タンポポ発電所、いよいよ実現

第2回太陽光発電所計画説明会の報告
2000年1月15日(土)3:00〜4:30福岡市西市民センター会議室

河端則子(福岡市、たんぽぽとりで)

参照:時代を変える太陽の恵み〜21世紀の生活を探そう、太陽光発電所計画説明会

 福岡市の脱原発グループ「たんぽぽとりで」は昨年の東海村臨界事故を契機に、いよいよ原発に頼らず、自分たちでエネルギーを作っていかなければということで、太陽光発電所計画を進めています。以下は第2回の説明会(2000年1月15日)の報告です。

当日のプログラム
  I)設置場所の報告
  II)自然エネルギー体験談(原野さんのお話)
  III)各メーカーの見積もり報告、利益の分配方法など
  IV)質疑応答

I、設置場所について

電気を高く買電できるということと公共性の面から、前原市の龍国寺に決定しました。

II、自然エネルギー体験談(講師:原野順二氏)
 現在、原野さんは水力(出力2.5〜3kw)、太陽光(出力9、36kw)、風力(最大 出力250w)の3種類の自然エネルギー発電を実践しています。1986年から自宅の裏を流れる小川に水車小屋をたて水力発電を始めました。(これは現在米搗き臼と連動しており、1万回突いて7〜8分付きの米が出来るようセットされています。また、出来た電気は370L電気温水器に利用され、風呂、炊事用のお湯をつくっています。)

 1994年自宅屋根の太陽光発電4、2kwに公的補助金を申請しますが、抽選で漏れ、結局全額自費で設置。1996年太陽光発電用の作業小屋に5、16kw分を設置しました。(これは家庭用の電気に利用。余剰分600〜800kwを売電中。月平均1万1千円の売電収入あり。)1994年さらに風力発電(1,8m3枚羽根、最大出力240w、英国製)を設置しました。

講演する原野さん

太陽光発電に関して;(1994年当時のこと)
 1994年当時は、まだ九州でだれもやっている人がいなかったし、ディーラーもなく、メーカーの直接販売でした。日本電気工業会と太陽光発電懇話会から資料をを取り寄せ、メーカーに太陽光発電をやりたいと連絡すると松下、サンヨーは大阪から、シャープは福岡の営業部長がやって来ました。そのくらい、今と違っていたのです。また、通産省の許可が大変で自家用発電設備として、主任技術者が必要でした。1995年電気事業法の改正でこれは必要なくなり、一般家電と同じ扱いになり、現在は簡単に設置できるようになっています。

 太陽光発電で得られる電気は直流ですので、一般に使われている交流の電気とつなぐには(これを連係システムというらしい)直流を交流に直すインバーターと連係装置が必要です。この連係装置だけで当時は130〜140万していました。(太陽光発電のパネルのこと)大気圏外ではパネル1平方メートルあたり1kw発電しますが、普通は1平方メートルあたり、170wが最高です。北向き以外で発電可能です。ただし、東向き西向きは10〜20%減るが問題ありません。
 
(会場から質問)
1,発電パネルはどれくらいの広さでどれくらい発電するのですか。

(原野)1平方メートルで170wですが、これは条件の良いときですので、大体150wとして計算すると20平方メートルあれば150X20=3000w=3kwの発電が出来ます。40〜50Aのところはこんなもんです。

2,実際につけた後何か問題はありませんか。
 
(原野)何も問題ありません。僕の時は初期でしたから、初期不良がありましたが、まったく今は問題ありません。まわり(通気口)のゴミを取るぐらいですね。月に一度電力会社が来てすべて計算もしてくれます。僕ん時は自分で計算して、電力会社に請求してましたけど・・今は楽です。

3,つければなにもないのですか?

(原野)はい。後は何もないです。天気がいいときどのくらい発電しているかメーター見るぐらいです。
(住職)私たちだけ楽しむのは申し訳ないですので、ここから車で20分ぐらいですから、みなさん見に来てください。(笑)

4,自然エネルギーに取り組まれたきっかけって何ですか?

(原野)作るのは時間を楽しむというか・・・まあ、投資した分戻ってくるとは考えてないですね。酒飲むと終わりですが、作ると楽しい。結果的に延長上線上にお宅たちと一緒になったというわけです。

(清水)技術者にはそういう喜びがあるのですよ。

(原野)原発反対ではないが、原発は必要ないと思いますね。自然エネルギーが普及したら。一足飛びにというのは無理かもしれないが、世界情勢とか見てたら、無くなっていくでしょうね。また、そうならざるを得ないでしょう。

5,ご家族の変わられた点とかありましたら。

(原野)節電意識があがりました。家内も電気は高くつくって行ってます。エアコンが3台ありましたが、壊れたら使わなくなって、今は1台になりました。網戸にしたり扇風機にしたりで、からだが慣れました。

6,お子さんはいかがですか。

(原野)別の道を歩いています。聞くところによると尊敬してるらしいです。あんまり話さないので。

7,水力に関して聞きたいのですが。

(原野)これも好きでやったんでしょうね。きりがないです。水力は4、5だい作りましたから。直径25cm幅10cmエアコンの吹き出し口のような羽でまわります。落差21m、水流0,015立方m/sec(15リットルバケツ1杯分)、発電量1,5〜2kw100vです。100v1,1kw24hr通電で電気温水器370Lにつないで、お風呂炊事に使ってます。米搗き臼につないでます。先日は芋の輪切りを入れて、かんころもちをつきました。七山にある米搗き臼と同じですね。

III、メーカーの選定について
 4メーカー、3業者に問い合わせました。私たちの趣旨を分かってくださり、どのメーカーも、とても勉強してもらってますので値段的には、差はほとんどありません。が、発熱しないためのバイパス機能をもっているのはシャープだけですので、技術、実績の点から、シャープにしたいと思います。(拍手にて決定)

IV、利益の分配方法について
龍谷寺さんからメンテ料、屋根料は辞退したいとの申し出がありましたので、その分を前倒しして、25年利益分配を行いたいと思います。60歳以上の方には早く分配できるようにします。夏に総会を開きたいと思います。年間1500円ぐらい分配出来ると思います。

V、今後のスケジュール
1月17日着工開始
九電との系統連結2月28日頃
パネル設置予定3月10日完了
パネル設置は日時が決まりましたら皆様に連絡します。是非ご参加下さい。

ということで報告終わりです。私的にはとてもワクワクしてます。ほのぼのとした会でした。あと、5,6口足りません。皆様、ご参加下さい。