ビールに関する書籍類(Books & Videos & Cd-roms)

飲む(Tasting)

マイケル・ジャクソンの
 地ビールの世界    柴田書店  訳・田村功

   この本を書いた人はビール研究で世界的に有名なマイケル・ジャクソンという太ったおじさんで、Beer Hunterというニックネームで呼ばれています。
 原題は 'The Great Beers of Belgium' という本で、内容はベルギー一国のビールの解説に終始しています。
 このごろ日本で’地ビール’という言葉が流行っているのでこういった書名にしたのだと思いますが、内容からするとこの書名はほとんど嘘に近い訳です。
 ただ、書名以外についてはこの本はとてもすばらしい本です。
 ベルギーは非常にビールのバリエーションの豊富な国で、国民一人当たりのビールの消費量が世界最高の国です。ある意味では、ベルギービールを知らずしてビールを語る事なかれといった面もある位です。
 そのベルギービールの味わいについて書かれた本として、日本語で読める本としては最高の本だと思います。
 右の写真は1999年5月にジャパンカップのジャッジとしてマイケルが来日した際に一緒に撮ってもらったものです。


ドイツ地ビール夢の旅
              東京書籍  相原 恭子

  この本を書いた相原さんという人は以前ドイツ政府観光局に勤めていた方です。
 ドイツにとても詳しい方で、各地の醸造所・酒場等を訪ねた際のことを色々と紹介してくれています。美しい写真が豊富に盛り込まれており、読んでいるとドイツに行ってしまいたくなります。
 ビールの研究というよりはドイツ地ビール紀行といった趣の本ですが、ドイツのビールを地域性や歴史もふまえて楽しむには良い本だと思います。


日本の缶ビール
            近代文芸社   東條 直子

 この本は東條直子さんという方が自費出版で出版された本です。
 実は私は東條さんご本人にJCBAの会合でお会いし(右写真)、その際にこの本のことを教えてもらいさっそく購入し読んでみました。
 内容は東條さん(OL直子と自称されています)がビール愛好家になった経緯やビールに関する彼女の考え方等が紹介されたあと、70種類に及ぶ日本の缶ビールの味やラベルのデザインに関する彼女自身の興味深い評価を読むことが出来ます。
 日本にはこんなにもたくさんの缶ビールがあったのか(そして消えていったのか)ということに皆さんきっと感心されることでしょう。
 自費出版といってもしばらくは書店ルートでも購入できるそうですので、ご興味のある方はお早めにどうぞ。


The Beer Hunter
      Michael Jackson   CD-ROM  U.S.A.
  

 これは 先述の'The Great Beers of Belgium'を書いたマイケル・ジャクソンおじさんが、ビールの歴史・スタイル・自家醸造等全般について語ってくれるCD−ROMです。
 WINDOWS版と、たしかMAC版もあったと思います。
 動画も豊富にあり、マイケルおじさんの声も聞けるので楽しくビールについて勉強できます。
 個人輸入で入手しても良いですが、秋葉原のCD−ROM屋さんにいっても買えます。


作る(Homebrewing)

Clone Brews
          Tess and Mark Szamatulski    Storey Books

 わたしはこの本をレシピ研究の題材として使っています
ここには150種類の全世界で飲まれている市販ビールのClone(クローン)をいかにして作るかという
レシピがエクストラクトベース・Partial mashing・All Grain の3種類の方法で書かれています
 そのままのレシピで挑戦するもよし、自分なりに試行錯誤して自分好みの味に加減して見るもよしと楽しめる本です
巻末にはHopやGrainの特性をわかりやすくまとめた付録も付いていて重宝しています


旨い! 自ビールの作り方
          ハート出版   平手龍太郎 

 この本の著者の平手さん(ペンネーム)という人は色々な顔を持っている人で、日本人がビールの自家醸造をやろうとすると必ずどこかでこの人の名前を聞くことになります。
 この本は1994年に出版されたもので、ビールの自家醸造に関する基本的な知識を習得することが出来ます。
 内容については???のつくような部分もたまにはありますが、ビールの自家醸造の知識を得る手段として書店で購入できる本はほとんどありませんので、やはり貴重な一冊というべきでしょう。


