませない」と八つ当たり状態。

あのエクアドルの審判が韓国のファウルに非常に甘かったのは事実です。しかし、「ユニフォームを引っ張る」「ペナルティエリアでのシミュレーション」の2点については厳しく裁定するというのはFIFAが大会前に公表した方針であり、実際にこの大会で何度も厳しい判定が出ています。にもかかわらず「あれはファウルではない」と強弁するなら、イタリアには「学習能力がない」または「ファウルする体質が身にしみついてしまっている」ということに他ならない。

だいたい、イタリアが決勝トーナメントに出られたのはエクアドルがクロアチアに勝ってくれたおかげであって、メキシコ戦のデル・ピエロのゴールは結果的には関係なかったのだ。

さらに言えば、スペインは延長戦30分を10人で、しかもラウルもモリエンテスもいない状態で戦ってアイルランドの猛攻を凌いだのだ(それはそれで監督の采配ミスだと思うが)。

ということで、イタリアの各選手は好きなんだけど、イタリア代表のサッカーはまたまた大嫌いになってしまいました。

ではまた、明日。

08:15
Friday, 21 June, 2002

6月22日(土)

さて、順調にはずれている私の予想ですが、昨日のブラジルはようやくチームでのサッカーを始めたようです。ロナウジーニョが不可解な判定で退場になったあと、さすがに「1人足りないし1点リードを守る展開にしなきゃ」と考え直してからは、守備のやり方を思い出したようで、組織が機能しました。卓越した個人技はすでに遺憾なく発揮されており、これに組織的守備が加わり、さらに次回はロナウジーニョがいないので「驚異的スピードと緩急のパス回し」が復活することが予想されます(私の希望はトップ下にリバウド、2トップにエジウソンとロナウド、ボランチにジウベルト・シルバとジュニーニョ・パウリスタ)。

準々決勝
【スペイン対韓国】
1530 クァンジュ(光州)

なぜか私の回りでは人気沸騰の韓国。共催のパートナーでもあるし、なによりベスト8に残ったチームではもっとも完成度が高い。最後まで衰えない運動量と厳しいプレス、攻撃的パス回しとタテに出るスピード・・。問題は最後の決定力ですが、なぜかイージーなシュートやPKをはずしても、難しいダイレクトボレー(対ポーランド、ファン・ソンホン)やトラップで華麗にかわしてのハーフボレー(ポルトガル戦のパク・チソン)は決めたりする。

対するスペインは、地域間の長い確執のせいか、代表チームはなぜかワールドカップで勝ち上がれない。どーせなら、カタロニア、バスク、ガリシア、アンダルシアあたりは独立して(サッカーの話です、政治的国境ではなくて)しまえばいいのに、とも思います。実際、バスク代表はありますし。

それはともかく、ラウルが欠場するならかなり痛い。彼のボールを引き出す動き、ファーストタッチのコントロール、シュートの正確性は実に見事です。テレビではわかりませんが、実際にスタジアムで観戦すると、フィールドをタテにもヨコにもひろく使って守備を右往左往させてます(それだけ見ていても面白い)。

さて、まだ全然予想していませんが、実はこのゲームを私は予想したくないんです。昨日のドイツ対アメリカなんてのはどっちが負けてもよかったけど、今日はスペインも韓国も勝ち残ってほしい。ああ、どーしよう?

でも、しかたないので1-2で韓国が逆転して勝つ、ってことにしよう・・。

[結果]:スペイン1-1韓国(OT) PK:スペイン3-5韓国

準々決勝
【セネガル対トルコ】
2030 大阪

世が世なら、日本がスウェーデンに雪辱するはずだったのに・・。ということを言っても詮無いので、さっさと予想を。

セネガルが2-0で勝つ。が、試合内容はトルコがボールを支配する。そこにセネガルが必殺カウンターを何度も繰り出して、そのうちひとつは的中、ひとつはPKを誘う。

[結果]:セネガル0-1トルコ

それにしても、初出場で大旋風のセネガルですが、アフリカ選手権準優勝(といってもPK戦で負けただけ)ってことはある。アフリカ諸国は運営サイド(サッカー協会)が腐敗しなければこのくらいはいくんだろうと思う。

次回は25日(火)の準決勝の予想をお送りします。ではまた。

08:51
Saturday, 22 June, 2002

6月25日(火)

