(1996/08/13 at ウランバートル)
天気は変わりやすく、曇ってポツポツと雨が降ってくる。
この博物館は、ちょっと前まで仏教国家であった時に国主の「生き仏様」が
住んでいた宮殿をそのまま博物館にしたもの。
写真のような宮殿が十幾つ(?)建てられていて、それらを順番に観て回る。
基本は仏教なのだがチベット仏教的。沖縄の寺院とも似ている。
建物は派手な色で塗られ、中には鮮やかな曼荼羅が納められている。
赤い神様、青い神様、白い神様の絵とか彫像とか。
屋根の上には鳥、鹿、魚、猿、などの動物を型どった像が並び、
門の脇にはカネゴンみたいな顔の駒犬が鎮座している。屋根瓦の端には
全て顔が彫ってあり、表情はいろいろ。
ひととおり観てしまうと、あとは似たり寄ったりなのですぐ飽きる。
宗教美術にはあまり関心がないのだ。
足を止めて、中庭に咲いている花を
観察してた。
最後に寄った建物は、四角い3階建てのアパートみたいなところ。
その中には、生き仏様の使用していた家具とか衣類とかが展示して
あるのだが、最後に、世界各地からの貢ぎものを集めた部屋がある。
これが圧巻で、世界中の珍獣の剥製が並んでいる。
蛙、蛇、亀にはじまり、極楽鳥、ペンギン、ナマケモノ、ライオン、
サイ、キリンまで、なんでもある。
これだけのものをモンゴルの砂漠の中心まで運んで来させる権力ってのは
偉大なものがあったのだろうな。と想像させる。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp