BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIALスペイン蹴球紀行
CONTENTS
3月13日-14日/バリャドリード→マドリード
罵倒するには困らない

3月13日(月)

窓の下で市場は開店準備。しかし、バリャドリードを去る朝だ。TALGOは「わずか」10分遅れでマドリードに着いた。チャマルティン駅で三ツ星ホテルを予約。ついに、ようやく、とうとう、外線発信できる電話が。しかも、引っこ抜けばすぐに接続できるモジュラージャックだったのだが。

Casa del Libro。ここだ、13年前に辞書を買ったのは。またしてもここで西英・英西辞典を買う。スタジアムの座席の解読をしなければならない。

昼食のあと、スポーツ紙「MARCA」を買って日程を調べる。やはり、マヨルカとセルタは16日にホームゲームをやるようだ。で、18日にバルセロナ、19日にビーゴ、ってことも不可能ではないが。

サンチャゴ・ベルナベウへ。明日のチケットを買う行列のうしろに着く。結局1時間半も待った。持っていた新聞の余白に、「Lateral, Grada alta」と書いて見せたらおじさんが笑って指を1本立てた。「Uno?」かくしてチケットをゲット。

帰りにエル・コルテ・イングレスで食料品を買う。ビール(330ml缶で68ptsってことは50円以下である。水より安い)とサンドイッチ、メキシコもののピーマン肉詰め缶、コーン缶、オレンジと桃の100%ミックスジュース。この「ピーマン肉詰め」がすごかった(詳しくは改めて)。

3月14日(火)

今日こそ通信を。と思ったがフリーズ。だいたい、サーバーの応答する音が聞こえない。

歩いて、ティッセン・ボルネミッサ美術館へ。コンパクトに西洋美術史が一望できる、よい美術館である。超目玉はないが、なにしろ本物でこれだけ並べることができる、というのが凄い。子どもたちの授業が多数。暇にまかせてボールペンでミロを模写。黒・赤・青で描けるのがよい。

プラド美術館。全部を意地で見ると辛い。それでも3時間あれば、なんとか展示を全て見るのは可能だ。ヒエロニムス・ボスの部分アップを入念に撮影し、フランドルをじっくり点検してそれくらいだ。この程度で「1日では見てまわれない」なんて書くのは不勉強である。13年前に、私はほぼ半日をここで過ごしたのだ。


私が偏愛するRobert Campinの作品のほんの一部分。
左端は額縁。どれだけ微小かわかっていただけるだろうか?

FNACでCDを買う。TOP10からスペインのアーティストを3人・・・と思ったらTOP30まで手を広げないといけないのであった。トップがサンタナの"SUPERNATURAL"というのはむべなるかな。しかし、トム・ジョーンズとかAC/DCがTOP10ってのはなんかタイムスリップしているような気分だ。

歯が抜けた。いや、正確に言うと詰め歯だが。抜けたまま旅する羽目に。

レアル・マドリード対ディナモ・キエフ。2-2の引き分け。悩める白鯨、いまだ浮上せず。というわけで、スペイン語の悪態の数々を学習する。ここでは書かないが。しかしすごいぞ。母音が単純なせいか、妙に日本語っぽく聞こえておかしい。

Gran Viaで降りてホテルの近くで飯を食おうと思ったら、黒人につけられる。反転して逃れる。13年前にから依然として、マドリードは安全ではない。

text by Takashi Kaneyama 2000

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