BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIALスペイン蹴球紀行
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第2話:未定という名の予定。

予定をキチンと立てる旅はやめたいと思いながら、つい予定を立ててしまう。だって、楽しいんだもん。

調べ過ぎるのもやめよう、と思いつつ、ついつい調べてしまう・・・が、自重した。ありていに言うと面倒なことはやらなかっただけだ。観光局に問い合わせるとか、WEBで探す、とか。

いまのところ、決定しているのは成田/フランクフルト/マドリードの往復の航空券だけである。FIXなので、26日にマドリードから帰途に着くことは確定。あとはどーやってもいいのである。

つまり。

さっさとポルトガルに行くとか、
ピレネー山脈のふもとのさびれたロマネスク教会を訪ねるとか、
バスクに行ってワインを飲むとか、
ガリシアに行って鯵の塩焼きを食うとか、
コスタ・デル・ソルでひなたぼっこするとか、
アンダルシアでフラメンコを堪能するとか、
モロッコに渡るとか、

いろんなことを考えたのだった。

しかし。

先に書いたようなことはすべてあきらめた。だって、futbolを観に行く、と決めたからだ。それでも、イングランドやイタリアやフランスまで足を伸ばしてよかったのだが・・・メンドーなのでやめた。本当はアスレティック・ビルバオやデポルティーボ・ア・コルーニャやセルタ(ビーゴ)のゲームを観たかったが・・・遠いのでやめた。いや、行こうと思えば行けるのだが、飛行機使うのもなんだし、やっぱりバルセロナとレアル・マドリードは押さえておきたいし。実は、9日にはデポルティーボ対アーセナルとかセルタ対ユヴェントスというおいしいカードもあるのだが、着いてすぐ翌日に長距離の移動ってのもしんどいし。

というわけで。

要するに、グータラしながらサッカーを観て、その合間に遊ぶ、ないしは休憩するという魂胆なのであった。戯れに、日程を組んでみた。全部が「未定」という恐ろしい日程表である。

08日 マドリード着。
09日 予定なし。
10日 予定はないが、アランフェスにでも行こうか。
11日 バリャドリードへ。
12日 たぶん、この日にバリャドリード対アトレチコ・マドリードの試合。
13日 マドリードに戻る。
14日 レアル・マドリード対ディナモ・キエフの試合。
15日 シャトルフライトでバルセロナへ。バルセロナ対ヘルタ・ベルリン。
16日 予定はないが、フィゲラスあたりに行くかも。
17日 予定はないが、動物園あたりでぼーっとしているかも。
18日 バレンシアへ。
19日 バレンシア対マラガを観て、真夜中の火祭りを見物してもいいな。
20日 休憩。
21日 バレンシア対マンチェスター・ユナイテッド。
22日 マヨルカかイビサに渡ってひたすらぼーっとする。
23日 もしかしてUEFAカップでマヨルカが勝ち上がって、日程がうまく行くと、ゲームがあるかも。
24日 何も考えていない。
25日 そんな先のことをスペイン人は絶対考えないぞ。
26日 まだ曜日の感覚を失っていなければ、帰りの飛行機に乗る。
27日 オーバーブッキングも事故も遅延もなければ、日本に帰って焼き鳥を食う。

うわあ。書いてみると、ほんまもんのアホや。このなかで一番確実なのは「日本に帰って焼き鳥を食う」だな。しかし、無事に帰ることができるのだろーか?

(第2話:未定という名の予定。 了)

text by Takashi Kaneyama 2000

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