人呼んで『夜盗虫ヨトウムシ)』たあ、おれたちのことよ。

野郎ども、待ちに待った夜がまたやってきたぜぃっ! 今夜の“盗人家業”押し込み先はスイトピーでえぃ!

確かにオレたちゃな、姿・格好は芋虫よぉ。だがな、アゲハだのモンシロだのケツの青いやつらと一緒にしてくれるなよ。


見事な仕事跡の
スイトピー

<明るい所では丸まって動かない:こういうのが土の中にいるのだ〜!>

おれたちは、おてんとうさんがぎらぎらしている まっぴるま にはジッと土の中にひそんでいる。それで、もの皆寝静まる夜に出てきて、へっへっへ、ちょいとお宝(ハーブ)をいただくって寸法で。

夜はさっさと寝ちまう『るう』には、昼間ごそごそ動いてる芋虫は箸でつまめても、夜の盗人には手も足もでめえ? どわっはっはっは。

この時期や秋は絶好の“仕事”日和よ。あっつい真夏はうごくもんじゃねえ。

<暗くしてやるとのびてごそごそ動き出す>

なに、おれたちは若けぇときには、たいてい何匹かまとまっての仕事で、だからお宝をいただくのも早いぜえ。

ちっと年期がはいってくりゃあ、ま、単独でごっそりといただきにあがることもできるようにならあね。(↑の写真はだいぶ育ったヨトウムシ)

バジルの成長するところ(赤丸)も見事に
たべられているのでこうなるともうおしまい。
あとはヨトウムシの餌になるだけだ。

たった一晩で発芽したてのバジルをそっくりいただくのも、ロケットを穴だらけにするのも、キンセンカを葉脈だけにしちまうのも、お手のもんだね。 

出たばかりの芽が一晩で消えたようになくなってるということを経験したこたあねえですかい? ありゃあ、たいていおれたちの“仕事”でさあ。みごとなもんだろ?

おれたちをお縄にする方法? へっ! 火付け盗賊改めの鬼平さんにでも頼むかい?

懐中電灯をもって、夜回りでもやるかい? まあ、昼間におれたちの隠れ家におしこんで(もぐってる土をほじくりかえして)つかまえてもいいがな。なにしろ昼間はすっかり寝こけちまうし。ハーブの植わってる土をそっくり新しい物ととりかえるってのも手だろう。まあ、ごくろうなこった。

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ところがな、このごろどうも『るう』の庭は仕事がしにくくていけねえ。

なぜかって? 

コーヒー中毒の『るう』は、毎日大量にでるコーヒーかすの処分に困ってたんだな。んで、「ええい、土にまぜちゃえ。肥料になるかもしれない」と実にいいかげんに、あっちこっちのプランターの土にコーヒーかすをまぜだしたんで。

実は、おれたちゃあ、このコーヒーが、、どうもいけねえ。 卵から孵ったばかりのときに、コーヒーをスプレーされてもたまらねえやな。

「ヨトウムシには唐辛子スプレーも効くんだって。唐辛子を焼酎(アルコール)につけて、で、その浸出液をしゅっしゅっ、とかけるのといいらしいの。農家の人に聞いたんだ!」

ぐえ、もうこの庭にはいられねえ。上方にでも姿をくらますか。


唐辛子スプレー(原液)をかけて20分後
明るいところなのに丸まらず、
そのうち動きがとまった。(合掌)

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