えー、本日は、御多忙にも関わらず、またテントウ虫が暗躍し、カマキリの孵卵という世にも恐ろしい事態の中、皆様には多数お集りいただきまして、まことにありがとうございます。
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ただ今より第*回害虫会議を開催いたします。
えー、本日の司会は、不肖、私『アリ』がつとめさせていただきます。
---拍手---
早速ですが、議題に移らせていただきます。
えー、お手元の資料をごらんくださいませ。
---がさごそ---
えー、このわれわれの住む『るうさんの庭』に、昨今、いままでみたことのない方々が出現いたしましてー、 |
えー、名前が『タカラダニ』というらしいということだけはわかったのですが、果たしてこの方々が、我々の仲間であろうか、さてまた、憎むべき敵なのか、その判定を皆様にしていただきたく、ここにお願いする次第であります。
---がやがや---
アブラムシ |
「あー、この人、ぼく見たことあるー!」 |
チャドクガ |
「ハニーサックルが絡んでるコンクリート塀のところを団体でうろうろしてる人だろー? おれ、アブラムシの色違いだとおもってだぜー。違うのか?」 |
アブラムシ |
「うん。ぼくも最初そうかとおもってたんだけど、この人ね、ぼくよりずーーっとちっちゃいの。よく動くの。」 |

赤い点々が彼等 |

マクロに虫眼鏡で
やっと撮影
1mmたらず |
「まさか、蜘蛛?!」
「て、て、敵だ! われわれの敵だ!」
「そう言えば『るうさん』も、蜘蛛の子かしらー、なんていってたぞ」
---ざわざわざわ、がやがやがや、わいわいわい---
司会アリ |
「静粛に、静粛に。『るうさん』のいうことはアテにならないから、虫、、じゃない無視しましょう。えー、ではハダニさんいかがですか?」 |
ハダニ |
「はあい♪ えっとー、蜘蛛はぁ、生まれた瞬間以外はぁ、こうやってぇ、団体行動をする事はないのね。だからあ、この人たちは蜘蛛じゃないのよぉ。私達の仲間なのねん。この赤い色ってダニっぽいでしょーー? 名前もダニなんですものー」 |
---おおお、と感嘆の声---
アゲハ |
「ダニお姉さんの仲間だったら、私達の仲間でしょ? よかったじゃーん。このお庭が賑やかになって」 |
エカキムシ |
「、、、しかし、この者達はいったいハーブになんの影響をあたえるというのか? われわれのような芸術家か? ヨトウムシのような盗人か? もしくは『るう殿』の柔肌を刺すとでもいうのか?」 |
アブラムシ |
「そうなんだよー、ハニーサックルっていう絶好の御馳走がそばにあるのに、ぜんぜん食べにこないんだよぉ。」 |
ハキリムシ |
「そうそう、葉っぱをむしゃむしゃやってる気配もない。ひたすら塀のところをうろうろしてるだけなんだよねー」 |
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カイガラムシ |
「、、、ヤツラハ ナニヲ 食ベルノダ? ダイタイ 害虫ナラ、『るう』ニ、1回デモ“ぎゃーー!”トカ“げげげげげー!”トカ、イワセナクテハ ナラナイハズダ。『るう』ハ彼ラヲ見タトキ “ふ〜ん”トシカ イワナイゾ。」 |
司会アリ |
「、、それにつきましては、『るうさん』も我々同様、彼等がなにものかがわかってないということだと思いますが」 |
ナメクジ |
「ほっほっほ。なにもせんが、、あれだけの数がうろうろしていると、普通の人間は“気持ちが悪い”と思うのではないのかな。おまけにうかつにつぶすと赤い汁がつくでの」 |
ヨトウムシ |
「け。それだけのものかい! くだらねえ」 |
ナメクジ |
「これこれ、そうバカにしたものでもないぞ。このごろコンクリートの塀や壁にこの方々が出没するというので、駆除の依頼がひきもきらんそうじゃ。やはり嫌悪の情をひきおこすりっぱな害虫じゃよ。案外コンクリートに生える苔なんぞを食らっているのではないかの」 |
ヨトウムシ |
「ほほぉ〜。じいさん、さすが年の功だね、よく知ってらあな」 |
「でもハーブ食べないんじゃねえ?」
「私達の仲間とは、ちょっといいがたいんじゃないのお?」
「いや、きもちわるいってだけで十分害虫じゃねーの?」
「えーー?! ちがうと思うーー!」
---ざわざわざわ、がやがやがや、わいわいわい(収集つかず)--- |