BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月3日・ロンドン「明日のためにその1、その2、その3」

これからどうする?

朝から資料を広げて今後のプランを検討。えっ? 何を今頃って? しかたないじゃん、やってなかったんだもん。

熟考の末、スコットランドはエジンバラとグラスゴーの2大都市だけに計画を縮小する。インヴァネスやシェトランド諸島やスカイ島は次回のオンシーズンだ。なぜなら、オフシーズンには小さな街や村のインフォメーションや宿がかなり閉まってしまうようだし、交通機関も不便になるし。アイルランドでも同じ傾向だったし、見所のスポットもクローズドではちいと辛い。

・・・というと、真面目に調べたみたいだが、要するにものすごく「寒い」のだ、すでにロンドンで。これでさらに北上し、丘や野原を歩くことを思うと迷う。

さらに決定打になったのがMANU(マンチェスター・ユナイテッド)のホームゲームが11日(土)にしかないこと。これに行くとスコットランドの島々へ渡る日数は取れないこともないが忙し過ぎる。

その代わり、イングランドの田舎の代表コッツウォルズ丘陵と湖水地方を2,3日かけて回る予定を組んでみる。さらにバースとストラトフォード・アポン・エイヴォンに3日ずつ滞在してみるか。

ううむ。まだ悩んでいる。格安飛行機のeasyjetで飛べば、スコットランドの田舎だって素早く行けるかも。

しかし、悩むよりも朝食を食べることにする。さすがに安く泊まっているので新聞が部屋に配達されないとか、朝食がコンチネンタルでイングリッシュではない、という些細な欠点はあるが、フレッシュジュース4種からグレープフルーツを選択して、コーンフレークスにドライフルーツとくるみをたっぷり入れ、バターをたっぷり載せたトーストとハム、チーズ、フルーツ、コーヒー、とくれば文句はない。

その1:プレミア・リーグの試合を観るぞ!

9時半にホテルを出た。この時刻には理由があり、ロンドン市内のone day travel card(1日乗り放題)は平日には9時半から発売になるのだ。朝のラッシュ対策ですね。

ホルボーン駅近くで『Time Out』 (ロンドンの『ぴあ』のようなもの)を買い、全ゾーン有効のtravel cardでトットナム・ホットスパーの本拠地であるホワイト・ハート・レーン・スタジアムをめざす。間違えたふりをしてクラブハウスへ入ってみたが、当然呼び止められ、おとなしくチケットボックスで4日の対サンダーランド戦のチケットを買う。予想に反してあまりにカンタンだった。その次のホーム戦はsold outだったので、幸運なのだろうか?

フェルメールと対面。

つづいてケンウッドハウスへ。このあたりはロンドン郊外、風景も全然違う。トットナムはいかにも労働者と失業者の街みたいだったが、ケンウッドハウスへの道は高級住宅地とヒースの散歩道である。

地下鉄のアーチウェイ駅から歩くつもりだったが、ちょうどいいバスが来たので乗る。しかし、街並みがきれいなのと天気がいいので、さっさと降りて歩く。20分ほど歩いて着いた。左側でなにかこちょこちょ動いているなあ、と思ったらリスだった。

ここで念願のフェルメール【ギターを弾く女】に会う。しかし、どうも手抜きか失敗にしか思えない。とにかく、バランスが悪い。むしろ、レンブラントの晩年の自画像の方がよかった。

その2:ライブハウスはここだ!

キャムデン・タウンで途中下車して<ダブリン・キャッスル>を下見。ちゃんと4日の予定にNO-ARASHIが出ている。ちなみに、『Time Out』にももちろん記載されている。

→下見のちょっと詳しい情報と写真はこちら

その3:資料集め

実はさっきから時刻表を探しているのだが、ユーストン駅のW.H.Smithでも置いていない。で、やっとピカデリー・サーカスから南下したBritish Visitor Centreのbookstoreで見つけたら、なんと2分冊で重くて厚いものしかなかった。しょうがないので、Londonから深夜にBathへ戻る列車があることを確認して買わないでおく。

さらにScotish Tourist Boardに回り、大量のパンフレットを収集する。これで一挙に重い荷物を抱えることになった。いや、なに、例によって道に迷ったりしたわけだが。

恐竜も好きだ。

まだ4時前だ。せっかくのロンドン、ミュージカルとかシェークスピアとかを楽しむか・・・とも思ったが、結局はディズニー映画「ダイナソー("DINOSAUR")」を観ることにする。公開されたばっかり、しかもフィルムを使わないフルデジタルの上映で最新CGを楽しもう、という魂胆である。というか、あんまり頭や気を使いたくなかっただけかも。

レスター・スクエアまで歩いて5時からの回のチケット(指定席)を買っておき、近所のケバブ・レストランでお食事。公園のベンチに座ってストレッチング。映画は面白かったのだが、やっぱりディズニーだけあって、スト−リーはお子さまランチ、恐竜の表情はアニメもどき。でも冒頭の卵が旅するシーンだけでもう満足。

バスカーの"Johnny be good"を聞いてからホテルに帰った。

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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