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<< 算 額>>

もしあなたが、さっきのような誰も解けない難しい問題を苦労の末解いたとしたらどうしますか?

私なら、ありとあらゆる人に自慢して説明して吹聴してまわるでしょうね。
数学が得意な人だってきっとそういう心境じゃなかったのかな。誰だって、「ほ〜ら、見てみろ! われわれ一門はこんな難しい問題を見事解いたんだぞ。どうだー!!」と自慢してあるきたくなる。

で、それをやったのが『算額』なのだ。

自分たちの解いた問題(問)、解き方(術)、答え(答)、を大きな木の板に書き、額にして大勢の人々が集まる所(神社仏閣の壁)に掲げたのである。

もちろんこれは、『こんな難しい問題が解けたのは、自分の力だけでなく、神仏のご加護があったおかげ。感謝いたします』という意味あいもあるのだけれど。

その掲げられた額を見て、感心感動し、解いた人々をほめたたえる者がいただろうし、またわが子にぜひそのすばらしい術を習わせたいという親もいたろうし、いやいや子ではなく自分が習いたいと思ったかも知れず、ときには「まてまて、こいつらはこう解いているが、別の解き方もあるんじゃないか?」とまたあらたな数学好きを発掘したかもしれない。

算額は単に和算家たちの発表の場にとどまらず、和算を大いに広め、進歩させる役割も担ったのである。

この算額は上里では『陽雲寺』(地図まる1)と『丹生寺』(地図まる3)に残っている。

(すこし御利益を分けてもらおうと子供と拝みにいった。 現在でも、この辺はそろばん塾にかよう子供たちが多い。何となく納得。)

問2の問題が解いてある算額がかかげられていた丹生神社

丹生神社山門

これは算額ではないが、多分このようにかかげられて人々の目に触れられたのだろう。(山門内) 丹生の名にふさわしい、朱塗りの瀟洒な神社である。

さて、さっきの問題ですが、

みごとに解きあかすことができて、しかも、この私にもわかるように説明してやろう、という方! 我がホームページ上に“算額”にして掲げさせていただきます。ぜひぜひメールください、はい。


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