春のセミナー「ホイスコーレ春日」兼会員総会のご案内

中村隆市さん(ウィンドファーム)とセヴァン

内容

 恒例の春のセミナー兼会員総会を以下の要領で開きます。

 今回のテーマは「グローバリズムと民衆のオルタナティヴ」と題して、協会会員のウィンドファーム中村隆市さんのお話しをメインに、グローバリズムに対抗する人々の自立的なネットワークについて考えていきます。

 協会自体もデンマークに始まり、韓国、タイ、米国などと独自の交流ラインをもち、プロジェクトをもつようになりました。会員におかれても独自のネットワークで動いている方も多くいます。ウィンドファームナマケモノ倶楽部はその代表的なものです。

 日本国内の問題がおろそかになるとか、すべきことがたくさんあるのになぜ外国のことをするのだという批判もありますが、このセミナーに出るとそういう批判がなぜまちがっているのかがわかるでしょう。また教育関係者にとっても、世界の子どもたちの状況を見ることで、日本の子どものおかれている問題点もわかりますし、子ども同士の交流を通じて、行きづまった日本の教育現場を活性化することも可能です。

 グローバリズムに対抗するこうした人々の自発的な国際ネットワークの動きとその人々は、最近「マルチチュード(多様で多元的で能動的、独自な民衆)」(イタリアの理論家アントニオ・ネグリの言葉)ともいわれ、経済のグローバリズムや米国などの軍事大国の横暴、ともすれば形骸化しがちな国連などの国際組織、国際大手NGOなどに対抗できる唯一の勢力ともいわれています。イラク攻撃反対の全世界的広がりはこのよい事例でしょう。ゲリラ的に神出鬼没し、意外なところで自在につながっているこのような民衆の地下水脈的ネットワークは、中央や政府機関、国際機関、マスメディア、有名NGOを通していないだけに、掌握や管理がむずかしいのです。

 協会のネットワークもマスメディアや東京の組織あるいは大手NGOを通すことなく、あくまでフェイス・トゥ・フェイスで直接につちかったものです。組織的とはとてもいえず、ただの地方に住む個人のネットワークにすぎない協会の活動ですが、それでも地球規模の広がりと交流をもつようになりました。多元的、地域分散的な協会の活動自体が「マルチチュード」的ということができます。小規模ながら地域で自発的、創造的にくりひろげられるこのような動きこそが、実はもっとも希望をもてるものの一つだということを、みなさんで考えていきたいと思います。

 経験者はご存じですが、協会のセミナーは内容よりも、その場の雰囲気、交流の充実感が一番の売りで、デンマークのホイスコーレに近い雰囲気を味わえます。初めての方、元気を出したい人、勇気がほしい人はぜひどうぞ!


時:2003年4月5日(土)13:30-6日(日)12:00
場所:福岡県春日市クローバープラザ(博多駅から普通電車で10分)
地図はここ
参加費:6000円

(一泊二食+お茶とケーキ付き、部屋はシングルなし。洋室、和室ありますが、ここは福祉センターですので、障害者団体がバリアフリーの洋室を優先されるので、希望に添えないことあり。
部分参加の場合は、かかった実費をいただきます)
締め切り3月28日(金)お申し込みは以下まで。

清水(日本グルントヴィ協会)mailto:mann@asahi.email.ne.jp


内容 4月5日(土)
 13:00 受付
 13:30〜17:00 セミナー「グローバリズムと民衆のオルタナティヴ」 504研修室
 13:30
1、基調報告「スロー、そして、シェアの時代へ 」 中村 隆市(ウィンドファーム代表、ナマケモノ倶 楽部世話人)
「1987年から中南米の有機コーヒー生産者と連帯してやってきた『フェアトレード』、ナマケモノ倶楽部の『スロー運動』そして、先住民から教えられた『シェア(分かち合い)』について語ります」
(中村隆市)。
 みなさんもご存じの中村隆市さんは『フェアトレード』などという言葉が根づく前から、独自のフェイス・トゥ・フェイス、人間的な信頼関係を築き、中南米の農民たちと連帯してきました。そしてナマケモノ倶楽部の設立に寄与し、昨年のセヴァン・スピーカー・ツアーなどに見られるように、現在は全国的かつグローバルな環境保護運動を展開しています。これも一つの「マルチチュード」の事例であり、貴重な実践例です。その過程とそこから生まれた独自の思索を語っていただきます。

 15:00 ティータイム  レストラン
 15:30 2、「グローバリズムと民衆のオルタナティヴ」 清水 満
 
中村さんの話を受けて、グローバリズムの本質、なぜ今世界の人々とつながるべきなのか、それがいかにグローバリズムに対抗できるのか、地域の小規模な民衆運動がもつ意味などをかんたんに解説します。

 16:00 質疑応答と補足
 17:00 休憩
 18:00 夕食  レストラン
 19:00〜21:00 歌とイドラット・フォルスク、トロプスの夕べ  フィットネス・ルーム
 
今までは歌い手の方を呼んでコンサートなどを行ってきましたが、今回はデンマークのホイスコーレと 同様に、みんなで歌唱をしたいと思います。その後、イドラット・フォルスク(デンマークの民衆のゲーム)、トロプス(競争のない、敗者のないスポーツ)をします。イドラット・フォルスクは協会の会合では初めて、トロプスは96年に提唱者の影山健さんご本人から教えていただいて以来ですが、そのときにしなかったものを中心に行います。このプログラムがいちばんホイスコーレらしいものかもしれません。

 21:30 交流会

4月6日(日)
 8:00 朝食  レストラン
 9:00〜12:00 会員総会と今後のプロジェクト 504研修室
  1、タイのグローバル・ギャザリング(オルタナティヴ教育者の交流会)参加報告
  
幹事の清水が2月に高砂の児島さんなどが主催したタイで行われたグローバル・ギャザリングに参加し、「子どもの村学園(サマーヒル教育と仏教を理念にしたタイのオルタナティヴ・スクール)」と「夢を織る家(児童虐待や貧困などで親のいない子どもたちが暮らすコミュニティ・ハウス)」を訪問してきました。そのときの模様をスライドなどで紹介します。
2、協会活動報告と会計報告
3、今後のプロジェクトについて
以下のプロジェクトについて話し合います。
・夢を織る家支援プロジェクト
夢を織る家に児童劇団を送り、子どもたちに夢と想い出を贈り、今後可能な支援も考えていきます。
・アメリカでの民衆学校共同行動プロジェクト
以下のパットさんの文章を見て下さい。
・韓国のオルタナティヴ・コミュニティとの交流プロジェクト
AWE韓国との交流企画や、イエス暮らし共同体など韓国のオルタナティヴな運動との交流を進めていきます。
・デンマーク・アマチュア・アーティスト交流プロジェクト
9月に来日するデンマーク・アマチュアアーティストの受け入れ交流プログラムです。
 今後はそれぞれプロジェクト・チームをつくっていく予定です。会員でなくても関心のある方、どうぞおいで下さい。

 遠方の方、青春18切符(もしくは高速バス)で桜の花咲き乱れる九州までどうぞいらして下さい。