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■宿屋と酒場とブリタニア人の見る夢
 通常、宿屋ないしは酒場という空間は、「ゆったりとくつろぐ場所」です。宿に来たのに休むことなく出て行ったり、酒場に来たのになにも注文することなく帰ったりする人間はいないでしょう。…嫌いな人間が先にそこにいたりしない限り。

 しかし、ブリタニアでは違います。ブリタニアに点在する各地の宿屋や酒場は、訪れておきながら、最も短い時間しかいない場所の一つです。ちょっとその場に留まってみればわかりますが、人が訪れたと思ったえば、みなパッと消えてしまうし、反対に、おもむろに人が現われたかと思えば、ダッシュで出ていってしまいます。そこは、留まるところではないのです。

 宿屋や酒場は、ログイン/ログアウトのための場所。そこはリアルとブリタニアを安定的に結ぶ空間。リアルとバーチャルとを繋ぐ橋、それがブリタニアの宿屋あるいは酒場なのです。「ゆったりとくつろぐ場所」ではなく、「ゆったりとくつろぐ場所」へ「帰る」ところなのですね(リアルでゆったりくつろげるかどうかは、個人差があるかもしれませんが)。

 同時に、宿屋や酒場は「寝る」場所でもあるます。これはリアルもブリタニアも変わりません(リアルで、酒場が寝るところでは社会人として問題だけど)。ログアウトは、この世界では「寝る」ことなのですから。宿屋や酒場でなくても、危険な外界でログアウトするのなら、キャンピング技能を使って寝袋で「寝る」ことになります(他に「ハイド落ち」と「コネロス」がありますが、これはまた後日話しましょう)。

 ブリタニアの人々は、ヴァーチャルな世界から、宿屋や酒場で「寝る」と、リアルな世界に戻る。ということは、戻ったばかりのリアルは、実はブリタニア人の見る夢なのかもしれません。

 夢見るブリタニアから、醒めたリアルもまたブリタニアの夢。



ブリタニアとリアルとを安定的に結ぶ場所…宿屋って、実は不思議な空間なんですよね。