三福源酒楼との出会い


揚州に着いたその夜は西園飯店、次の日は揚州賓館と最初は主に外国人向けのホテルで食事をしてみた のですが、どうもいけません。

一般的に、中国では町場の老舗、これは国営のものが多いせいかまともなものが出てこないのが普通なので 、先の二つのホテルはものの本によるととても美味しいということもあって最初に試してみたのですが、 見事に外れてしまいました。

気分がどうもおさまらないので町の方へ出てみると、三福源酒楼という名の豪華なレストランが出来ているでは ありませんか。

大体、こういう所は香港との合弁で広東料理の店と相場が決まっているので、出来損ないの広東料理でも、 摘まみながらやけ酒でも飲もうと思って入ってみました。

そんな訳ですから、ここの社長さん(下の写真の方です)が出てきて、鑑真和上(揚州の大明寺の高僧でした) やおしんの話をしてくれたのですが、それにはかまわず揚州ではまるで美味しいものに巡り合わないと 愚痴をこぼしてしまいました。すると、彼は「我們給[ni]正宗淮揚菜(私達が本物の淮揚料理を食べさせてあげましょう)」 と言ってくれたのです。

これで、天国の扉が開いた訳です。中国で食事をするのは本当に難しくて、入口が十個有ると、天国行きが 一つで残りは全て地獄行きなのです。要する中間が無くてすごくいいか、すごく悪いかのどちらかで、悪い 方が圧倒的に多いのです。

そんな訳で、ここの社長さんには本当に感謝をしています。




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