BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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3月21日(木) 20:30 AC Milan - Japoer TelAviv

はためくダヴィデの星。

(UEFA Cup 準々決勝第2レグ)

キックオフ45分前にサン・シーロに着いた。メトロの駅構内からすでにダフ屋が大声をあげている。「これはチケットが余っているな」

その予感の通り、まったく並ばずに正規窓口にてメインスタンド中央1階の席を正価45ユーロで購入。しかし、今日の警備は厳重を極め、ものすごい迂回をさせられた上、ボディチェックはいつもの3倍は時間をかけていた。今晩のゲストはイスラエルからなのだ。

あのテル・アヴィヴから、ハポエルがミラノにやってきた。

スパルタク・モスクワを破り、パルマを沈めて、先週はホーム(さすがにイスラエルは危ないということでキプロスで行われた)でACミランに1−0で勝利。いまや、旋風を巻き起こしているハポエルは、いつもはインテルのウルトラスが陣取る南側Curvaに大量のサポーターを送り込んできた。

しかし、ミランが飢えた猛獣のようにゴールに襲いかかる。開始5分でルイ・コスタがFKから直接ゴール。そのあとも、シモーネやガットゥーゾらが激しいプレスをかける。

ハポエルも負けていない。鋭いカウンター、精密なスルーパスでチャンスを演出する。このチーム、ただものではない。

前半ロスタイム、オウンゴールでミランが2点目。


ヘッドでクリアしようとしたのだが・・。

2-0のままなら、ミランが勝ち上がる。しかし、ハポエルが1点とって2−1なら、アウェイゴールの差でハポエルが勝ち上がる。

試合は後半に入った。


中盤の王様、ルイ・コスタ


インザーギ、渾身のヘッド!


「あれはPKじゃないのか?」抗議するタシュカン監督(ハポエル)を制止する主審。

ついにロスタイム、最後のチャンスと思われたCKからのシュートを大きくはずして、ハポエルのヨーロッパ戦線は終わった。

いい試合だった、と思う。何より、選手たちがお互いをねぎらいあうシーンがそこかしこに見られた。素直に、まるでアマチュアのように、健闘をたたえることがあっていい。

photography and text by Takashi Kaneyama 2002

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