準決勝
【ドイツ対韓国】
2030 ソウル

ここまで来てしまいました、韓国。しかしまた、物議を醸す勝ち上がり方でもありました。審判問題については別項に書くつもりですが、韓国に(たぶん)非はないにせよ、今回のワールドカップは「番狂わせ大会」であると同時に「誤審大会」として記憶に残るでしょう。

そういう負のイメージを払拭するには、躍進してきたチームが、その地位に値する力を持っていることを試合で示すしかありません。

ドイツは失点も少ないのですが、サウジ戦を除くとそれほど得点力があるわけではありません。いまだに中盤が不安定なので、両サイドとバラックをある程度厳しくマークされると、クローゼの出番がない。ドイツの守備、というより「地獄の門番」カーンのところをいかに通り抜けるかが韓国にとって問題。私は「視線を合わせない」ってのがカギだと思いますが・・。

韓国は中3日で延長続きのため、そのスタミナが心配されます。ヒディンク監督が鍛えたフィジカルの真価が試されるでしょう。スペイン戦ではさすがに前半終盤から運動量が落ち(というか、前半の運動量が驚異的過ぎ)て、スペインにボール支配を許しました。韓国の生命線は休まないプレスによる数的優位の持続ですが、それが90分続けられることは、たぶんない。

韓国が、前半にタテに抜けた速攻から先制すれば、韓国逃げ切り。ドイツがリードして後半を迎えれば、韓国は追いつく余力はない、と見た。

もうひとつの要因は、どちらが勝利に飢えているか、です。韓国はすでにお祭り騒ぎで「燃え尽きて」いる心配がある。ドイツは次回開催ホスト国として、またEURO2000の汚名をはらすためにも「ドイツ復活」を世界に示したい・・ということで、私の予想は「1-0でドイツ勝利」。

[結果]:ドイツ1-0韓国

それとは関係なく、「韓国がロスタイムに追いつき、延長で文句のつけようがないゴールデンゴールを決めて決勝進出・・」という場面も、私は幻視しています。

では、また明日。

11:49
Tuesday, 25 June, 2002

6月25日(火)【審判問題】

巷を騒がせる「あのジャッジは陰謀だ!」説について。思い出せばシドニーでの柔道、ソルトレイクでのショートトラックと疑惑は多々ありました。しかし、明らかな誤審であっても、試合が終わればひっくり返りません。

【原初】
サッカーについて言えば、大昔には審判なしでゲームをしていて、それでは進行がうまくいかないから、と第3者に審判を委嘱したのが始まりです。そのときに「判定には不服を唱えませんから、よろしくね」と頼んだわけです。故に、審判の判定は絶対であり、文句を言ってはいけない、ということになっています。

英国由来のスポーツはもともと「ルールもあるけどマナーが大事」という傾向があり、ゴルフなどはいまでも成績は自己申告(なんですよね? やったことないので)、ラグビーを主審1人(と線審)で裁く、とある意味「無茶やで、それは」と思えるところがあります。アメリカ生まれのスポーツは分厚いルールブックと多くの審判で運営しているのとは大きな違いです。

イングランドのクラブでは相手の反則で勝つことを潔しとせずに、あらゆるフリーキックもペナルティキックを辞退(というか拒否)して戦うチームも(大昔には)あったそうです。ちなみに、イングランド代表は伝統的にフルタイムの監督を置いておらず、最初に監督を置いたのが1946年で、そのときでも選手選考はサッカー協会、試合の戦術は主将をはじめとする選手で決める、というシステムだったようです。

【裏の事情】
今回、「陰謀」説が一人歩きしているのは、韓国戦に疑わしい誤審が集中しているからでしょうが、背景には韓国における収益問題があります。FIFAはテレビ放映権料をもらい、日本と韓国のサッカーの組織委員会は入場券売り上げが収入の柱です。バイロム社によるいい加減なチケット販売で直撃を受けたのは、だから日韓それぞれの組織委員会です。韓国ではそれでなくても韓国戦と中国戦以外はまったく不入りなため、事情は深刻なはずです(日本だって、赤字が出れば税金から補填される可能性がある)。

ために、韓国が決勝トーナメントに進んでできるだけ多くの試合をすることが至上命題であったわけで、そういう面から「あれは陰謀だ」という噂が出たのではないか、と推測します。その意味では、韓国が決勝(横浜)に行くよりも3位決定戦(テグ)に回った方が経済的には嬉しいのかもしれません。もちろん、そんなことを言うヒトはいないでしょうが。

