无名居(無名居)−総店 

中南海を彷彿とさせる无名居(総店)の門構え


ここは釣魚台国賓館の副総料理長呉家安氏を総料理長として招聘して開店した国宴菜の店です。 国宴菜とは外国の賓客に釣魚台で供する料理のことでその内容は私たちにはなかなか窺い知ることの出来ないものとなっています。 でもご安心下さい。 ここ無名居では信じられないほど安い値段で国賓宴を楽しむことができます。 ちなみに本物の釣魚台は国際旅行社の手配では一人頭1万2千円(2年前の情報です)程度だったと思います。

さて国宴菜とはどのようなものでしょうか。 今回のメニューを見ていただければわかるように主体は揚州菜です。 これに南林香鴨(蘇州南林飯店の名菜)、気鍋鶏(雲南、四川名菜)、佛跳牆(福州名菜)と言った中国各地を代表する名菜が頭をそろえています。 したがって中国各地の名菜をまとめて味わいたい方たちにもうってつけです。


総店では合計3回食事をいたしましたがなんと言っても印象に残っているのは蘿蔔絲酥餅です。 これは私の好物なので色々なものを試しているのですがここのものは私の予想をはるかに越えるものでした。 この味は蘿蔔絲酥餅とはまるで思えないにもかかわらず口に含んだ時に体に広がる満足感は相当なものです。 火腿なども入っておらずシンプルな鳥醋ベースの味付けでどんな美食につかれた人にもするりと受け入れられるような味になっているところはさすがです。 もちろんこれも揚州を代表する維揚點心です。 ちなみに黄橋焼餅も維揚點心です。

周総理の好物だったという獅子頭も塩味ベースの本場揚州の味そのものなので嬉しくなります。 ちなみに周恩来は揚州近辺維陰の出身だったかと記憶しています。

大煮干絲も揚州菜です。 この干絲なかなかいいですね。 このレベルのものは本場揚州は別として台北や香港ではまず手に入らないのではないでしょうか。

気鍋酸辣鳥魚蛋湯は山東名菜の鳥魚蛋湯を四川風にアレンジしたもので釣魚台の名菜の一つになっていたかと思います。 私は酸辣ではなく胡椒と香菜をきかせたオリジナルのほうが好きですがさすがにここのものはいい鳥魚蛋(イカの卵)使ってますね。

魚米之郷は無錫湖濱飯店の特級調理師恵洪生氏の作ということになっていますが私には揚州菜の松子魚米との違いがもう一つよくわかりません。 でも一粒一粒卵白でコーティングされた魚米の味には脱帽です。

ところで気になるお値段のほうですが手元に残っているメモによると蛋黄鴨巻 28元、清湯獅子頭 15元/一人前、大煮干絲 28元、酸辣鳥魚蛋湯 12元/一人前、水晶蝦球 68元、気鍋鶏 48元、南林香鴨 32元、魚米之郷 45元、双冬老豆腐 28元といったところです。


蛋黄鴨巻(左)、内側は卵油たっぷりの蛋黄がびっしりと(右)

大煮干絲

清湯獅子頭(左)と気鍋酸辣鳥魚蛋湯(右)

蘿蔔絲酥餅


水晶蝦球(左)と気鍋鶏(右)

炒龍須

黄橋焼餅


南林香鴨(左)と魚米之郷(右)

双冬老豆腐

蛋黄酥



基礎データ
住所北京市海淀区北下関78号 100044
電話010-6217-2668,2552
営業時間11:00〜14:00,17:00〜21:00
お勧め料理清湯獅子頭、大煮干絲、気鍋酸辣鳥魚蛋湯、魚米之郷、荷包[魚即]魚、蛋黄鴨巻、蘿蔔絲酥餅など
取材日時2000年4月29日、30日、5月1日




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