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朝食は台所に頼みにいかないといけないらしい。芦屋のお嬢様が一緒に頼んであげるというのだが、ついていって台所を拝見。昨晩も思ったが、建物がたくさんあって庭が入り組んでおり、いまだに配置図が理解できない。 お向かい7号室のアメリカ人女性とお話をする。リンダといって、日本に3年間いたことがあるそうだ。 朝食を持ってきたワヤンにサプ以外のサロンなどを返す。食べ終えてすぐにPowerBook2400での作業にかかる。しかし、やっぱりマイクロドライブは問題児であった。途中で取り込みを諦める。 10時35分ごろ、でがけに3号室のK氏に挨拶したら1時間以上もつかまってしまった。こっちは立ち話なのに買ってきた絵まで出してきて、ユリアティ(天才踊り子)やら画家やらガムラン奏者やらの写真をたくさん見せてもらう。 ジャラン・ハノマンを南下して<カフェ・テガル>のすぐ手前にBCAのATMを見つけた。となりがビジネスセンターで、ファックスもコピーもできる。ここは使えそう。 <カフェ・テガル>でシーフード・チャプチャイとビーフン・ゴレン。マディはいないかと思ったら、あとでやって来た。「今日は3時で仕事が終わるの」と、またもや悩ましいことを言う。しかし今日は午後からずっと仕事なのである。 ということで、食べ終えたテーブルで企画書の仕上げ。宿には書き物机がないのだ。となりのビジネスセンターでコピーし、Homestayに戻って歯磨き、シャワー、昼寝。 そして3時にピックアップしてもらって、いよいよ仕事本番の執筆依頼。 それはさておき、すみれちゃんと紙飛行機を折っては飛ばして遊ぶ。5歳にしてインドネシア語、バリ語、日本語のtrilingualである。しかし、それを日本から来たお客さんに言って驚かせているだけでは、才能の無駄遣いというものであろう。今後の開花が待たれる。 ![]() すみれちゃんちの仔猫。生まれたばっかり。 ということで、策を練ったかいあって仕事はうまく行き、もう2回くらいは仕事でウブドに来ることになりそうである。 |
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初接続。 リンダにインターネットカフェ情報をもらう。<カプチーノ(?)>だと、自分のラップトップを持っていって接続するサービスをいつもやっているので慣れているからいいだろう、という。どこが安いとか、日本語もあるとか、情報がめちゃ詳しい。朝か夜がつながりやすい、とか。 今日のお昼から自転車でゴア・ガジャに行くことになる。芦屋のお嬢様に同行。ワヤンにレンタル・バイクを頼む。ちなみに英語の「バイク(bike)」はbicycleの略で自転車である。日本語で言う「バイク」は英語ではmotor bike。インドネシア式発音では「モートルrr・バイク」。 PowerBookをかついで、インターネットカフェへ。途中、<ガネシャ>で『Bali Path Finder』を購入。リンダの言う<カプチーノ>はすぐにわかった。本当の店名は<B@li3000>とかいうようだが、<カプチーノ>の方が圧倒的にわかりやすい。 先客が終わるのを待って接続。何の問題もなくすんなり33600bpsでつながった。唯一最大の問題は料金で、ジャカルタにかけると1分で3500ルピアもかかる。20分では7万ルピア(約910円)。これではいまのところの1泊料金よりも高いぞ。今回も受信が121通もあり、ネットワークに書き込みしていたら23分もかかってしまった。 がんばれタマネギ。 蚊取り線香用の置き皿を物色。傷がある陶器をわざと選んで4万ルピアを2万5千(約330円)にしてもらう。 昨日見つけたNatural Oil屋に行き、オレンジとロータスがあるか聞くと、どちらもあった。大瓶に入っていて、蓋を取って匂いをかがせてくれる。Cempaka(チュンパカ)もかがせてもらったら、すっごくいいのでこれも買うことに。「これでいいか?」と小瓶を出してきたのだが、「もっと大きい瓶で。100mlくらい」とお願いする。頼んでいる本人も100mlの瓶がどのくらいの大きさかは知らない。 ![]() とにかく、ここにある小分け用の瓶で一番大きなサイズに入れてもらう。 ![]() 慎重にオイルを小分けする。 この人の名前が「タマネギ」というそうで、最初は日本人をからかっているのかと思ったが、まじめな顔で「タマネギ」と繰り返す。「『タマネギ』は、日本語ではonionの意味なんだけど、知ってるか?」と聞いたら知らなかった。このナチュラルオイルはお姉さんの手製らしく、店をはじめたばかりらしい。Mr. Tamanegiの今後の運命がとても心配である。日本人観光客には気をつけられたし。 