第4話:とんでもない忘れ物をしてしまった。 |
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自宅で荷物を詰め、京成電鉄に乗っていたときからずっと気になっていたことがあった。 PowerBookその他の機材はひとつの棚にずっと置いていたので、そのままケースに入れて持ってきたのだが、そのときACアダプターはひとつの結索になっていた。本来は、アダプター部分と電源プラグ部分のふたつの結索のはずだ。それとも、私がひとつにまとめたのだろうか? 飛行機のなかで自問自答するうちに、疑惑はどんどんふくらんでいった。なにしろ私はPowerBook用のACアダプターを3個持っており、1個は携帯専用になっている。しかし、それは最近ほとんど使っていなかったのだ。 もし、電源アダプターがなければ、私の2400は1時間ももたない。CPUをG3/320MHzに改造しているので消費電力が大きいのだ。ああ、こんなに重いのに、ただのハコと化すのか? 開けた。ケースを総ざらえして、内容を確認した。ACアダプターはある。その電源プラグは、ない。もう1回見ても、やはり、ない。 う〜む。開けないうちから忘れ物を特定できるというのは才能かもしれない。いやいや、自分に感心している場合ではない。 バッテリーがあるうちに通信して、事態を伝えてしばし待ってもらおう。ところが、なぜかバッテリーは残り25分と表示されている。いくら簡単な文章でも、HTML化して体裁を整えるのには十分とはいえない。 しかも、コンセントをよく見れば、どうもサスコム(ほぼ万能の電源プラグ変換アダプター)では対応できないようだ。差し込んでみたが・・・差し込めない。説明書には対応表があったが、英国タイプはどうだったっけ? さらに最悪の事態。通信がつながらない。プロトコルとか認証以前に、サーバーが応答しない。電話番号が違う(ホテルから外線は9、念のためコンマも打ってnationwide番号・・・合っている)か、モデムスクリプトが適合しないのか? 自宅でテストをしなかったツケかもしれない。データポートはモデムセーバーでチェックしている。なぜだ? しかし時間はない。ウルトラのタイマーが点滅している。今日はこれまで。さあ、トラブルは忘れて出かけよう。 (第4話:とんでもない忘れ物をしてしまった。 了) text by Takashi Kaneyama 1999 |
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