ピアノレッスンの日々

 

01/05/26
僕はホロヴィッツって大好きなわけじゃなくて、すごく良いのもあれば、悲惨な録音もあると思ってます。最近は古い録音などを聴いているのですが、やはり1960年以前の演奏は圧倒的にすごいです。素晴らしいとか、素敵とか言う以前になんかもうとにかくすごい、って感じなの。音符が3倍くらい増えてる箇所もある「展覧会の絵」とか、やはり彼自身が編曲した「星条旗よ永遠なれ」とか聴くと、もう圧倒されちゃうのね。この人いったい何者よ?みたいな。狂気をちらつかせつつ一歩手前で踏みとどまる演奏で、どうしようもなく魅力的っす。
キーシンもポリーニも本当に素晴らしかったのですが、彼らは常人なわけで、ホロヴィッツのような狂気は感じられないです。アルゲリッチなんかは似たような雰囲気があるので、一度生で聴いてみたいのですが。
01/05/07
自分でもリストのソナタを弾いてみる日々。ただし難しい箇所は弾けないので、第2主題とかを中心に(笑)。弾いてみるとわかるのですが、すごく美しい曲です。リストのイメージとは違う部分が多いですね。
01/05/01
リストのソナタ、もう20回くらいは聴いてるんですけど、ようやく自分の中で消化できた感じです。しかし、この一見めちゃくちゃな曲を楽しんで聴けるようになるとは、自分の柔軟性に驚いたりして。ツィメルマンとポリーニのCDが良いです。アルゲリッチはちょっと奔放すぎて(笑)。ショパンと違ってリストはピアノでオーケストラをやろうとしてる意図がわかって面白いです。あと、晩年の現代音楽的な作風も大変素晴らしい。聴けば聴くほど驚いてしまうソナタの深さといい、若い頃の技巧一点張りから信じられない転身ぶり。
01/04/29
キーシンのリサイタル@横浜みなとみらいホール。『絶対、聴いておいた方がいい』という友人の言葉どおりの、ものすごい演奏。曲目はバッハ=ブゾーニのトッカータとフーガ、シューマンのソナタ1番、ムソルグスキー「展覧会の絵」!技術的に素晴らしいのはもちろんですが、とにかくピアノが、僕の知ってるピアノの音じゃなかった。非常に繊細な音色から、オーケストラのように壮大な響きまで、信じられないような幅の広さで鳴り渡っていました。
このリサイタルを聴いた多くの人が言うように、今回の「展覧会の絵」はたぶん伝説の名演になるでしょう。深く重いフォルテシモが響きわたった終曲が非常に感動的。いろんな人の演奏を聴きましたが、この難曲を完全に掌中に納めている点で、方向性は違うけどすでにホロヴィッツとかリヒテルと同レベルにあります。日本公演最終日ということもありますが、30分以上にわたる6回ものアンコールで総立ちのスタンディング・オベーション。アンコールを弾けば弾くほど盛り上がってしまって、聴衆の熱狂が止まらない。7時過ぎから始まったコンサートですが、終わったのは10時近く。クラシックのリサイタルでこんなに盛り上がってしまうなんて、日本ではほとんど考えられないのでは。
キーシンはまだ30歳で、サインしてもらったときの表情なんかあどけなくて可愛いくらいなんだけど、王道を突き進む巨匠です。いろいろなピアニストがいますが、彼は紛れもない本物。100年後に「21世紀最大のピアニスト」と言われていそう。
しかしピアノがこれほどの表現力を秘めている楽器だったとは。今まで何を聴いて、何を弾いていたのか、大いに反省させられました。彼はロシア人にしては小柄で華奢なほうですが、弾くときの姿勢や身体の使い方が上手ですね。
01/04/22
キーシンとポリーニのリサイタルへの予習としてシューマン&リストのソナタを聴いてます。っつーか、2曲とも「20世紀の偉大なるピアニスト:ポリーニ1」に入ってたりするわけよ(笑)。んで、聴けば聴くほどこの2人の作曲家とショパンが同時代に生きてたってのが凄すぎ。リストのソナタはロ短調だったりするわけで、ここにもショパンの影響が見え見えですが、コンセプトは交響詩をピアノ1台で表現する、みたいな感じですね。拍子もテンポも曲想もくるくる変わるので、なかなかついていけないっす。シューマンはソナタ1番ですが、形式的に冗長なくせに単純なフレーズの繰り返しが多く、要するに面白みが少ない(笑)。これをどう聴かせる演奏に仕立てていくのか、その辺も楽しみです。
