凱悦軒との出会い



凱悦軒との出会いなどと銘打って、突然監獄のような鉄格子が現れたのでびっくりしたでしょう。 実は私も驚いたのですよ。

久しぶりに香港経由で中国へ行こうとしたのですが、ホテルを予約せずに行ったため、 夜の11時ごろ粗末なバッグをぶら下げて尖沙咀(チムサチョイ)をウロウロするはめになってしまいました。

そこへ、Saimon Tuと名乗る一見人の良さそうな普通話を喋る中国人が現れて、 空調、シャワー、トイレ付きで一泊130HK$でいいと言うのでつい誘いに乗ってついて行ったところが上の写真の鉄格子の中でした。 一度は逃げ出したくなったのですが、こんな時間では他に行くところも無いし、 値段も馬鹿安なのでここに泊まることにしました。

有空調(冷房付き)とは言うものの、夜になると止まってしまうので、蒸し暑い香港の夜を扇風機で過ごさなければなりません。 おまけにシャワーを浴びようとしたところ水しかでてこないのです。 それでも、無いよりはましと石鹸が無かったので持ていたシャンプーを体に塗って流そうとすると、 水が止まってしまいました。 そこでふと気がつくと、シャンプーだと思っていたのは実はリンスだったのです。 ただでさえ暑くて眠れないのに本当にトホホな状態になってしまいました。

蒸し暑いのと、扇風機の音と、体に塗ったリンスが気持ち悪いのに加えて何故か定期的に部屋自体が振動するので、 その夜は殆ど眠れませんでした。

こんな情けない状態で次の日、近くのハイヤトリージェンシーに有る凱悦軒に食事に行きました。 殆ど寝ていないのと、体にリンスを塗ったままなの異様な風体なので食事を断られるのでは無いかと、 恐る恐る行って見たところ、快く迎え入れてくれただけでなく、 食事の内容をメモしていると、店のメニューを持ってきてプレゼントしてくれるでは有りませんか。 まるで、地獄から極楽へとワープしたような気分でした。



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