「アジア民族文化学会」入会のお誘い 

1、新学会設立までの経過
 1997年2月27日に「少数民族文化研究会」が発足し、ごく少人数で勉強会を開いてきました。その基本方針は、@現地調査の録画・録音資料に基づく本格的な第一次資料を丁寧に読む、A中国あるいはアジア諸国側が作成した本格的な第一次資料を丁寧に読む、Bこれらの資料が日本古代文学さらには日本文化あるいはアジア文化全体の問題としてはどのように活かされうるのかについても考える、ということでした。
 1999年からは、より多くの人たちを対象にした公開研究発表会に移行し、以下の発表が行われました。
 第1回 「歌垣の諸相−現地調査報告・ペー族の歌垣を中心に」(岡部隆志・工藤隆/共同発表、99.5.8)
 第2回 「歌の力−中華人民共和国広西壮族自治区壮族の事例から」(手塚恵子、99.9.25)
 第3回 「摩梭(モソ)人の歌掛け文化と日本古代文学」(遠藤耕太郎、00.4.22)
 これらの発表は、上記@、A、Bの基本方針に添った内容であり、また発表会で配布された文字資料は、いずれも400字詰め原稿用紙で400枚を超える規模のものになりました。なお、第一回の発表資料は、『中国少数民族歌垣調査全記録1998』『同ビデオ編』(同封チラシ参照)として刊行されました。
 この公開研究発表会の開催に際して、当日出席できない人たちからの“資料だけでも入手したい”という要望とともに、“学会化してはどうか”という意見も個々に寄せられ始めました。そこで、2000年3月28日から正式に、学会設立の準備に着手しました。

2、新学会の目的と趣旨
@アジアの民族文化を、具体的な言語表現・祭式・呪術・図像そのほかの現地取材資料を重視して研究する。
Aそれらの現地取材資料は、それらが生きている現場の具体的状況の中で示す必要があるので、映像・音声・写真などの資料も重視する。
B従来は、日本古代文学・日本民俗学は日本の国境の内側を対象とし、中国学・文化人類学などは日本の国境の外側を対象にするというふうに一種の“棲み分け”が行われていた状態を改善し、両者の交流・融合を図る。また、多方面に細分化している諸学会の交流の場とする。
Cアジアの民族はそれぞれ言語を異にするので、言語学者との交流も図る。
Dアジアの民族という語の概念は、少数民族、先住民族、基層民族、山岳民族そのほかを含めて、できるかぎり幅広くとらえる。地域は、日本を含めたアジアを中心とするが、事例によってはアジア以外も対象とする。 
3、新学会の事業
@「少数民族文化研究会」の過去3回の「公開研究発表会」に準じた研究発表を、年2回行う。
Aその他、大会・小発表会などを必要に応じて開催する。
B学会機関誌『アジア民族文化研究』を年1回発行し、上記で発表された文字資料そのほかを掲載する。 
C当学会において研究発表されたものを、映像・音声付きで出版するための支援をする。
D国際シンポジウムなど、アジア地域を研究対象とする民族文化研究者との交流の機会を作る。
E現地調査に必要な人脈・日程そのほかの情報を交換する。
Fその他、新学会の運営が安定していくのに応じて、種々の企画を考える。

4、学会事務局
  2101−0051 東京都千代田区神田神保町3−27 共立女子短期大学文科
            岡部隆志研究室  503−3237−2579

 以上のような内容の新学会に興味をお持ちのかたの入会を募ります。

1 入会を希望されるかたはメールにてお申し込みください。
2 設立大会は、2001年5月12日(土)に東京で開催し、設立総会、研究発表を予定しています。
 なお、第1回の研究発表は、工藤隆氏の「中国四川省涼山地区美姑イ族の創世神話 −『勒俄特依』」を予定しております。
3 年会費は、通常会員は4000円。機関誌会員は3000円です。入会されるかたには、後日、第一回研究発表会の案内とともに振り込み用紙を送付いたします。

アジア民族文化学会 設立準備会
遠藤耕太郎 岡部隆志 欠端實 川野明正 工藤隆 鈴木正崇  茶園麻由 手塚恵子 前川晴美 真下厚 皆川隆一 山田直巳

【発起人】(本学会設立に賛同してくださったかたがた、敬称略)
青木周平 あだちがびん 阿部寛子 飯田 勇 居駒永幸 伊藤清司 江口一久 小熊 誠 何 彬 金子量重 勝俣 隆 狩俣恵一 神田典城 北村皆雄 小島美子 近藤信義 西郷信綱 西條 勉 佐佐木幸綱 佐野賢治 繁原 央 菅原壽清 諏訪春雄 曽 士才 高野正美 高橋六二 武井正弘 辰巳正明 谷口房男 中西 進 永藤 靖 中村生雄 波照間永吉 針原孝之 廣田律子 藤井知昭 藤村久和 保坂達雄 星野 紘 松平 誠 丸山顕徳 丸山隆司 山下欣一 

アジア民族文化学会 規約 

第1条(名称) 本学会はアジア民族文化学会と称する。
第2条(目的) 本学会は、アジアの民族文化を、具体的な言語表現・祭式・呪術・図像 そのほかの現地取材資料を重視して研究する。
第3条(事業)
 1 研究発表会、シンポジウム、講演会そのほかの開催
 2 機関誌などの発行
 3 調査資料の刊行の支援
 4 その他
第4条(会員)
 通常会員、機関誌会員、賛助会員
第5条(会費)
 通常会員(年会費4000円)、機関誌会員(年会費3000円、研究発表の案内などは郵送しない)
第6条(役員)
 1 運営委員(本学会の運営の全体を行う) 15名前後
 2 運営委員代表1名を本会代表とする。
 3 事務局は、運営委員の一部および、運営委員会が指名した若干名から構成され、郵  送、資料印刷、会計事務そのほかの実務を行う。
第7条(役員の選出および規約の改廃)
 1 運営委員は会員中から選出し、総会において承認を受ける。
 2 運営委員代表は、運営委員の互選による。
 3 会計は運営委員の中から選出する(監事は特に設けない)。
 4 本学会の規約の改廃は、総会において承認を受ける。
第8条(総会)
 1 総会は、その年度の最初の研究発表会当日に行う。
 2 総会における決議は、出席者の2分の1を超える(白票を除く)賛成が必要である。

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