あの娘と自転車に乗って。 というわけでサイクリングの時間である。まず近所の<タンバ・ブンガ>へ。ここで昼食にして、トゥブサヤの道を抜けて南へ、そこから一路東をめざす。距離はたいしたことないのだが、けっこうアップダウンが激しく、交通量もあるので楽ではない。トゥブサヤからプリアタンのメインロードに出る手前など、幅60cmくらいの細い橋を渡り、寺の境内を抜けたりする。マウンテンバイクが必要になるゆえんである。 それはともかく、快調に飛ばしていたらゴア・ガジャを行き過ぎたようで交差点のワルンで道を聞いたら、やっぱり通り過ぎていた。 後続を待ったがいつまでもやって来ないので戻って行くと、ゴア・ガジャの駐車場でお嬢様が待っていた。どーもすみません。 短パンなのでサロンを巻いて入場。駐輪代とか入場料とかサロンのレンタル代とか、けっこうかかる。お祈りを指導してもらい、賽銭を置くように言われる。いくらでもいいらしいが、とりあえず200ルピアにしておく。こういう寺院には少額紙幣が必須で、でないと毎回1万ルピアを払う羽目に陥る。 頼まないのに説明するガイドが嫌いなので洞窟もそそくさと出る。ここよりも、さらに渓谷をくだったところが面白かった。さらに歩いてイエ・プルまで行けるそうだが、それなら自転車で、と戻る。 ![]() 清流と戯れるお嬢様。 怪しいガイド。 イエ・プルへの分岐を曲がったはいいが、そこからは道が分かれるたびに「イエ・プル?」と聞かないと全然わからない。で、ここに自転車を置け、あとは歩かないとダメ、案内するというガイドおじさんが出現。ワルンというか固定屋台をやっているようだ。 どうもここはガイドなしでは道に迷う可能性が高そうだ。値段を聞いたら2万という。こっちが「1万」というと「1万5千」。それならいい、勝手に行く、と歩き始めたらやっと1万でOKになった。 一緒に歩くと、ここで栽培している米に3種類(バリ米、ジャワ米、黒米)あるとか、この寺院は何年前にどうたらこうたら、マジックマッシュルームはいらないか、とか面白くも怪しい解説をする。 またもお祈り指導おばあさんがいて、言われるままに手を合わせ、水をすすり、お賽銭をあげる。実はこのおばあさんにカメラを向けて撮影するとお金を請求されるのであった。 ![]() 私のこの写真は気づいてないのか、 お賽銭払う前だからか、 お金を請求されなかった。 帰り道でココナツの実がドスンと落ちた。頭に当たったら死にそうな音だった。それを拾ったガイドが「ココナツは好きか?」と聞くので「うん」と言ったら、持って帰ってさばいてやろう、ということになった。5千ルピア。このヤシ割りがけっこう見物で、新鮮なジュースはかすかな酸味があり、白い実もなかなかのものであった。満足して2万ルピア札を渡したら、「ありがとう」としか言わないので「おつり5000ちょうだい」と言ったら3500しか返ってこない。あと1500は? と詰め寄ったら果物で誤魔化された。 ![]() ココナツからジュースがほとばしる。 教訓。タフな交渉ではおつりは期待するな。あまり強硬に値切るとあとでしっぺ返しをくらうことがある。 とはいえ、ココナツのおみやげとヤシ割り実演つきガイドで1万6500ルピア(約220円)なら、まあよしとしよう。 4時過ぎには宿に戻る。今晩はスマラ・ラティの公演へ行く予定だ。 ガムラン公演後の愉しみ。 スマラ・ラティは共同体ごとに作られるのが普通のガムラン団体とは異なり、デンパサールの芸術大学の卒業生で構成されている。なので、よりパフォーマンスとして洗練された、逆に言えば土着的伝統に対してより革新的な傾向らしい。暗くなってから自転車で出かけた。 演奏も踊りもうまいし聞きやすい。西洋音階に慣れた耳には。しかし、魂を揺さぶるような荒々しい感動とは無縁である。或る意味、きれいすぎる。 ただし、アノム演じるバリスには確かに何かが宿っていて、いわゆる「タクス」を感じさせる。「タクス」はカリスマ性とか存在感とか訳されることが多いが、私見ではこれは「精霊が降りて宿っている」ことだと思う。踊り手は、そのときは霊の依代(よりしろ)に過ぎない。 帰りも真っ暗な道だが、8時過ぎには交通量が激減するうえに下りなのでサイクリングは爽快。 <バタン・ワル>でアヤム・リチャリチャを食す。よく冷えたビールの幸せ。さらにミ−・ゴレンとアラック・ブレムを頼む。アラックはヤシの実の蒸留酒、ブレムは米から作る醸造酒で、ブレンドするとうまいそうだ。ということでいろんな店で試しているのだが、ここはアルコール度が強かった。久しぶりの強い酒でフラフラになる。自転車で生きて帰れるのか不安だったが、却って酔って強気になったらしく、暗い道をガンガン突っ切る。ヒューーーン。 |
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