祭りの始まりを待つ村人

 山深いところにある観音廟。そこで、観音会という白族の祭りが行われ、様々な催しが行われる。踊りがあり、歌の掛け合いがあり、仮面の踊りがある。この山の上で、人々は一夜を明かす。
 祭りがこれからはじまる。観音廟の中庭で踊りが始まるのだ。人々は、これから始まる踊りを待っている。その待っている間、取材に乗り込んだわれわれをみんな見つめている。われわれはここではよそ者である。
 村人の一人が、日本から来たわれわれに、何処の村のものかと尋ねた。周辺の限られた村人しかこないこの祭りの世界にとって、日本という異国は、他の村の一つに過ぎないのだ。ここに集う村人の、ある意味での、ピュアなまなざしの由来を知ったような気がした。2000.8.28 小石宝山の会場、観音廟にて。