作品名： マイリトルタウン My Little Town
著　者： 柴門 ふみ
発行所： 小学館　ビックコミックス
2004/05/01 第１刷発行
ISBN4-09-185638-1 C9979 \505E

柴門さんは卓越した作家だと思っているが、作品を読むのはとっても久しぶりだ。 なんでか、このごろは作品が目に入ることもなかった。 で、この作品はたまたま本屋で見つけたので、どれどれという感じで 読み出したら、…
泣いた。いきなり第１話から、胸をぎゅーっとつかまれるような、切ない話。 電車の中で、瞳がうるうるになってしまった。

取り壊されることになった団地に住む人々の視点で、 短い話が何となくつながりながら全部で１１話。 年齢も立場も異なるそれぞれに、人生の転機に訪れる決断の瞬間。 家族を思いやるがゆえに、すれ違ってしまう気持ち。 … 何度も泣かされた。

そして、柴門さんの本当にすごいと思うところは、どの話も、苦難を越えた末に、 ラストには気持ち良い明るさが漂っていること。 涙が出てしまうのは悲しいからじゃないのです。名手だなぁ。