手作りビールマニュアル
          日本文芸社   日本自家醸造推進連盟 編著

 この本は自家醸造を推進する団体が、数人の自家醸造家にビール作りについての執筆を依頼したものをまとめて本にしたものです。
 自家醸造推進連盟の会長は実は平手さん(ペンネーム)なので、この本の巻頭の挨拶文は平手さんが書いています。
 内容は複数の自家醸造家の共著で色々なレシピの紹介もあり、レシピ集としても役に立ちます。また、ビール作りに必要な道具や材料についても写真入りで説明してあり分かり易いと思います。


秘密のワイン造り
          雄鶏社   青海 遥 著

 この本はワインの作り方について説明した本です。
 ビールに関する書籍という点では少しはずれますが、自家醸造について書かれた日本の本という点では共通点があると思います。また、自家醸造用品の個人輸入について日本の本として初めて触れた本でもあり敢えて紹介します。
 ブドウを使った基本的なワインの作り方から始まり、四季の果物を使ったさまざまなワインの作り方について豊富な解説がしてあります。材料としてあがっているものは、バナナ・イチゴ・蜂蜜・スイカ・洋梨・リンゴ・コーヒー・パセリ・ミカン・パイナップル等々です。


ビールを愉しむ
          ちくま新書   上原 誠一郎著

 私のHPの表題と同じような書名ですが、この本は飲む・味わう(Tasting) で紹介している日本地ビール第1号の’エチゴブラウハウス’を始められた上原さんが書かれた本です。
 彼が地ビール事業を始められた想いとか、世界各国(主にヨーロッパ)のビール事情の紹介、エチゴブラウハウスでの醸造風景などが紹介されており、更にビアスタイルとティスティングについても触れられています。
 自家醸造を目的に書かれた本ではありませんが色々な点で参考になる本だと思います。
 私が紹介している書籍類のなかでは価格も一番安く(660円)入手もしやすいですので是非読んでみられては如何でしょうか。


Victory Beer Recipes
          Association of Brewers U.S.A.
 

 この本は1989年から93年までの5年間の間に、アメリカ自家醸造家のコンテストで優勝したビールのレシピを説明したものです。
 内容は大きくはエール・ラガー・ミックススタイルの3つ分類され、細かくは26種類のビアスタイル毎の章に分類されています。
ちなみに最後の章はお酒です(アメリカでは日本酒は穀類から造る酒なのでビールの一種という認識のようです??)。
 ビアスタイルの勉強にもなりますし、実際に自作ビールのレシピを考える際の参考にもなります。というわけで、私は初めてトライするレシピについては必ずこの本をチェックするようにしています。
 また、アメリカの自家醸造の世界ではとても有名なミラー(David Miller)やレイダニエルス(Ray Daniels)等がコンテストに出展したレシピなども掲載されており大いに参考になります。

Zymurgy
          The American Homebrewers Association U.S.A.
 

 この本は米国自家醸造家協会(A.H.A:American Homebrewers Association)が年間5冊発行しています。
 ビアスタイルの特集や新製品キットの紹介・初心者向けの基礎知識コーナーなど、毎号自家醸造に関する話題が満載です。
 日本からも定期購読の申し込みが可能で、発行時期になるとポストをのぞくのが楽しみになります。
 年に1冊は特集となっていて、97年はホップ(右写真)・96年は世界の自家醸造家・95年は穀類の特集でした。
 特集についてはバックナンバーの注文も可能です。

Home Brewing
          Charlie Papazian Soma Film & Video U.S.A.
  

 これはビールの自家醸造について、材料・道具・手順等について映像で具体的に説明したVideoです。
 チャーリー パパジアンという人は、ビールの自家醸造家としては世界的に有名なアメリカ人です。
 私はロンドンの自家醸造用品店の店主に彼のことを知っているかと聞いたところ、店主は’Oh チャーリー よく知っているよ!!’と笑って答えてくれました。
 道具や方法は現代アメリカ風の自家醸造といえると思います。
 VHSのVIDEOでアメリカから個人輸入することになりますが、具体的作業をテレビで見ることが出来るので説得力抜群です。少々英語に自信が無くても購入したい1本です。


Morio Murakami Presents 31/Dec/2002
e-mail:homebrewer@cyber.email.ne.jp