ホイスコーレの伝統を感じる学び
後藤 詩子(在デンマーク)
Gerlevホイスコーレ
Gerlev イドラット・ホイスコーレ
 (瀬棚フォルケホイスコーレの元スタッフの後藤詩子さんは昨年8月末からRyホイスコーレに学び、その後Askovホイスコーレのショートコース、ノルウェーの旧友の訪問ののち、2月からGerlev のイドラット・ホイスコーレで学んでいます。彼女から来た手紙を許可を得て掲載します)。

 さすがIdraet(体育)のフォルケだけあって毎日体を動かしています。入学式?直後からです。楽しい!体を動かすのは気持ちいい!と軽やかにいればよいのですが、数年本格的に体動かしてなかったので、体は油の切れた機械のようです。からだが思うように動いてくれればもう少し余裕も生まれるでしょう。そんなわけで毎日くたくたです。

 プログラムはおっしゃる通りユニークです。よく考えられているなと感心しています。生活面も生徒が作っていく姿勢(これは学校側そういうふうに生徒に望んでいるのだと思いますが)がうかがえてオーソドックスなフォルケな考えが生きています。例えば毎日全員で公共場所を掃除することや食事もグループに分かれ、献立、調理、配膳、片付け、をすることなど・・・。

 食事は確かに合わない人にはつらいでしょうね。幸い私は嫌いにならずに毎日もりもり食べています。ここのキッチンはフォルケ業界では有名らしいです。私が10年前に行ったソンダール・フォルケホイスコーレの元校長のMai-EvyがかつてキッチンスタッフをGerlevに実習に行かせたことがあると言っていました。Mai-Evyといえば、瀬棚に来てくれた人です。今彼女はなんとノルウェーのフォルケホイスコーレ協会会長になっています。びっくりしました。オヴェ・コースゴールさんとも知り合いのようで世界は狭いです。

 Ryホイスコーレはかなり生徒への待遇がよかったので、つまりゲストに少々近いような感じ(その分キッチンと掃除のおばさんの負担は多い)、その違いにとまどいもありましたが、今はすっかり慣れました。私としてはGerlevの方が自分の位置が見やすくて安心です。

 「教育とスポーツ」を専門科目に選んでいたのですが、希望者が少なく開かれなかったので「ダンスと体操」をとりました。遊びやマッサージもとり入れられたメニューはときにハードですが気に入っています。
 生徒は66人。そのうち外国人は私とボリビアの女性、ノルウェーとトルコの女性。トルコの女の子は生まれ育ちがデンマークですし、ノルウェーの子はノルウェー語を使えるので、私とボリビアの子だけ言葉に不自由しています。

 来た当初に比べたらデンマーク語も英語もずいぶん耳に入ってくるようになりましたが、やはり日本人がいないのは自分に集中できるのでありがたいです。Ryの時は他の日本人のおかげで自分の弱いところを直視しなくてもやり過ごせるところがありましたが、今回はビシビシとそれを感じて本当によい学びになりそうです。

 デンマーク人の女の子と同室です。今日は14人の青年たちと共同生活しています。お互いにそうオープンではないので(私は奥手ですからね)、仲良くなるのには時間は必要ですがみんな親切です。冗談が好きですね。ノルウェーに行って思いましたが、デンマーク人はFest(パーティ)の雰囲気づくり会話が上手ですね。ノルウェーはどこか田舎の香りがします。そこが良いところなのですが。

gerlevの運動場

Gerlevホイスコーレの運動場

 Gerlevは規則がちと細かいと思いました。オレロップに比べたらそれほどでもなくみんな委縮しているわけではないのですが。麻薬はもちろんアルコール、異性交際など。学校の言いたいのは河村正人さん(瀬棚フォルケホイスコーレ)の好きな大人性と品なのでしょうね。朝のミーティングでも遅刻者が続出したとき(3分ぐらいの遅れ)校長はおこりました。行儀の悪い子といっても、隣の子に頭をもたれていた程度ですが、びしっとお叱りの声が飛びましたし。ここではRyで見た目に余るような飲酒、異性交際は今のところ見ていません。 

 とりとめもなく書きつづりました。どうぞお体にはくれぐれも気をつけてお過ごし下さい。