【FIFAの審判指導】
しかし、私の推測は「あれはFIFAの親切が行き過ぎた」とのだと思います。

その1:「より厳しく反則を取れ」という指導が審判に対してあり、これ自体は怪我防止のために以前から大会前に公表される方針なのですが、この指導に忠実にPKを取り、カードを出す審判をFIFAが決勝トーナメントに選ぶ傾向があり、故に審判は普段の自分なりの基準を大会用に変えるわけですが、結局は個々の判断なのでどうしてもブレがある。

その2:「迷ったらホーム有利」というのは、審判も人間なので、あるでしょう。とくに反則裁定では。その意味では、韓国対イタリアでキム・テヨンが報復肘打ちを喰らわせながらレッドもイエローも出なかったのは「驚き」ですが、「ままあること」でもあります。

その3:しかし、ホームアドバンテージとはいっても、ラインを越えたのか、オフサイドなのか、という問題であれだけ明白な誤審(Jリーグの方がまだマシ)があっては、審判のセレクションに問題があったと言わざるを得ない(特に韓国対スペイン戦での副審)。これは、サッカー先進国以外からも審判を入れて全体の底上げを図る、というFIFAグローバル戦略の一環とされていますが、実際にはブラッター現会長の支持基盤であるアフリカなどの第三世界への「報償」と取られても仕方がない。

【結論】

そういうわけで、裏側の汚い面も誤審も含めて、その不条理自体が「サッカーの本質である」というのが私の結論です(唐突ですみません)。だいたい、あれだけ得点が入りにくいスポーツであれば、力のあるチームがつねに勝つとは限りません。かつて畑正憲氏がギャンブルを分類するにあたって「決定勝負」(碁、将棋のように実力の差が相当程度反映する)と「非決定勝負」(麻雀のように実力に加えて運の要素が大きい)に分けましたが、その伝でいけばサッカーは明らかに「非決定勝負」です。

だからこそ、ひとつのゴールはつねに、ひとつの奇跡であり、必然と偶然の産物であり、深いカタルシスをもたらすのです。

たかがサッカーです。悔しい思いを噛みしめたその苦さが、人間を大きくするのかもしれません。だからこそ、「されどサッカー」なのでしょう。

う〜ん、かっこつけ過ぎか。

Tuesday, 25 June, 2002

6月26日(水)

幸か不幸か「1-0でドイツ」という予想が当たってしまいました。

そうなると、決勝での相手はぜひトルコであってほしい。因縁の対決。ドイツにとっての悪夢。う〜ん、やっぱりドイツのサッカーは好きになれない。

とにかく、その路線で予想してみましょう。

準決勝
【ブラジル対トルコ】
2030 埼玉

今年のブラジルは強いのか弱いのかわからないところがある。試合をダイジェストで見ているヒトには強く見えるでしょう。得点シーン自体は見事なものです。しかし、その前のチャンスメイクは杜撰というか個人技と偶然任せというか・・。とくにロナウジーニョはひとりでチャンスをつぶし、ひとりで決定機を演出し・・と独り相撲の傾向が強かった。そのロナウジーニョが出られないことで、ブラジルがどう変わるかが見物です。

ブラジルの弱点は守備・・とは最近よく言われますが、実際には守備はもちろん攻撃にも問題がある。組織的にボールを奪えないために攻撃の起点も組み立ても運任せ、たまにいい上がりがあっても(というか、みんな上がるのが好きだ)それをあまり使わないし。それでなぜ勝てるのか、といえば個々の技術と判断で突破できてしまうから。悪く言えば「思いつきサッカー」だが、よく言えば「臨機応変」「イマジネーション溢れる」サッカーで、勝っているがゆえに、逆にそれが問題点を覆い隠している。

ペレやジーコが「今回のブラジルは優勝するチームではない」というコメントを早い時期に語っていますが、たしかに82年のテレ・サンターナが率いたブラジル(イタリアに負けたけど)に比べればその差は歴然。

対するトルコは、準々決勝で突然脱皮したかのようにすごいサッカーをしました。もともと足技はうまいし、今度は「決勝をドイツと戦う!」という民族的モチベーションがある。ハカン・シュクルが不調だが、交代出場した「ちょんまげ」イルハン、日本戦でヘッドを決めた「なまこモヒカン」ウミト・ダバラと能力の高い選手が好調。

