BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIAL 1999-2000

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第22話:25分も寝過ごしたらどういう目にあうのだろうか?

チーフテンズを聞きながら横になったのは16時半だった。いつのまにか寝入ったらしい。目が覚めたのは18時55分だった。

「う〜ん。ここはどこだ?」

そして、思い出した。

「あ! LION KINGが始まる!」

開演は19時30分。ホテルから最寄りの駅までなら15分、バス停までなら10分。だから18時半にはホテルを出ようと思っていたのに。すでに25分遅れている。急げ!

しかし、えてしてこういう時に災厄は重なるもので、チケットが見当たらない。ようやく大事に封筒に入れたのを思い出し、夜の街に飛び出した。

こんなときでもタクシーという選択肢を選ばないのは、習性というものだろうか。19時2分、バス停に着く。24番でも11番でもいい。ぜいぜい。ひさしぶりの走りに胸が上下する。

19時10分。バスは来ない。仕方がない。バスとタクシーの二方面作戦に切り替える。早く来た方に乗ろう。

19時15分。11番のバス。乗る。

19時25分。トラファルガー広場を回る。そしてStrand St.を東へ。

19時27分。後部デッキで位置を見定める。やや渋滞。飛び下りる。

19時29分。左手にWellington St.が見えるはずだ・・・見えない。

19時31分。あった! まだ入場の列が続いている。その後ろにつき、案内され、階段を登り・・・。K-9の席は無事に私を待っていた。そして、呼吸を落ち着かせる間もなく、開演の口上が始まった。

(第22話:25分も寝過ごしたらどういう目にあうのだろうか? 了)

text by Takashi Kaneyama 1999

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