BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月10日・ストラトフォード・アポン・エイヴォン「歩き回る。」

どうしてもネットにつなぎたい。

今日の第一目標はインターネットにつなげることだ。

最初にめざしたのはドミニクが言っていたGreenhill St.なのだが、そこはバックパッカーホテルで、聞いてみたところでは今はインターネット・サービスはやっていない、と言う。他にないのか、と聞いたらHenley St.を教えてくれた。

Henley St.で行きつ戻りつして発見したのはPublic Libruary(公共図書館)。親切なスタッフが何人も引き継いでくれたが、結局電源は使えるが電話線は使えない、ということなのだった。

残る手はひとつだ。ホテルに戻ってドミニクに相談する。ホテルの電話線を深夜か早朝に20分貸してくれ。で、どうやらクレジットカードの確認用のラインのところが1本空いていて、英国タイプとの変換アダプタでつながった。ここなら今使っていい、というので勇躍通信開始。

というわけで、ようやく6日から9日までの分をアップロード。メールは79通受信。

1マイルの散歩。

ロビーでPowerBookを膝の上においてメールを読んでいたら、すでに12時を回っていた。天気がいいので、Anne Hatherway's Cottageまで歩くことにする。要するにシェイクスピアの嫁の実家。それがどうした? という気もするが、17世紀の暮らしを再現した茅葺きの家ということで、ありがたく拝見する。裏が果樹園になっていて、リンゴが収穫されずに残っていた。帰りは当然ショップを通るのだが、ガーデニングの苗やら種やらが充実していて、思わず検疫を忘れて買いそうになった。

ここから市の中心部へは、footpath(歩行者のための道)が充実しているようで、なかでもここは風情があった。

で、そのまま北東へと歩いていたら、見覚えのある通りに出た。あ、駅だ。ちょうどいいので明日のバーミンガム経由マンチェスター行きの時刻を確認しておこう。時刻表で土曜日も1時間に1本程度は直行があるのを確認。よしよし。念のため、洪水で運休なんかしてないだろうなあ、と窓口に回ったら。

な〜んと、明日は直行はないってさ。つまり、途中のSpring Rd.でバスに乗り換えろってことか。窓口で駅員に確認して、明日のマンチェスター行きの切符を買っておく。バスはバーミンガムのNew St.駅にも止まるから、そこでマンチェスター行きの列車をつかまえろ、ってことで一件落着。

どこへ行こうかな?

エイヴォン川沿いの散歩道。

さらに歩いてHoly Trinity Churchでシェイクスピアおよびその一族の墓を見る。この教会は外陣の軸と内陣の軸が少しぶれていて、真上から見れば十字架上でキリストが首を右へかしげているのをなぞっているように見えるのが変わっている(もちろん、上空から見たわけではなくって表現上のアヤ)。


ブックメーカー(賭屋)のウィンドー。
サッカーくじではなく、特定の試合で最初の得点者が誰かを賭ける。
12日のチェルシー対リーズで
賭屋の予想ではハッセルバインクが7対2(4.5倍)で有力。

また川沿いに戻る。ショップをのぞいたりしているうちに、そういえば昨日Antique Mapの店を見つけたことを思い出して行ってみた。予感はしたが、やっぱり買ってしまった。1736年発行"Britania Depicta"からハートフォードシャーあたりのロードマップと、1830年発行"An Atlas of Modern Geography"からヨーロッパ全体の地図(修復済み)。どちらもreprintではなくってoriginal。かといって、大した値段ではない。合わせて55ポンド。

新聞(ガーディアン)を買ってホテルへ帰り、チャンピオンズ・リーグの組み合わせをBBCで確認。リーズがレアル・マドリッド、ラツィオと同じ組になってしまった。見る方は面白いけど。あとはアーセナルとバイエルン・ミュンヘンが同居。マンUはバレンシアとまた当たることになった以外はシュトルム・グラーツとパナシナイコスが相手では、すでにこの組は無風といえよう。

7時過ぎ、夕食を摂りに出かける。リオハのハーフボトル、スターターにクリスピー・ダック、メインにポークのエスカロップほうれんそう添え、デザートにブラックベリー・クランブル&アイスクリーム、エスプレッソ。こういう贅沢をつづけると癖になるので、これを最後にしばらく粗食に戻ることにしよう。

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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