う〜ん。何とかトルコを勝たせたいのだが。だいたい、10人中10人が「ブラジルでしょ、やっぱり」という局面になると、つむじを曲げたくなる。

ブラジルはDFがきちんと持ち分を守り、サイドをスピードと技で突破して何度もチャンスを作るようであれば、間違いなくブラジルが勝つ。

しかし、ブラジルが無理な中央突破を繰り返してはトルコに跳ね返され、しびれを切らしたDFが上がったところでカウンターを喰らう展開になればトルコにも勝機。

いままでの試合を見れば、展開として後者になる可能性が高い。ブラジルは横綱相撲で勝てるのに、どこかうわついた感じがつきまとう。大人になりきれない子どものような。

ということで、無茶を承知で「1-2でトルコが勝ち、グループリーグでの雪辱を果たす。それも延長後半での劇的勝利」という予想にしましょう。

[結果]:ブラジル1-0トルコ

わあ、あとは3位決定戦と決勝かあ。

ではまた、土曜日に。

16:05
Wednesday, 26 June, 2002

6月29日(土)

まだ2試合あるのに、すでに「宴の後」のような寂寥感が漂う今日この頃。

ネガティブに言えば空席問題で開けて誤審問題で幕を引く感じになってしまいました。でも、諸悪の根源はまともな仕事もできず、スケジュール調整もできないFIFAにあると思う。日本サッカー協会の仕事ぶりが、むしろマシに思えてきたくらい。

「スケジュール」については、後日に別項にて。簡単に言えば、UEFAチャンピオンズ・リーグでベスト8に残ったクラブの選手を多数抱えたチームが早々に敗退している(まだ数えてないけど・・)ということですが。

3位決定戦
【韓国対トルコ】
2000 テグ(大邱)

いまや韓国戦にはつきものとなった、PKと退場者(もちろん対戦相手に)。トルコも「紳士的」とは言い難いチームでラフプレーも目立つだけに、いかにもありそう。いちがいには言えませんが、またもや疑惑を助長するような判定が出るようであれば、韓国チームというより大会全体の評価が気になります。

それはともかく、予想、予想。

トルコは対ブラジル戦でものすごいプレスと同時に、素早く細かいパス回しを見せ、なんとボール支配率で(あのブラジルを!)上回りました。ブラジルとの差は、まさにシュートの決定率だけ。でもハカン・シュクルが(クロスが逆方向に流れたのに)反転しての見事なボレーシュート! あれが決まっていれば・・。

韓国は延長でも衰えない運動量が武器。激しいディフェンスをしても審判が味方だからかどうか、あまりファウルを取られないし・・。

私の希望はトルコが中盤を制圧して韓国をきりきり舞いさせ、後半に伝家の宝刀、ハカン・シュクルの高い高いヘディングであげた1点を守りきる、というもの。今回は絶不調ですが、最後になんかやってほしい。かつて、ロジェ・ミラが38歳の最年長ゴールを決めたように。トルコだって半分アジアみたいなもんだし。なお、私はトルコを日本に勝ったから応援するわけではなくて、トルコのサッカー自体がもっと評価されてしかるべきだと思うから応援するのであります。もうちょっと紳士的にプレーしてほしいけど。

しかし、実際には韓国は中盤でスペースも時間も与えてくれないので、トルコは苦戦するでしょう。しかもトルコは1次リーグは韓国、決勝トーナメントは日本、そしてブラジル戦から中2日でまた韓国で試合という酷なスケジュール。

韓国はもちろんずーっと赤いスタンドの中でプレーしているわけで、モチベーションも環境も十分。

ああ、予想が決まらない。でも、どーせはずれてばかりなので0-1でトルコの勝ち、でどうでしょう?