あとショパンの幻想ポロネーズは、ホロヴィッツの演奏を聴きながら泣きそうになったりして、すっかりショパンの傑作として楽しめるようになりました。この曲がチンプンカンプンでどうにもならない人もいるみたいですが(ほぼ全編が禅問答みたいものなので無理もない)、とりあえずよかったわー。
01/03/31
ポリーニのショパン・ポロネーズ集やアンスネスのリスト作品集を聴きながら夜までメールの返事や大量のコンピュータ処理をこなしました。この2枚はかなり強力なCDなので、聴きながら「すっげー、すっげー」を連発していたわけですが(ふめい)、端から見てるとただの変な人ですね。ショパンの幻想ポロネーズって全然理解不能な曲で、聴くのが苦痛だったんですけど、先週あたりから聴けるようになってしまいました。今日なんかもうすっかり大好きな曲に昇格してしまって、毎度の事ながらワシの心境の変化ってこの程度の軽さ&速さなのよね。
01/03/24
都響のコンサートで上野の文化会館へ。プログラムはスクリャービンのピアノ協奏曲と、ドヴォルザークの「新世界より」。スクリャービンのコンチェルトは若い頃の作品で、管弦楽が弱く、冗長な構成で盛り上がりに欠けるなど惜しい点があるものの、全体の雰囲気はショパンとラフマニノフの中間という感じでとってもロマンティックなので大好きなのでした。ソリストは清水和音。第一楽章は曲の冗長さを持て余している感じでしたが第二楽章以後は大変素晴らしく、第三楽章はかなりウルウルっと来ました。
んで、「新世界より」は通して聴くのは20年振りくらいなんだけど、もう子供の頃から死ぬほど聴いているので今更だよね、とか思ってたんですが、さにあらず。まず演奏が面白すぎる。金管がすんごい生き生きしてるのにうるさくないので、金管嫌いのワシでもイケました。あと、自分自身の音楽的なレベルが昔とは比べ物にならないので、第一楽章を聴いて「あ、ソナタ形式の変形ね。おもしろーい。」第三楽章では「これスケルツォだよ、速い速い!スリリングでどこかおどけた感じがあって、まさにスケルツァンド。しかしこのテンポでよくオケの息が合ってるなー。」第四楽章では「うわー、今までの楽章の主題を総動員して大騒ぎじゃん。」という感じに楽しめました。子供の頃はそのときに鳴っている音しか聴いてなかったのですが、今は数十秒とか数分前のフレーズを思い起こしつつ、かつ、各楽器のアンサンブルの妙を味わいつつ、立体的に聴けるようになった分だけより音楽を楽しめていると思います。楽章間の関連を明示的に提示してくれるフレーズが多いのでつながりがわかりやすかったですね。
01/02/27
秋葉でいろいろお買いもの。
 モーツァルト:ピアノ協奏曲20番ほか アルゲリッチ&ラビノヴィッチ
アルゲリッチのモーツァルトってどうよ?って思ったんだけど、あんまり向いてない感じ。聞き慣れたゼルキンとかハスキルの演奏とは全然違うし、ラビノヴィッチも小細工しすぎ。やたらと弦が<>こういう感じにデュナーミクを付けるのが食傷気味になってしまいます。ただし例によってテンポ設定が速くて、めっちゃスリリングなことは確か。こんなに速いモーツァルトって初めて聴いたぞ。CD1枚に3曲もの協奏曲が入ってます。なんか思わず笑ってしまう面白さ。
01/02/18
げ、だいぶ間が空いてしまった。練習メニューは変わらず。ってゆうか、さっさと新しい先生探さないといけないっす。
 
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