ピアノレッスンの日々

 

01/10/27
いろいろ練習。ティエンポ君やフレディ君を聴いてしみじみと「速く弾く必要は、まったくない」ということを痛感したので、タッチと音色に気を遣いつつ弾きました。
01/10/24
フレディ・ケンプ君のリサイタルで東京オペラシティへ。サラサラ髪をしたノーブルな感じの若手男前ピアニストということで、女性が大挙して来ていました。1500人収容のタケミツメモリアルがほとんど満席だったからすごい。しかし、私の印象としては「ただのデブ」です(ぉぃ)。こいつ絶対、写真に偽りあり。ドスドスドス!!という感じでステージに登場して演奏したのはバッハのパルティータ4番、シューベルトのソナタ20番、ショパンのバラード全曲でした。
感想:速く弾こうとしたり、フォルテになるととたんに破綻&崩壊する。惜しい。あと、短調より長調の方が良い表現ができていたように思います。バッハはまあまあ。シューベルトは構成感の表現が希薄。でも終楽章のメロディはよく唄ってました。実はこの人はメロディを唄わせるのが大変に上手で、ラフマニノフのソナタのCDなんかも、あれだけの音数の中からメロディがロマンティックに浮かび上がってくるのですよ。
ということで、ショパンのバラードも期待したのですが、第1番は気負ったのかテンポ設定が速すぎ無惨に崩壊。弾き終わってすぐ「あちゃ〜シマッタ」という表情をして、ちょっと間をおいてから第2番へ。ガラリと落ち着いた演奏になり、第1主題のポリフォニーからメロディが出てくるところとか、コーダの和音連打の声部がきちんと弾き分けられるとか、実力が発揮されてました。第3番は長調なのでさらに良くなり、いよいよ期待は第4番へ。・・・す、素晴らしい。テンポ設定をゆっくりめに取って、ショパン一流の複雑な展開をしっかりと表現。そう、私が聴きたいのはこういうショパンなのです。しかし、どういうわけかコーダでいきなりテンポを上げてしまい、自爆(涙)。そんなに速く弾かなくてもいいのに。アンコールもものすごいスピードで「幻想即興曲」なぞを弾いたりして、場内の失笑を買ってました。結論。もっと落ち着け&20kg痩せろ。まだ24歳だし、あんなに太っていては脂肪肝になるぞ。
それにしても、ショパンは難しいですね。バラードもいろんな人の演奏を聴いたのですが、4曲通して良かったのは遠藤郁子さんです。彼女のショパンは素晴らしいと思う。ポリーニもバラード以外は良かったのですが(笑)。なおバラードのCDではツィメルマン、キーシンのが良いと思います。
01/10/22
セルジオ・ティエンポ君のリサイタルで紀尾井ホールへ。アルゲリッチ絶賛ということですが、「誰それが絶賛した・・・」という煽り文句が付く人にまともな演奏家がいたためしがない・・・というジンクス通りでした。(この言いよう)
ドビュッシー:映像、リスト:ソナタ、ショパン:バラード4番・マズルカ・アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ、という内容。とにかくものすごいテクニックで、勢いや指の動き、音色の変化の激しさなら、先日の安藤先生を遙かに超える内容だったです。リストのソナタなどは若さ大爆発の猛烈な演奏だったのですが、ショパンがあまりにもお粗末・・・。しかもあとでパンフレットを見たらこの人、もう29歳なのね(←全然若くねーじゃん)。この年齢で、あの程度の表現しかできないとなると、今後問題があると思います。
全体的にはホロヴィッツの影響が強すぎだと思います。技巧的な曲では「わーすごい!」って感じなのですが、性急な音色やテンポの変化がとても表面的に聞こえてしまう。アンコールで弾いたスクリアビンでの奇をてらわない表現と美しい音色が最も良かったです。
01/10/21
今日は予定が何もないんで、掃除とか洗濯をしつつピアノ練習をしたり、CDを聴きました。ツェルニー毎日の練習曲は5〜8番あたり、インヴェンションは2〜5番あたりと「エリーゼのために」(笑)。あとはショパンの「別れの曲」の練習をしようかなーとか思っていたのですが、その前にスクリアビンのエチュードOp.2-1をやることにしました。全音から出ているスクリアビンの楽譜を持っていたのですが、ジョセフ・レヴィーン直系の平井貞治郎さんが校訂していて、運指やペダル記号が丁寧に記載されていてとても良いと思いますです。
01/10/20
楽器フェアということで池袋のサンシャインへ。スタインウエイとか、ベヒシュタインとか、プレイエルとか、まあ名器と言われるピアノを山ほど弾くことができました。でも、周りでもいろんなピアノを試奏してるんで、かなり騒音があって、微妙な音色とかはよくわからなかった(泣)。今回はスタインウエイは新品も中古も軒並みダメダメで、ただ高いだけのぼったくりという感じでした。象牙とはいえガタガタでタッチが揃ってない鍵盤、音色には伸びのない中古のスタインウエイの小型グランドが520万円もするのです。いったい誰が買うんでしょう?こんな怪しい商売がまかり通るようではいけないと思いました。
良かったのはペトロフのグランド。2種類あるのですが、設計が違っていて音色も全く違うんです。そしてどちらも魅力的。あとカワイのフルコンも初めて弾いたのですが、低音の伸びと落ち着きのある響きがいい感じでした。アップライトもいろいろ弾いてみたのですが、鍵盤はともかくペダル機構がグランドと違うので違和感が強かったです。ベヒシュタインのアップライトとか、良い感じでしたが300万円くらいします←国産グランドが2台買える値段(笑)。
それにしても、試奏してる人たちはみんなすごーく上手で、下手っぴな自分はかなり落ち込みました。世の中あんなに弾ける人たちがいるのに、自分がピアノをやってく意味はあるのかしらん?とか悩んでしまったんですが、家に帰って練習してたら「他人は他人、自分は自分。好きなことができればそれでいいじゃん」とあっさり解決。B型人間の落ち込みや悩みというのは、所詮この程度しか持続しません(笑)毎度のことですが。
01/10/17
カザルスホールで中井正子さん+東京現代音楽アンサンブルCOMETの演奏会。曲目は「ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番」。もうおなかいっぱいのプログラム、のはずだったのですが、ううむ・・・。オケの平均年齢が低く(たぶん20代)、響きが固くてショパンらしい感じがほとんど表現できませんでした。指揮もダメね。ピアノはまあまあだったけど(というか、結構ちゃんと弾けててびっくり)。
ほか聴衆は大喜びで、灯りが付いたあとも大拍手でアンコールになったりしたのですが。正直、自分は最初の曲の第1楽章が終わった段階で、帰ろうと思いました。なんとか思いとどまって、最後まで聴いたのですが。この2曲については、あまりにもたくさんの演奏を聴いてきたので、耳が肥えてしまったのかもしれません。
01/10/16
ピアノレッスンの日。「エリーゼのために」は念のため3回くらい練習していったのですが、先生もちょこちょこっと表現について指摘しただけで、「これはもういいんじゃないんですか?」というほど弾けてしまい、さっさと別の曲をやることに。っつーか、こういう簡単な曲をキレイに弾くのもそれなりに楽しいっす。
01/10/13
すみだトリフォニーでの新日本フィルのコンサート。前橋汀子さんの独奏でショーソンの詩曲、サンサーンスの「オルガン交響曲」というプログラム。前橋さんはドレスも身のこなしもすっごいゴージャス!ステキです。でも全体的な感想としては、新日本フィル下手すぎ。指揮者がヘボなのかもしれませんが、弦の響きは固いし、Tuttiがそろわないとか、ヘタレぶり全開という感じでした。「オルガン交響曲」も16分音符の刻みがかなり怪しく、うーむこれはハズレだったかな、と思ったのですが、終楽章でオルガンがハ長調の和音を「んびゃ〜〜〜〜〜〜!!!!」と盛大に鳴らした瞬間、もうどうでもよくなってしまいました(笑)。この曲はどんなに演奏がヘタレでも強引に感動させてしまう魔力があるんです。
日本はオルガン付きのホールが増えたので、この曲が演奏される機会も増えてきましたが、もっと演奏されても良いのではないかしら?なにしろ、ベートーヴェンとドヴォルザークの「新世界より」ばかりが演奏されてますから。
音響の良さが絶賛されているすみだトリフォニーですが、少々デッドな響きだと思いました。ごまかしが効かないので、演奏する側にとっては怖いホールかも。あと、1階席は低音成分が濁りがちです。ここで聴くなら3階席か2階席前方がおすすめです。
01/10/09
ピアノレッスンの日。「そろそろツェルニーとインヴェンション以外の曲も」ということになり、なんと「エリーゼのために」を弾くことに決定。この曲はまともに弾いたことがなかったりするのです。先生は「ピアノを始めたばかり人がエリーゼとか、トルコ行進曲とか、乙女の祈りをやりたがるんですけど、あれ難しいんですよね〜。」などと脅してきたのですが、実際に譜面を見たら初見で弾けちゃいそうです・・・>エリーゼ。
ちなみにトルコ行進曲もかなり弾けそう。乙女の祈りはキビシイ感じ(メロディがオクターブでの跳躍なので、手が小さい人にはかなり難しい)。
01/10/05
国立音大付属高校の講師をやってる安藤丘(たかし)さんのピアノ・リサイタルでカザルス・ホールへ。会社から歩いて10分です。バッハ・イタリア協奏曲、バーバー・ピアノソナタ、リスト・ピアノソナタと、今ワシが興味を持ってる曲目ばかりのプログラム。学校の先生の演奏会なんてどうかなあと思ったのですが(結構悲惨な人もいるので。←忙しくて練習できないため)、これが素晴らしかったです。イタリア協奏曲の動的な表現がそのままバーバーのソナタ終楽章のフーガに繋がっていました。リストのソナタも派手さは少ないものの内声の動きまで十分に考慮された説得力のある演奏。隣の席のカップルが「すごいねー」と驚嘆しておりました。
ちなみに学校の先生だけあって、生徒たちが大挙して聴きに来てました。・・・うう、茶髪や金髪のギャルなのよー。可愛いのよー。制服なのよー。みんな花束持ってきてるのよー。なんかね、トッチャンボウヤみたいなルックスの先生なんだけど、生徒たちには人気があるんだなあと。あと、同僚らしき先生たちもいっぱい聴きに来てました。あの状況は相当にやりずらいはずなのに、緊張をはねとばして見事な演奏でした。終演後のロビーの雰囲気も良かったし、これはもう人徳の成せるわざだと思いました。
01/10/02
ピアノレッスンですー。なんか相変わらず「毎日の練習曲」3〜6番あたりとインヴェンション2〜4番あたりをやってます。毎日の練習曲は3番OK、5〜6番は次回持ち越し。インヴェンションは前回「メカニックは完璧。ってゆうか、指はもう速く動きすぎるくらい十分に動いてます。でも頭で考えてることが、ちゃんと表現できてますか?」などと言われてしまい、この一週間悩みに悩んでフレージングや音色を研究しました。今までここまで考えて演奏を作り上げたことはなかったんですが、その過程が意外に楽しいこともわかり、なんかバッハの面白さにようやく気付いた感じです。
 
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