デビューして、1枚目、2枚目ぐらいまではすごく気にいっている、という
ミュージシャンは多いのですが、その後何年たっても、新アルバムが出るたびに
「あぁ、やっぱりいいなぁ」と思えるアーティストは少ないものです。
その人のパターンが見えてしまうと、次のアルバムは買う気が
なくなってしまう。
自分の好きなミュージシャンについて、もっとも気にいったアルバムは何か? と考えてみると、だいたい自分がそのミュージシャンを知った初期のもので あることが多い。
異質なものに最初に触れた時の印象が強い、というのは心理学的に妥当な
理由と思われますが、その後もずっと良い、というのは、
そのたびに「気持ちのいい裏切り」がある、ということで、それを継続するのは
難しいようです。
気持ちのいい、という点が大事です。
アーティストというものは、新しいことをしつつ、受け入れられたい、 という宿命にあるので、なかなか大変な職業です。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp