ホ ー ム ブ ル ー シ ョ ッ プ 探 訪 記
IN LONDON
 

 
 皆さんはじめまして。

 Homebrew通信は毎月楽しみに読ませていただいておりますが、投稿は今回が初めてです。

 趣味で酒作りを始めて5年と少しがたちました。ビール・ワイン・酒・ミードといろいろ作っておりますが、一番熱心にやっているのはビールです。

 90年秋に始めたときは材料がNBのラガー缶しか手に入らず、92年の秋までは素直にNBのキットを作って楽しんでいました。

 その後、『秘密のワイン作り』を読み、初めて海外にメールオーダーして材料を入手できることがわかり、以来ほとんどの材料はイギリスやアメリカから輸入してビール作りをしています。

 93年以降ビール瓶が不足して2〜3ケースのビールを購入した以外、家庭でのビール自給率は 100%です。

 私の好きなタイプのビールはイギリス風の濃いめのエールとベルギーの果物の香りのするランビックです。エールはよく作りますが、ランビックの方はなかなかレシピや材料が難しいのでまだ本格的なものはやっ ておりません。これからぼちぼちがんばっていきたいと思っています。

 それでは本題に入ります。

 昨年の9月に家内と二人でLondonに遊びに行きました。メールオーダーで自家醸造用品を何度もイギリスから輸入はしていたのですが、実際にホームブルーショップというお店に行ったことはありませんでした。 せっかくLondonに行くからには是非一度本物のホームブルーショップというところへ行ってみようと思い立ちました。

 出発前に国内で調べた時点ではLondonのホームブルーショップは1軒しか見つけることが出来ず、場所もサウス・ウィンブルドンというテニスコートで有名なかなり郊外のお店でした。

 まあそれはそれで仕方ないと思っておりましたが、いざLondonについて電話帳を見てみると3軒ほどのお店の住所と電話番号が出ており、そのうち2軒はLondonの中心部で地下鉄からもとても便利なことがわかり ました。近くて便利な方に行ってみることに急遽予定を変更してのぞいてみたのが以下の2店です。どちらもいろいろ珍しいものをおいていますが、残念ながら海外からのメールオーダーは受け付けていないそうで す。Londonに行かれる機会がありましたら近いので、行ってみてください。

1.**The Beer Shop **

住所:8 Pitfield Street London N1 6HA
 このお店は、地下鉄のOld streetという駅で降り、歩いて5分ほどの交差点の角にありました。

 開店は 11:00ということでしたので 10:30くらいから店の前でワクワクしながら待っていましたが 11:00を過ぎても誰も来ず、店の玄関は南京錠がかかったままでした。

 臨時休業なのかなとか、今日は寝坊したのかなとか思うこと10数分、ジョン・レノンのような風貌の主人が登場し、やっと南京錠を開けて開店準備に取りかかりました。しばらくしてから店にはいると、店内はビ ールやワインの醸造キットやタンク等が所狭しと並べられており、イメージ通りのホームブルーショップに出会うことが出来ました。

 陳列してあるビールキットのいくつかは私も実際に使ったことのあるもので、お久しぶりですネという感じでした。このお店はもともとは酒屋さんだったらしく、店の 1/4程度の壁面にはイギリスやベルギーの市販ビールが並べられており、ビール専門店としても立派な品揃えでした。


 私はメールオーダーでもなかなか入手できない、フルーツビールのキット缶や珍しい酵母・計量スプーン・真空パックされたホップ・ベルギービール用のグラス等を探し出し、ジョン・レノンに会計を頼みました。

 その際に、プレッシャーバレル(英国で自家醸造用によく使われている耐圧のプラスチック製ビア樽)に取り付けるCO2 ボンベのことや、海外には発送しないのかと言ったことをたずねました(国内はやっている が海外はだめとのこと)。

AHAのパパジアンの話をすると、彼は“Oh! チャーリー!!”といっておりました。

 『今は朝だからきれいだが、夕方になるとこのTシャツも真っ黒になってしまう。』という彼と記念撮影をし、私たちはTHE BEER SHOP をあとにしました。

 こんなお店が近くにあったら、どんなに幸せな自家醸造生活をおくれるだろう等と考えながら・・・。



2.**SOMETHING ELSE**

住所:17,Strutton Ground Victoria SW1P 2HY

 何やらおかしな名前の店だナと思いつつ、 Strutton Groundにむかいました。

 この場所は、観光名所で有名なウェストミンスター寺院からほんの300mくらいしか離れていないところで、宿泊していたホテルへも帰り道の途中でしたので、気楽な気持ちで行ってみました。

 Strutton Groundといっても野球のグランドのような広いところではなく、100mくらいの両側に店が連なっている商店街と行ったところです。
 ところが、該当の番地のところへいっても先に訪問したThe Beer Shopのようなお店は見あたりません。
つぶれてしまったのかしらと思いつつ、目の前のTシャツ屋を見つめていると、小さな字で“SOMETHING ELSE”という名前が目に入りました。
 ホームブルーショップをやめてTシャツ屋に商売替えしたのかしらと思いつつとにかく中に入ってみました。店内は、右半分は確かにビールキット等の自家醸造用品が壁一面に陳列されておりホームブルーショッ プ自家醸造用品の趣がありますが、左半分は化粧品が一面に展示されており、店の真ん中にいる店主らしい人間は一生懸命Tシャツにアニメのプリントをアイロンで転写しているといった具合です。

 私は化粧品にもアニメのついたTシャツにも興味はありませんので、右側の自家醸造用品の方を色々と品定めすることにしました。それなりの品揃えはあり、お湯と水をいれて栓をしておいたら1週間で20パイン トのビールが出来るという"BREWKING MINI BREWERY"を購入しました。

 これは耐圧フィルムでできた米袋のようなものの中にホップ入りのモルトエクストラクトが入っているもので、外側は結構強いナイロン袋になっており、つぎ口や安全バルブのついたキャップもついており、簡単になかなか旨いエールが出来るという不精者のホームブルーワーにはもってこいの代物です。

 他にも1〜2点の自家醸造用品を購入しました。この店がどうしてこういった何でもありの状態になっているのかについては、私と店主(Stephen Tilt氏)とのQ&Aからご想像下さい。

 冒頭で申し上げましたように、ここは立地がとても良く、Victoria駅からもすぐのところですので、Londonに行かれた折りにはちょっと寄ってみるくらいの価値はあると思います。

Q:このお店は色々な商品を品揃えをしているネ?

A:私がほんとにやりたいのはTシャツと自家醸造用品だ。
  化粧品は一緒に商売を始めたパートナーの商売だが、彼は大酒のみで商売が出来なくなってしまった。

  化粧品販売など私にとっては時間の無駄だ!

Q:君は酒は好きか?

A:ワインは好きで、自分でも作っている。
  ビールはあまり好きじゃないので飲まないし作らない。

Q:私はビールが好きだ。
  Londonで旨いビールを飲ませるパブを知っていたら教えてほしい。

A:Londonのビールはひどい。旨いビールを出すパブなど無い。
  旨いビールを飲みたければ田舎に行った方が良い。

Q:家内は明日以降コッウォルドという田舎の町にいくが・・

A:日本人はこのごろよくあの町に行くらしいネ。
  石作りの町並みがどうした・・・。
  何もない退屈な町だ。いくならカンタベリーにしなさい。
  歴史のあるすばらしい町だ。


 


Morio Murakami Presents 01/Nov/1996 Ver 01. Rel 01. Mod 01
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