BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
SPECIALスペイン蹴球紀行
CONTENTS
3月11日-12日/マドリード→バリャドリード
市場を見下ろすホテルにて

3月11日(土)

またも遅れた。私が、ではない。スペインの鉄道が、である。TALGOではないにせよ、幹線の特急のはずなのだが。バリャドリードに着く予定時刻の5分前にかなりの人が降りる支度をはじめたので歩調を合わせて扉の前で待っていたが、どうも違うような気がして尋ねたらメディーナ・デル・カンポだった。結局、15分遅れ。やっぱりスペインは変わっていなかった。

土曜日でツーリスト・インフォメーションは休みらしいし、駅からバリャドリードの中心へ行くあいだにホテルがいくつかあるようなので、荷物をかついで炎天下を歩く。市場を発見。その広場に面したホテルに投宿。


シェスタの前に部屋の窓から

シェスタのあと、窓から見下ろしたら市場は終わっていた。ありゃま。フロントでスタジアムへの行き方を尋ねる。試合開始1時間前にこの広場からスタジアム行きが出るらしい。そして散歩。ガーゴイルを多数発見。これだけでもけっこう嬉しい。

夕方には広場は人々で溢れる。用もないのに歩くのである。なかなか微笑ましいものだ。なぜかアイリッシュパブでギネスを飲む私。

夕食にRUEDAの白ワインを頼んだら、老給仕は「これは、バリャドリードのワインじゃよ」と笑いかけてきた。ちなみに私がレスタウランテ(と、彼の地では発音する)に入ったのが午後11時。すでに生活がスペイン時間になっている(なり過ぎかもしれない)。

3月12日(日)

やっと思い出したが、スペインの内陸部はものすごく乾燥するのであった。どれくらい乾燥するかというと、汗も小便も滅多に出ないくらい。もちろん血も涙も出ない。で、実はいまだに花粉症かもしれない鼻炎をひきずっているのだが、鼻水も出ない。しかし、水分摂取すると鼻水が出るのだ(汚い話ですまない)。あ、もちろん口から水をごくごく飲んで、だ。私は鼻から水を飲む芸は持っていない。

そして、朝はけっこう寒い。カテドラルやらを見て回る。彫刻美術館は休館。それは、今日が選挙の投票日だかららしい(まだ辞書を引いていないのだ)。

散歩中にレアル・バリャドリードのオフィシャルな切符売り場を発見。それによれば、昨日の午後、ここでアトレチコ戦を売っていたようだ。今日は昼は2時までスタジアムで売り出しがある。あとは試合開始の2時間前から。少し考えて、その向かいのツーリスト・インフォメーション(カスティーリャ・イ・レオン州)に飛び込んでバス路線図をもらい、スタジアムへのバスを尋ねた。

まあ、かくしてけっこうスリリングなバス移動を経て、切符を買った。散歩(というか、帰りのバスを間違えた)のあと、昼寝。

徒然に考えた、今回の理想のスケジュールとは?

09日 Celta対JuventusまたはDeportivo La Coruna対Arsenal(UEFA)
11日 Real Madrid対Sevilla
12日 Real Valladolid対Atletico Madrid
14日 Real Madrid対Dynamo Kyev(CL)
15日 FC Barcelona対Hertha Berlin(CL)
16日 Mallorca対GalatasarayまたはCelta対Lens(UEFA)
18日 FC Barcelona対Deportivo La Coruna
19日 Oviedo対Athletic BilbaoまたはCelta対AravesまたはZaragoza対Espanol
21日 Valencia対Manchester United(CL)
25日? Real Madrid対Layo

もちろん、こんな予定を組んだら死ぬほど苦しい。ま、飛行機を駆使すればできないことはないのだが。私はせいぜい、5〜6試合にしておこう。

そしてスタジアムに出かけ、オフィシャルショップでマフラーを買い、試合を見て帰って夕食を食べて寝た。

ちなみにバリャドリードは1-0でアトレチコ・マドリードに勝ってしまい、順位を上げた。注目のハッセルバインク(アトレチコ)はまだまだ荒削りだ。日本からの学生らしき旅行者多し。海外旅行も初めてなら、サッカーを生で見るのも初めて、という人もけっこういたようだ。

text by Takashi Kaneyama 2000

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