BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月14日・エジンバラ「歩きすぎて足を痛めた。」

丘の上から。

ホテル向かいのカフェで朝食を食べて、地図を見ていたら、カールトンヒルへ行く途中にバス・ステーションがある。それなら立ち寄ろうかと思ったが見つからなかった。なぜだろう。

カールトンヒルは見晴らしがいい、と聞いたので登ってみたが、運動不足の身には辛かった。ぜいぜい。しかも、わざわざしんどい方の道を来たらしい。あほかいな。

どういうわけか、パルテノンもどきがある。

フェルメール巡礼。

降りてNatinao Gallery of Scotlandをめざす。英国らしく、無料。かてて加えて他の3つのGalleryのあいだに無料巡回バスが走っている。しかし、私は美術館はここだけで打ち止めにする。なにしろ怠け者なので。

とにかくフェルメール、だ。【マルタの家のキリスト】、初期の作品で確実なもののうちのひとつ、残されている唯一の宗教画題。サインも確認し、ウルトラマリンでなくインディゴを使っている(絵の具の話)ことも確かめた。同様に初期の作品とされるマウリッツハイス美術館(デン・ハーグ)の【ディアナとニンフたち】も、アーサー・ウィーロックが「発見」した【聖女プラクセデス】も、フェルメールの真作とする見方には異説があるので、この作品は重要なのだが。

さて、ようやくホンモノを見た感想としては「まるでフェルメールに見えない」のだった。ただ、カーペットの模様の描き方だけが関連を感じさせる。これだけ画風が違うと、メーヘレンの偽物をつかまされた専門家たちを笑えない。ううむ、奥が深い。

散歩というより放浪。

オールドタウンをうろつき回る。寒いのでタータンのマフラーを買って、すぐに首に巻く。ちなみにこちらではウールの厚いものでもScarfという。ケルトアートのショップやバッグパイプの専門店もあるのだが、やっぱり入ってしまったのは古地図の店だった。しかし、めぼしいものがなく、買わずにすんだ。危ない、危ない。


フル・ブレックファストの典型。

歩き疲れて、小さなビストロで食事。3コースで4.95ポンドという安いプリフィクスだったので、ヴィシソワーズとコッコヴァン、ボジョレー・ヴィラージュのハーフボトル、チョコレートタルトにエスプレッソ。味もサービスもそれなりだが、フランス語が氾濫しているのでスコットランドにいる気がせず、まるでフランスの田舎に来たみたいな気分だ。

さて、スコットランド料理の本を探していたのだが、結局ツーリスト・インフォメーションで手頃なものを発見。ついでにMackintosh(建築家のマッキントッシュね)の本と鳥瞰図風の地図を買い、長距離バスの時刻表をもらう。

そしてVirginでScotish TradのCDを物色。ついついアイルランドものを買いそうになるが自制する。いつのまにか4時半になっている。今日中に郵便局から買い込んだモノを送らねば。

なぜか一日が終わった。

ホテルに速攻で戻って送るモノを集め、隣の(そう、ホテルの隣が郵便局だったのだ)郵便局へ。まずは小包の箱を買い、記入用紙をもらい、梱包テープを忘れたので買い、モノを詰め込んで送付先やら中身やら金額やらを記入し、重さを量って料金分の切手を貼って送った。・・・という一連のことは、小さな局だったので、おばさんがいちいち教えてくれるのではあるが、たっぷり20分かかった。

脚が痛いので風呂に入って温める。どうも太股裏の筋が伸びたかなにかで痛む。本当はパブでトラッド音楽のライブでも聴くつもりで情報を集めていたのだが、どうしよう。無理すれば行けないこともないが。でもまだお腹空かないし。

・・・そうこう悩むうちに寝てしまった。zzz......zzz......

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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