BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月26日・オクスフォード→ヒースロー「みっともない日本人2景。」

ヒースローへ。

朝食時、B&Bの経営を勉強しているという女性に、インヴァネスでとまったアンの住所を渡す。B&Bらしいホスピタリティとして推薦しておく。

荷物をかついで5分でバス停に到着。30分に1本あるはずの空港行きのバスだが、どうにか待つこと20分でやって来た。オクスフォードから東へ。なだらかな平原をバスは走る。もう帰ってしまうのか。

1時間半かかるところを25分も短縮してヒースロー空港ターミナル4に到着。まだ11時前だ。で、本当にターミナル4でよかったのか、確認する。実はターミナルがどこかよく知らなかったのだ。論理的には4なのだが。・・・おお、4だ。ここでいいのだ。それから長いチェックイン待ちの行列に耐えること35分で無事にチェックイン完了。

出発までは3時間近くある。まだゲート未定なのでMDを聞いてぼーっとする。機内持ち込みのバッグだけなのだが、こいつにはpowerBookをはじめ通信関係機材と仕事の資料が入っているのでけっこう重いのだ。

図々しいにもほどがある。

スクリーンを眺めていたら、出発直前にならないとゲートナンバーが出ないようだったので、さっさとセキュリティチェックを受けて免税ゾーンへ。前回はついついアイリッシュ・ウィスキーを試飲して買ってしまったが、今回は何も買わずに滑走路を見渡すカフェへ。

カプチーノを頼んで待っていたら、日本人のおばさんがふたり、ミネラルのボトルを手に持ってやって来た。

「ねえ、いくら?」
「これで足りる?」(と、小銭を店員にぶちまける)
「え、足りない?」(店員が20ペンス貨をかかげている)
「でも、ないのよう」
「なんとかならない?」
「だって、これしかお金ないんだもの」
「ねえ、これしかないんだってば」

という会話(というか一方的にまくしたてているのだが)をぜーんぶ、このまんまの日本語で言っている。そこで通訳してあげるとか、不足分の小銭を出してあげるとか、親切な人になることも考えたのだが、そのあまりの根性の汚さに知らない振りをした。助けを求められれば何とかしてあげるが、そういう要求をして平気でいられる面の皮があれば、別にどうってこともあるまい。

海外旅行で、日本語ですますこと自体は別にいいのだが、こういう甘えた馬鹿野郎は絶滅すべきではないのか? ちなみに、このあとどうなったかは知らない。小銭が余ってるのであればユニセフに寄付すればいいのだ。200円以下の小銭だろうに。

自分の搭乗券を持っててくれ。

ようやく搭乗案内が始まって、すぐに列が止まった。搭乗券とパスポートの名前照合をしているのだが、自分の名前と違う搭乗券を持っている人が頻発したのだ。

もうアホか。どっかの団体が搭乗券をテキトーに分配したのに違いない。何が情けないって、「ご自分の名前の搭乗券を持って・・・」と日本語でアナウンスがありながら、それでも事態が理解できていないおじさんがいて、地上スタッフに「ここで待ってて」と言われているのに、ふらふらと搭乗口に歩き出すものだから、スタッフが慌てて引き戻している。結局、その団体だけ再集合して、他の人から先に搭乗。

座席40Aは、目の前がギャレーで、一見「no movie seat」。しかし、実は個別にスクリーンが椅子下から出て来るし、各席のトレーとは別に壁からテーブルが出る。しかも足元に余裕があるので、窓際から通路に出るのが楽だ。ふむふむ。BAでは40AかKが狙い目、と。メモしておこう。

隣が日本へ出張するビジネスマン、その隣が筑波に行くという研究者であった。この研究者はなぜか、プレッツェルとかコーラをスッチーからもらっては分けてくれるのだった。目の前がギャレーなので、食事が終わったら待たずにそこに片付けて、すぐにトイレへ行って寝る体勢に。3人とも慣れているので協調すると早い。

text by Takashi Kaneyama 2000

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