BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月2日・東京→ロンドン「ドアマンのいるホテル」

遅刻しないときには整備が遅れる。

今回こそは、遅刻しないぞ。そのために、午後出発の便にしたのだから。それはいいのだが、結局いろいろなところに義理を欠いたまま、出かける。いつものことながら、すみません。

どうも連休の関係で込んでいるらしく、なかなか安めのスカンジナビア航空とかが取れず、贅沢にもBAに乗ることに。9万円台だと、ものすごく高いような感覚に陥る。昔は・・・、いや、やめます。

日暮里で贅沢ついでにスカイライナーで行くことにして、構内でAIUの保険をバラで掛ける。成田空港ではいつものようにエレベーターでまっすぐ出発階へ。久しぶりに行きで荷物をチェックインする。軽いんだけど。だんだん旅行スタイルがフツーになってきたのかも。しかし、機内持ち込みにはPowerBook2400 をはじめ、電源関係、通信関係、MDレコーダー/プレーヤー、デジタルカメラ、仕事関係の書類などなどけっこう重い。ひいひい。

成田空港で短いフォンコードとミネラルウォーターを買う。

搭乗時刻が1時間も遅れたが、予定到着時刻は定刻。で、ほとんど予告通りに着いた。パチパチ。BAの機内食のカトラリーが魅力的で誘惑にかられる。

どこに泊まろうか?

ヒースローの入国では「去年の12月に来たのは観光か?」と聞かれる。そんなことに神経とがらせてどうするのだろう? FIXの帰国便を見せているのに? インドネシアよりもうるさいぞ。しかしもちろん、にこやかに応答して通過。

ATMで現金500ポンドをおろしたら、20ポンド札と10ポンド札の分厚い束で出てきた。まるでインドネシア。ターミナル4のホテル予約所では「最低1泊155ポンドから」と言われて撤退する。いくらなんでも高過ぎる。すでに午後5時を過ぎて暗いし、最初から通信しないといけないし、だいたいロンドンではろくな安宿がないことがわかってきたので、市内に向かう前に泊まるところを確定させたい。60ポンド(約1万円)前後までは妥協しようと思っていたのに。

しょうがないので、去年行ったターミナル3のホテル予約へ向かう。パディントンのヒースロー・エキスプレスで移動すると空港内は無料。6時直前にカウンターに到達し、忙しいシーク教徒のスタッフに頼んで結局は1泊90ポンドでホルボーンのホテルにする。予算の1.5倍だが、場所は絶好(ブリティッシュ・ミュージアムのそば)だ。

地下鉄ピカデリー線でまっすぐ、ホテルは真新しく、ドアマンがうやうやしくドアを開けてくれる。ぱりっとしたビジネスマンやらお洒落な方々が足早に出入りする。なんか、ものすごく場違いだが、ちゃんと予約した客なので堂々とチェックインする。ちらっとカウンター上の料金表を見たら「シングル:209ポンド」。

げげげっ! ということは・・・57%引き? 本当は33,500 円の部屋に14,400 円で泊まるっていうこと? これはどうもスペインのマラガ以来の贅沢になりそうであった。

タダの寿司。

長時間の飛行で着いた夜は、小腹が空く。だが、しつこいものは食べたくない、着いたばかりで回りの様子がわからない、ということで安易な食事に走りやすいものである。

そこで私はさらに安直なものを見つけた。ホテル内に新しく寿司レストランがオープンするらしく、無料イベントがあるらしい。"FREE to taste"その甘美な響きに誘われて、つまりはマグロ、サーモン、うなぎ、ミル貝、サバ、甘海老などを次々に食したのであった。

払ったのはバドワイザー2.5ポンドのみ。ちなみに握っていた職人はインド系の浅黒いおじさん。オーナーらしき女性が応対してくれるのだが、バイトの日本人の女の子には日本語で指示するのに、私には英語で注文を聞くのはなぜなのだろうか?

それはともかく、飲食店には絶対に合わない濃厚な香水の匂いは勘弁して欲しい。

text by Takashi Kaneyama 2000

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