第33話:電話自体がつながらないってのは、どういうことか? |
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いよいよ、ロンドンを立つ日になった。今朝も通信はつながらない。このままでは、せっかく持ってきたPowerBookの意味がない。 いくら寝ても果報はやって来なかった。音響カプラーを使うか、日本のアクセスポイントへ国際電話でつなげるか。手段は思いつくが、その前に回線をもう一度確かめよう。 仕方がない。もしかしたら私のアップロードやメールを待っている人のために事情を伝えよう。え〜と、こっちが午前8時なら、日本は午後5時か。9,00, 81,3, ...... ベルが鳴る音がしない。 もう一度。やっぱり鳴らない。ツーという音が延々とつづくだけだ。 暗然となった。要するに、この部屋の電話は外線発信ができなかったのだ。 ああ、もっと早く試していれば。いまさらフロントにクレームつけてもなあ。第一、つながらないのをいいことに、サイトの中身は実はほとんど作っていないし。 まあ、私がそれほど熱心に通信にこだわっていなかったせいだろう。通信よりもミュージカルを見るのに忙しかったし。とにかく、こうなったらダブリンで再トライだ。今度は、意地でもつなげてみせる。 (第33話:電話自体がつながらないってのは、どういうことか? 了) text by Takashi Kaneyama 1999 |
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