2.テレビの視聴率について

 会社にいました頃、放送機器についての技術の仕事をしていましたので、仕事がら放送局を訪問しますと、廊下などにべたべたと先週の視聴率表なるものが張り出されていて、毎日の厳しい競争を煽っているようでした。日頃、視聴率の数字というのはどの程度の意味があるのだろうかと、大変疑問に感じている次第です。

 最近某放送局で、画面に出ている人が「これからコマーシャルが始まりますので、トイレにどうぞ」と言うようなことを言ったとかで物議をかもしていましたが、放送人としてこのような態度は論外としましても、見る側の立場としては出来るだけコマーシャルは入らない方がいいし、これを避けようとするのはやむを得ない行動と思います。

 一般に言われていますように、視聴率を測定するサンプリング率が非常に低く、信頼性が低いと言う風説はともかくとして、自分自身のテレビの視聴態度を見てみますと、例えば私はゴルフが好きでよくプロの試合を見ますが、4chで女子の試合を見ているとき、コマーシャルになったら直ぐに12chに切り替えて、男子のトーナメントを見ると言ったパターンです。要するに出来るだけコマーシャルを避けていることは確かです。

 ましてや最近一つの画面に複数のチャンネルが出て来るテレビがありますが、このようなテレビモードで見ている人を視聴率的にはどうとらえるのでしょうか。

 又最近、いくつかの局でCMの注文を受けていながら、実際には流さなかったという事件が報道されています。これも注文主の方から「おかしいよ」と指摘をされたのではないようで、内部からのタレコミ?によるようなのです。このような内部告発自身はともかくとして、お金を払ったスポンサー側から何の指摘もなかったと言うのはどうしてなのでしょうか。莫大な金額のCMに対して、スポンサー自身も鈍感になっているという事でしょうか。

 実際の視聴者がどのようにテレビを見ているかも無視して、注文主もその効果を厳密に評価しないで、ただ「視聴率」だけが、一人歩きしているように感じます。そこで視聴率を上げるだけのために、あまりにもくだらない番組が氾濫しすぎています。彼等の言い分として、「沢山の人が見ると言うことは、見たい人が沢山あるからだ」という論理ですが、タブロイド紙が売れるからと言う理由で、パパラッチがダイアナさんを殺したように、

何をしても良いと言うことにはならないと思います。タブロイド紙が売れると同じ次元で視聴率に躍起になるのはそろそろ反省の時期に来ているように思います。


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