BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIAL 1999-2000

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第63話:「やってみるけど、クリスマスはどこも休みよ」

21、22日にゴールウェイに泊まり、23日からアラン諸島へ渡る。その宿泊と船とバレン高原への1日ツアーを、すべてここのツーリスト・インフォメーションでアレンジするのが、私の予定だった。さまざまな情報を総合し、私なりの勘を働かせた結果、「ここのツーリスト・オフィスは充実している」という予感がしたのだ。

まず、ゴールウェイの2泊。B&Bというリクエストだけで、安いものから当たってくれる。17ポンド:クリスマス時期は休み。25ポンド:空室なし。

「35ポンドのホテルでもいい?」

かくして、歩いて5分、連泊で30ポンド*2泊を確保。

つづいてアラン諸島での3泊。

「あー、やってみるけど、クリスマスはどこも休みだと思うわ」

と言って、たてつづけに電話を3本かけた。

「やっぱり、B&Bはないわね。ホステルでもいい? いま電話して留守番電話にコールバックしてって入れておいたから、わかったらあなたが今日泊まるホテルに電話するから、今日か明日にまた来てくれる?

船は向こう(と言って裏を指差す)で予約できるから。ツアーはあそこにパンフがあるから、いいのを見つけてね。

で、あなたの今日泊まるホテルは、・・・」

ということで、あっという間に用件は不安をはらみつつ解決されていったのであった。

ホステルって、いわゆるユースホステルなんだろうか? 本当に予約できるんだろうか?

ともあれ、ツアーのパンフを見ていくと、この時期にも2社が毎日バレン高原やコネマラにツアーを運行しているのであった。ふむふむ、とパンフをコレクションしていると彼女がやって来て

「26日には船はないから、4泊しないといけないけど、いい?」

もちろん、他に選択肢はない。私はうなずき、つづいて船会社のカウンターで予約を済ませてホテルへと向かった。期待と不安が交錯する。いったい、どんなクリスマスが私を待っているのだろうか?

(第63話:「やってみるけど、クリスマスはどこも休みよ」 了)

text by Takashi Kaneyama 1999

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