BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月5日・ロンドン「雨の似合う街」

眠い。もっと眠りたい。けれども美術館巡り。

結局、アップロード作業が終わったのは午前6時だった。それから寝てしまって、10時近くに掃除のメイドがやって来てしまった。

朝食をとって、とりあえずテート・モダンへ向かう。広い吹き抜けのスペースに降り立ったエイリアンが印象的である。Louise Bourgeoisの作品【Maman】とクレジットはあるが、どうみてもエイリアンである。卵まで抱えている。

テムズ左岸を歩いていく。ついつい古書市で古い地図を漁ったりする。ウォータールーで橋を渡り、コートールド・インスティテュート・ギャラリーへ。14年前にも来たのだが、なんか別の建物、別の場所だったような気がする。ううむ。記憶は当てにならないし。マネの【フォリー・ベルジェール】ばかりが有名だが、中世・ルネサンスでもカンピン、ボッティチェリ、ベッリーニ、ブリューゲル(父)ほかいいものがある。セザンヌもスーラもあるし。

はずみでギルバート・コレクションへ。こちらは装飾美術で、ケルト系を期待したがほとんどなし。

試食のはしご。

小雨になっていた。ランチの場所を求めてコヴェントガーデンに向かったらファーマーズ・マーケット(農家とか生産者がブースを出して売っている)にぶつかった。

これ幸いとゲームのソーセージ(フランスでいうジビエ、英国ではgameという野生捕獲鳥獣の肉で作ったソーセージ)を2軒で試食し、匂いにつられてカニ脚のフライと海老のオイル焼きを買って食う。さらに調子が出てベリーのお酒を試飲し、hot spicy cider(リンゴ酒に生姜やスパイスを入れて温めたもの)をグラス一杯買って温まり、Frank(つまりフランクフルトをパンではさんだ、そうアメリカでいうホットドッグ)を買って食い、デザートにオーガニック・アイスクリームを試食させてもらってからひとつ買った。計7.75ポンド。これで満足。

雨が強くなってきた。カフェでは踊るカルテットが受けまくっていた。ジャンプ、回転どころか、可愛い女の子と見れば4人で追いかけて囲んでしまう。老婦人がひじ鉄を食らわせるアクションでさらに大受け。


弾きながらジャンプ!

久々に大笑いをした。ロンドンは、いいところだ。しかし、明日にはロンドンを離れて田舎へと向かうのだ。

さらに歩いていく。雨なのに。そうしてテキトーに曲がっていたらホルボーンまで戻ってしまった。ここでホテルに戻ればいいものを、キングズ・クロス駅まで地下鉄で行ってエジンバラ・ロンドン間の時刻表をもらっておく。有名なFlying Scotsman号は、いまだに走っている。

今晩は、たぶんガイ・フォークスの篝火がフィンズリー・パークであるのだが、雨だ。8日のライブ会場である<ブル&ゲイト>の下見に行ってもいいが、もう暗い。21日にロンドンへ帰って来るときのためにB&Bを探しておきたいが、面倒くさい。

というわけで、6時前にホテルに帰ってお風呂を浴びて横になったら熟睡。今朝は4時間しか寝ていないからなあ。本当は中華街にでも行っていいもの食べようかとも思ったのだが。空腹で目覚めた夜の10時、食欲と睡眠欲を秤にかけるまでもなく、寝る。...zzz....zzzz......

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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