◆ 動物分類学の論理 / 馬渡 峻輔 ◆

Taxonomy, Book
書 名:動物分類学の論理 〜多様性を認識する方法〜
著 者:馬渡 峻輔 Shunsuke F. Mawatari
出版社:東京大学出版会 1994/3 ISBN4-13-060157-1 C3045
価 格:3,399 円


生物の発生は数十億年前に一度だけ起こり、現在の生物は 全てその子孫である。
この考えに従えば、生命の発生から現在の多種の生物までをつなぐ 大きな系統図が、たったひとつだけ存在するはずである。 その真実を求めて、系統分類学者はどういう論理でなにを しているのか、を教えてくれる本。

従来、現在ある生物を分類することを目的として、 分類学 Taxonomy は発展してきた(リンネ式階層分類体系)。 そこに、進化の道筋を考慮する系統学 Phylogeny が混ざりあって、 分類は見ための類似性だけではなく、歴史的意味をも 含むようになった。

生物の外形特徴、遺伝情報、分子化学情報、行動習性など、 いろいろ材料はあるが、結局のところ昔のこと(正解)は もう見ることができない。
手法もいろいろあるが、それぞれに得られる推定分岐図には 多くの曖昧さ、手法毎の矛盾、限界があり、議論は続いている。

 第1章 分類学の枠組み
 第2章 伝統的な分類学の方法
 第3章 自然をまとめる――体系分類の問題点
 第4章 ふたたび自然をわける――種分類の問題点
 第5章 国際動物命名規約
 第6章 日本の分類学研究


1996/01/12 T.Minewaki
2001/02/09 last modified T.Minewaki

生命のよもやま話
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