◆ ロンドン旅行レポート 1991 ◆

以下の文章は、8年ほど前にイギリスに旅行した際のレポートです。
インターネットを始める前に作成したものですが、
なるべく当時の感じを残したまま HTML 化して掲載します。
気分が盛り上がれば、あとで写真を追加して再構成するかもしれません。


《 ロンドン旅行レポート 》================================================
                                                   1991/06/12 T.Minewaki

 旅行後かなり経ってしまいましたが、何のお土産も持ってこなかったので、代
わりにといってはなんですが、「ロンドン旅行レポート」をお届けします。


< ことの始まり >--------------------------------------------------------

  御存じの方も多いでしょうが、英国航空 (BritishAirways) のキャンペーン
「4月23日。ロンドンがタダになる。」という新聞公告に惹かれて、うちの妹
が年賀状の残りで1枚ハガキを出したところ、それが見事に当たってしまいまし
た。ペアで往復の航空券がタダ、ということで、語学に弱く金もない彼女は、ガ
イド役として僕を誘ったというわけです。
  棚ボタを絵に描いたようなお話しですね。

  当選したことがわかったのが 4/8 のこと。名所といえば BigBen しか知らず、
通貨は「イギリスドル」だと信じていた知識の乏しい僕は、出発までたった2週
間というあわただしい状況でバタバタとガイドブックを買い込み、旅行に臨みま
した。
 ・・・・・・
  結局、そんなこんなで、1991/4/23〜5/10 にかけて、イギリスのロンドンに旅
行をしたわけです。以下、ロンドンについての印象です。

< 気候と天気 >----------------------------------------------------------

 Londonは良いところだったけど寒かった。毎日気温は10〜12度位で、日本より
季節が1ヶ月ほど遅れている感じ。ガイドブックに書いてある「暖流が来ている
ので年中温かい」というのを信じて、春の服装で行ったのは間違いだった。ひど
い風邪をひいてしまった。
  そのうえ天気が悪い。朝の天気予報で見る衛星写真はいつもイギリスの上で厚
く渦を巻いていて、2週間の滞在のうち、きれいに晴れたのは2日だけ、そのう
ち1日はLondonを離れる日だった。時期が悪かったのかなと思ったが、1年中い
つもこんな天気であるらしい。

< 観光スポット >--------------------------------------------------------

  見るべきところは多い。歴史的建築物やエピソードには事欠かないし、美術館、
博物館、公園が数えきれないほどある。街自体が歴史のかたまり。
 滞在中、毎日かならず1ヶ所は観光名所と呼ばれる場所を訪れることにしたの
で、結局はかなりの場所を見て回ることになった。

  とにかく歩いた。歩き回らないと土地感がつかめないので、近所の道でも同じ
道を2度通らないようにして、地下鉄の2駅ぐらいなら平気で歩いた。美術館、
博物館もとにかくでかく広いので、見て回るには足腰が強くないといけない。1
日4〜5時間は歩いている時間だったような気がする。

< 訪れた場所 >----------------------------------------------------------

  4/24  Kensington Garden                    ケンジントン・ガーデン
        Royal College of Art                 国立芸術大学
        Royal Albert Hall                    ロイヤル・アルバート・ホール
        Victoria and Albert Museum           ビクトリア・アルバート美術館
  4/25  Science Museum                       科学博物館
        Picadelly Circus                     ピカデリー・サーカス
  4/26  Natural History Museum               自然史博物館
        Hyde Park                            ハイド・パーク
        Picadelly Theater "Rocky Horror Show" ロッキーホラーショウ
  4/27  Kensington Garden                    ケンジントン・ガーデン
        British Museum                       大英博物館
  4/28  Hyde Park (Speaker's Corner)         ハイド・パーク
        Regent's Park                        リージェント・パーク
  4/29  Big Ben & Parliament                 ビッグベンと国会議事堂
        Westminster Abbey                    ウエストミンスター寺院
        National Gallery                     ナショナル・ギャラリー
  4/30  National Gallery                     ナショナル・ギャラリー
  5/01  Winbledon                            ウインブルドン
  5/02  Tate Gallery                         テート・ギャラリー
        Big Ben & Parliament                 ビッグベンと国会議事堂
  5/03  Kew Garden                           キュー・ガーデン
  5/04  Notting Hill Gate Market             市民市場(マーケット)
        Tower Bridge                         タワー・ブリッジ
  5/05  Regent's Park                        リージェント・パーク
        London Zoo                           ロンドン動物園
  5/06  Greenwich Maritime Museum            グリニッジ国立海洋博物館
        Greenwich Astronomical Observatory   グリニッジ旧天文台
  5/07  Backingham Palace                    バッキンガム宮殿
        St.James Park                        セント・ジェームス・パーク
        Green Park                           グリーン・パーク
        Berkley Square                       バークレー・スクェア
        Museum Of Moving Image               映画博物館
  5/08  Natural History Museum               自然史博物館
        Hyde Park                            ハイド・パーク

