BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIAL 1999-2000

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第10話:コーヒーを飲むための4通りの実験。

ホテルの部屋には、湯沸かしがあった。でも、紅茶もコーヒーも持参していないし、どうせ朝食で飲むんだし買うのはいいや。と、思っていたが、朝になって小さな引き出しに気がついた。開けてみれば、コーヒー、紅茶に砂糖とミルク。そうか、こういういい部屋には滅多に泊まらないからなあ。せっかくだから、飲もうか。

しかし、問題はそれからだった。

電源コンセント電源コンセントにもスイッチ。

湯沸かし器のスイッチ湯沸かし器のスイッチの文字は消えていた。

というわけで、スイッチがそれぞれあるのはよい。問題はどっちがONなのか? ということだった。赤い字の「ON」が見えていれば通電するのか、押し込んだ時に通電するのか? I/OスイッチでIが通電、というのはわかるが、これはどっちにすれば「I」なんだ?

かくして、それぞれにふたつの場合があるので計4通りの実験を実施した。

結果:3回めにお湯が湧いた。しかも沸騰すると自動的にパワーオフになった。

いや、そうではなくてスイッチの話。

結果:「ON」という字が見えている場合に、両方とも通電する。上のコンセントの写真では、向かって左の方が給電可能な状態。湯沸かし器の読めない文字(あるいは記号かイラスト)も、まあきっとそういう意味でしょう。

かくしてやっと熱いコーヒーにありつけた。ふう。ネスカフェだけど。

(第10話:コーヒーを飲むための4通りの実験。 了)

text and photography by Takashi Kaneyama 1999

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