[結果]:韓国2-3トルコ

ちなみに注目の審判は、クウェートの方。この国、昔から物議を醸している(82年スペイン大会のクウェート対フランス戦で皇太子[当時クェートのサッカー協会の会長だったと思う]がピッチに降りて審判に直談判し、なんとフランスのゴールを無効にさせた)だけに、何かと話題になりそう。何もなければいいのだが・・。

さあ、ついに明日の予想で千秋楽でございます。

ではまた。

15:08
Saturday, 29 June, 2002

6月30日(日)

それにしても、昨日の幕切れはよかった。韓国もやっとユニフォームの交換ができたし。両軍みんなで肩を組んで挨拶をする、これを率先して呼びかけたのはトルコの国民的英雄ハカン・シュクルでした(たぶん。画面からはそう見えた)。あいつ、やっぱりいい男です。トルコ国外に出るとからっきしダメだったけど。

決勝戦
【ドイツ対ブラジル】
2000 横浜

意外といえば意外、ありそうといえばありそうな組み合わせになりました。ワールドカップでは最初の対戦、というおまけ付き。しかし、私にはこの試合がとてつもなくつまらない試合になるような悪い予感がします。

【ドイツの戦略】
決勝トーナメントをずっと1-0で勝ち上がってきたドイツですが、そのうち2試合で決勝点をたたき出したバラックがイエローの累積で欠場。その代わりにノイビルをトップ下にコンバートしてビアホフとクローゼの2トップ、と攻撃的にドイツが出るようなら点の取り合いになる可能性がありますが、まずそんなことをドイツはしない。

中盤の底にイェレミースとハマンを入れ、4バックにして、なおかつ両サイドはカフーとロベルト・カルロスを抑えにかかるでしょう。とにかく守って守ってさらに守る。攻撃はトップにロングボールを当てるか、ボールをキープできたら両サイドからの突破でクロスを入れる、あとはセットプレー頼み。1点でも入れば逃げ切りにかかり、0-0ならPK戦はカーン頼み。

・・そういうガチガチの勝ちに来るドイツは、いやらしいが強い。だいたい、ドイツのサポーター自体がドイツに華麗なサッカーとか爆発的な攻撃力を期待していない。しかも、ブラジルは多少マシになったとはいえ、まだポカが攻守両面で散発する。対イングランド戦で安易なトラップをオーウェンに奪われて先制されたように、いまのブラジルは完璧なチームではない(だからこそ、愛しいということもある)。

【ブラジルの弱点】
ブラジルは、私が繰り返し言っているように(あまり説得力がないみたいですが)、完成されたサッカーとはほど遠く、よく言って自由奔放、悪く言えばわがままし放題のワルガキ。ロベルト・カルロスやリバウドが大人に見えるくらい、ロナウド、ロナウジーニョ、ルシオあたりは勝手気ままにサッカーを楽しんでいます。

しかし、ブラジルを最も苦しめたのがベルギーと(2回対戦した)トルコであって、イングランドではなかったことはちょっと示唆的です。ブラジルと対戦したベルギーはグループリーグとは異なり、ラインを上げてコンパクトにしたなかで積極的にプレスに行きました。トルコはとにかくチェイスし、プレスし、ダイレクトプレーを多用してボールを動かしました。

この両チームの守備に共通するのは「強さ」よりも「運動量」ということです。あるいは、「技、うまさ」よりも「愚直な基本」と言ってもいいかもしれません。そういう意味では、韓国とブラジルの戦いを見てみたかった。

【展開予想】
さて、長い前振りでしたが、私の予想は「ブラジルが1-2で逆転勝利」。ドイツがブラジル守備の隙をついてフリンクスのクロスからクローゼが先制、この時点でロナウドと並んで得点王。しかし、ブラジルはのらりくらりと逆襲を開始。カフー、ロベルト・カルロスの両翼があるいはクロス、あるいは中に切れ込み、時にはミドルシュートを打ち込んでペースをつかみ、前半終了直前にドイツDFをペナルティエリアで翻弄したリバウドがトリッキーなシュートで同点にする。

後半は攻めるブラジルに対し、ドイツは防戦一方ながらも、時折カウンターからノイビル、クローゼがゴールを脅かすがマルコスが好セーブ連発。そして後半40分、ロナウジーニョの突破からロベルト・カルロスがシュート、カーンがはじいたボールをロナウドが大五郎ヘッドで押し込んで遂に勝ち越し。ドイツはビアホフを投入するが、追いつけず、ブラジルが5回目の優勝。

[結果]:ドイツ0-2ブラジル

はあはあ。もはや予想が当たらなくてもいいから、いい試合をしてほしい。

あ、もうひとつの見所。最後に千羽鶴(というか百万単位の数らしいですが)が降るそうです。どういう感じかなあ?

それでは、長い間の愛読ありがとうございました。

14:58
Sunday, 30 June, 2002


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