< 気に入った場所 >------------------------------------------------------

 最も気に入った場所というのは、公園の数々。
  街中至る所に大小の公園がある。ケンジントンガーデン、ハイドパーク、リー
ジェントパーク、セントジェームズパーク、キューガーデン・・・。なかでもハ
イド・パークが有名だけど、これが本当にとんでもなくだだっ広い。東西に横切
って歩いてみたら1時間ぐらいかかってしまった。
  中では、池の周りでボート遊びをしていたり、サッカーをしていたり、馬に乗
ってパコパコ散歩をしていたり(ちゃんと馬用の道路がある)、鳥やリスに餌を
やって戯れていたり、犬を連れて散歩していたりする。
 動物関係が多いせいで、公園のあちこちには馬や犬や鳥のうんちが散らばって
いる。良く確かめずに芝生に寝ころぶとひどい目に合う。観光客は足元を見ずに
きょろきょろ歩いているので、知らずに踏んでしまう。僕は1回踏んでしまいま
した。
  ときどき「暴れ馬」というのがいるらしくて、馬だけが公園の中を走り抜けて
いったりする。その後を乗馬係の人が追いかけていく。

 公園の他には、Natianal Gallery で観たレンブラントの絵、Natural History
Museum の恐竜化石、ロンドン動物園の水族館と爬虫類館が良かった。

< ヨーロッパ人はちゅうが好き >------------------------------------------

 駅のホームで、街の通りで、動物園で、美術館で、彼らはところかまわず?ち
ゅうをする。
  観光地にカップルが沢山いるのはまぁしょうがないが、駅のホームでじっと見
つめ合っていたかと思うと、ちゅう。腕を肩と腰に回し合って、寄り掛かるよう
に歩きながら、歩いてはちゅう、歩いてはちゅう、というのもいる。

 動物園なんかに行くと、
  「きゃぁ、ワニよ。なんて大きな口。怖いわ私。」
  「はは、心配ないよ、マリア。君を食べたりしないさ。それに、僕が付いてる
    じゃないか。」
  「そうね。ジェームス。」「かわいいよ、マリア。」ちゅう。
    ・・・・・・・・
  「きゃぁ、アナコンダよ。なんてグロテスク。怖いわ私。」
  「はは、心配ないよ、マリア。君に巻き付いたりしないさ。それに、僕が付い
    てるじゃないか。」
  「そうね。ジェームス。」「愛してるよ、マリア。」ちゅうちゅう。
    ・・・・・・・・
  という調子で、1つの檻の前を通るごとにやっている。

  別にそれが悪いことだとはいわない。ただ、次に来るときは恋人と来てやるか
らみてろよお前ら、と心に誓った僕であった。

< ホテル >--------------------------------------------------------------

 ロンドン到着第1日目は、予約しておいたちゃんとしたホテル (LeicesterCou
rtHotel) に泊まって、ツイン 23000yen も取られたが、2日目以降は B&B (Bead
and Breakfast) と呼ばれる安宿を探して泊まったので、滞在費用はそれほどか
からなかった。
  ガイドブックにいくつか B&B が紹介してあるので、それをあてにして探しに
行く。行ってみるとその辺り( EarlsCourt 駅周辺や Paddington 駅周辺)一帯
がホテル街(エッチなホテルではない)という感じで、空いているところも多い
ので探すのは簡単だった。
  ロンドン自体が観光地で、夏になると、ヨーロッパ中から観光客が来るという
こともあって、数が多いのだろう。

  4/24〜27 は、LondonTouristHotel という B&B に滞在し、そこはツインで 25
pound/day (6250yen) という超破格値。しかし安いだけのことはあって、部屋に
はベッド2つとクロゼットが1つ、洗面台、という超単純構成、おまけにクロゼ
ットはドアが閉まらず(紙を挟んで止める)、ベッドサイドライトは点かず、共同
のトイレは鍵もかからない、という有様だった。

  4/28からは、しばらく妹と別行動を取ったということもあって、シングルの部
屋を自分で探して滞在した。その名も Hotel Dolphin。
  村上春樹が好きな僕は、このホテルが目についたときに「これしかない!」と
思って泊まることにした(この話は何人がわかるだろう?わからない人は「羊を
めぐる冒険」を読みましょう)。
  そこは英語がうまく喋れないギリシャ人が経営する、中近東っぽい異様な雰囲
気の漂うホテルだったが、部屋はよかった。6畳くらいの部屋にベッド、クロゼ
ット、衣類引き出し、洗面台、ベッドサイドテーブル、TVまでついて 20pound
/day (5000yen) だった。このホテルは気に入ってしまったので、結局最後の日
(〜5/8) まで滞在した。

  総合すると、滞在のみにかかった費用は次のようになる。
        4/23        Leicester Court Hotel  23000*1day/2= 11500yen
        4/24〜4/27  London Tourist Hotel    6250*4day/2= 12500yen
        4/28〜5/8   Hotel Dolphin           5000*11day = 55000yen
                                                 ------------------
                                                   total 79000yen

< 人種混合 >------------------------------------------------------------

  イギリスには紳士と淑女しかいないようなイメージを持っていたが、全然そん
なことはなくて、黒人やインド人、東洋人も多い。世界中のあちこちに植民地を
もって現地人をこき使い、茶の貿易をしていた時代の名残だろうか?
  移民人種はやはり地位が低いらしく、ハンバーガー屋の店員はほとんどが黒人
だし、小さな商店(雑貨屋や食料品店)はアラブ系の人が多い。もちろん中華街
もあってそこには中華料理店が並んでいる。
 高級日本料理屋もいくつか見かけたが、それほど繁盛している様子はなく、潰
れている店もあった。

 観光客は多い。日本人が多いのは当たり前だが、そのほかにもヨーロッパのあ
ちこちから、アメリカから、心の故郷を求めて?週末には観光客が押し寄せる。
ヨーロッパ系白人は見ただけではどこの人かわからないのだが、喋っているのを
聞くと、フランス語だったり、見当のつかない言葉だったり。
 最近NHKスペシャルで特集をやったせいか、大英博物館での日本人密度は異
様に高かった。高級プランド店の並ぶ Bond Street あたりにも多くいるらしい。

  見るからに外人、という感じの北欧系白人女性は美しい人が多い。特に10代
の娘の顔やスタイルには目を見張るものがある。
  映画の主人公になってもおかしくないような、ブルック・シールズかジェニフ
ァー・コネリーかという娘らが、まっすぐな脚にミニスカートやスパッツを履い
て、ぞろぞろと歩いているのだからすごい。そんな中で日本人を見かけると、や
っぱりモンゴリアンは容姿については彼女らに全然かなわない、根本的に何かが
違う、としみじみ感じる(こういう感情から人種差別が始まる)。
  しかし彼女らにも弱点(?)はある。20代なかばからの美貌の劣化が激しい
のと、同時に体型がぶくぶくと太りだすこと。光輝く時間は短い。恋せよ乙女。
(なんのこっちゃ)

< 英国航空 British Airways >--------------------------------------------

  こんな素敵なボタモチ旅行をプレゼントしてくれた英国航空ではあったが、サ
ービスはどうであったか?

  出発日は4/23と決まっていたが、帰国日は希望に応じて選択でき、予めそ
の日の便を予約してくれる。帰りの便は5/9ロンドン発、ということを申し込
んでおいたのに、出発日に成田空港へ行って受け付けてみると、
      「帰りのチケットはフリーですね?」
      「???」
  話が違う。結局は向こうが再予約 (5/9 BA21便) をしてくれたが、ああだこう
だともめて、出発直前まで待たされた。

  最新鋭ボーイング747-400の中。天井の荷物入れの中から、僕の頭の上に
水が滴ってくる。気圧の変化で結露したものらしいとスチュワーデスは云ってい
たが、なぜ僕の上にだけ?水もしたたるいい男だからか?ただの欠陥飛行機か?

  帰国日、出発2時間前にロンドン・ヒースロー空港に着く。出発案内ディスプ
レイを見つめているが、30分経っても予約した便の案内は現われない。これは
変だと思ってインフォメーションカウンタで尋ねてみると、
      「12時発のBA21便は予定どおりに出発しますか?」(もちろん英語)
      「その便はキャンセルされました。」
      「!!!???  どどどうしたらいいのですか?」
 うーんびびったぞ。次にサービスカウンタに行って問い合わせたら、3時30
分の便に回された。
  飛行機のダブルブッキングや予約のトラブルは良く聞く話だけど、自分の身に
ふりかかると、さすがに焦るなぁ。

 帰りの飛行機の中で観た映画サービスは「ホーム・アローン」と「ロボコップ
2」。これはどちらも面白くてラッキーだった。特に「ホーム・アローン」はア
メリカで大流行しただけあって、お勧めです。

< その他 >--------------------------------------------------------------

  旅行に使った費用は全部合わせて15万円くらい。大体1日1万円ですね。ケ
チケチびんぼーな滞在だったので、「おいしいレストラン」とかいった話題には
縁がありません。

 旅行中に撮った写真がフィルム10本分あるんだけど、それはまだ未整理です。
全てスライドで撮ってあるので、スライドショウをやるか、よりすぐってプリン
トしたものをアルバムにするか、まぁどちらかの手段で公開することになるでし
ょう。
  「写真が見たい」という人は私宛てに「スライドショウ希望」「アルバム回せ」
などのご意見をお寄せください。

 他にも色々と話は尽きないのですが、とりあえずはこのぐらいにしておきます。
  細かい点について質問のある方(新婚旅行で行こうと秘かに計画を練っている
人とか)は個人的にメイルでも書いてください。

1991/06/12 T.Minewaki
1995/03/25 modified for HTML T.Minewaki
1999/05/04 last modified T.Minewaki

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