BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIAL 1999-2000

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第25話:フェリーが予約できてしまったが。

ロンドンからリヴァプールやウェールズに向かう鉄道の起点はEuston駅である。Victoria駅からは地下鉄で乗り換えなし。Victoria駅では予約用コンピューターが故障中でもあり、下見も兼ねて出かけてみた。

Reservationの窓口へ。方面別の時刻表シートがあったので、Holyhead方面を探す。あった。トマス・クック時刻表と照合する。フェリーとの連絡も書いてある。これで、行けるはず、なのだが。

私は、熟考の末(といっても15分悩んだだけだが)、プレミアリーグの18日/19日の試合をあきらめ、港町でもステイせず、ロンドンからその日のうちにダブリン入りすることにしたのだ。そのためにはHolyheadへ少しでも早く着きたい。

時刻表にしるしをつけ、日付けを書き込んで窓口に持っていった。いちおうアイルランド行きなので「国内用」ではなく「EU用」の窓口に行け、という。

希望は、17日の10時にEustonを出てCreweで乗り換え、Holyheadからは15時15分のフェリーに乗ってダブリンへ。帰りは1月2日の早朝5時45分のフェリーでHolyheadに戻る。

コンピューターのディスプレイで確認しながら発券が進む。乗車券が2枚、予約券が6枚。え? 6枚ってどうして?

私は行きの行程と、帰りのフェリーだけにしるしをつけて渡したのだ。帰りは、マンチェスターとオックスフォードに寄るので道筋が違う。

なぜか、帰りはフェリーしか指定していないのに、Crewe乗り換えでダイレクトにロンドンに戻る席を予約してくれたのであった。おやおや。

しばし問答。要するに、往復でないと、料金は約2倍になる。フェリーの予約だけはできない。鉄道と一緒に買うのじゃないとダメ。乗車券は最初の乗車日から1か月有効だ。マンチェスターに行くなら、Ceweから別に買えばいい。

ここでオックスフォードに行くのは? と聞くのはさらにややこしそうだったので、あっさりOKする。たしかに、ロンドン←→ダブリン往復チケットを買っておく方が安いはずだ。座席の予約にもこの場合は料金はかかっていないし。ただ、気になるのは私が予約したことになった帰りのCrewe→Eustonの席は無駄になっちゃうなあ、という日本人的な心配なのであった。まあ、気にしなくていいんだろうけれども。

というわけで、あっさり簡単にアイルランドへの船は確保された。あとは、ちゃんと運航されることを祈るのみ。そして、この心配は杞憂ではなかったのである。

(第25話:フェリーが予約できてしまったが。 了)

text by Takashi Kaneyama 1999

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