わ・た・く・し、いわゆる『コガネムシ』ですの。
  

 わたくしたちの仲間は大きくわけますとね、動物の“う*こ”を食べる種類と、葉っぱを食べる種類とありますの。そうそう、あの有名な、魂の再生の虫としてあがめられてました「スカラベ」と同じなんですのよ。うふふふ。そういえばわたくし、どことなくじょーひんでございますでしょう? おほほ。

じょーひんな女性のたしなみといたしまして、わたくし、衣装もちですの。メタリックグリーン、メタリックゴールドはもうありきたりですわね。このごろは黒もはやりですし、2色使いの衣装やちょっと見かけないめずらしいお洋服をおもちのかたもいらっしゃるんですわあ。なんてうらやましい。 *くやしいー、きーっ*

えー、わたくしはですね、“う*こ”ではなく、葉っぱのほうをもちろんいただきますんですけどね、私の好物は、さわやかなメントールのスペアミント、おくちの中ですっきりさわやかですわ。大変おいしゅうございます。かぐわしいローズの仲間ハマナスの新芽もよろしゅうございますわねえ。バラは葉っぱでなくてお花がいいわあとおっしゃるかたもいるんでございますけどねえ、わたくしはやはり葉っぱのほうがよろしゅうございますの。それにこの辺りには畑や畑多ございましょ? だもんでまたこの果汁がおいしゅうございますのよぉ。

なにぶんにもわたくし、小食でございましょう? ですからおいしいものをほんの少しだけいただければそれで満足なんでございますの。 え?なんですって? どこが小食だ?ですって。 んままままままっ! なんて失礼なのっ!

*こほん*

 それでは。栄養も十分つけたし、今年もまたそろそろ卵産もうかしら。そうなんですのよ。卵さえ産んでしまえばこの身が今後どうなろうとも未練はないのですわ。鳥に食われようが、カマキリが食おうが、猫のおもちゃにされようがかまわないんですよ。わたくしってなあんてすばらしい母親! 涙なしには語れませんわっ!

あ、さてさてどこに産みましょうかしら。えーと、臭いルーのそばはだめだし、ああもっ、山椒まであるじゃありませんのっ! こんなとこに産んで可愛いわたくしのあかちゃんが死んじゃったらどうするんです。 まったくよけいなとこによけいなもん植えるんだから、『るうさん』って嫌いだわあ。

なにしろ地中で卵から幼虫にかえって根っこなど食べながら蛹になって冬を越し、春になってやっと外にでてくるんですわ、大事な成長期の環境はしっかり整えませんと。

あー、ありましたありました。トマト植えて、収穫が終わったもんだから鉢の土をそのまんまにしてますわ。うふふふふ。 やった! 最高の場所だわ。腐葉土が多くて土がふかふか。日当たりも水はけも良さそう。おまけに根っこがたくさん残ってる。ここにきめましたわ!

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「ん?」
「なんだかあかるいでしゅよ」
「ねむいのに、おこしゃないでくだしゃいよぉ」
「まるまるまる」

「あれ??」
「ここかたいでしゅね」
「一人でねんねしてたのに、みんなそばにいましゅね」
「ねむいぃ。くるくる」

「お? おお?」
「ここぼくのベットじゃないでしゅよ」
「かたいよー、あかるいよー、ねんねできないよぉ」
「ここきらいだよぉ」
「ベットどこいった?」
「ふかふかのおふとんどこ?」
「さがせ、さがせ!」
「んしょ、んしょ、んしょ、んしょ」

我が家の赤ちゃんたちは背中で歩くのが得意です。
鳥さんが電線から赤ちゃんたちをみつめています。

「ねえねえ、このおふとんへんなにおいしゅるー」
「やだー、こんなおふとんやだー。おかあしゃーん」
「おかあしゃーん。ねんねできないよぉ。」
「おかあしゃーん、、、、。」

でも毎年、鳥さんコーヒーかすに負けない子も何人かはいるのです。


これがなんとも傑作!
仰向けに動く幼虫!
足を上にし、この姿勢で
結構早く移動していく。

プランターの土をほりかえしたら、
出るわ出るわ。


1つのプランター内に
これだけいた。
全部コンクリートのたたきに出した。

  



------るうより一言--------------------------------------

 ここでは実に大雑把に、うちに来る連中についてのみ書いてありますが、いわゆる“こがねむし”は、2万以上もの種類があります。
そしてこの中で広食性の性質を持つ カブトムシ亜科、コフキコガネ亜科、スジコガネ亜科、ハナムグリ亜科、が農作物や芝生、花卉に対する害虫として広く知られているそうです。

 一般に“こがねむし”の幼虫はジムシと俗称され、地中の腐食物や細根を(あるときはイモも!)食べて成長しますが、幼苗や苗木などでは生育不良を起したり枯死してしまうものまででてきてしまいます。
 もちろん、害虫にならないものもいて、本文に書きました通り「食糞性」(ダイコクコガネ亜科等)のものがそれにあたります。他は「食葉性」と呼ばれ、多かれ少なかれ植物を害し、害虫となる潜在的な性質を持っています。
当然、農作物・花卉に被害を与えないものは害虫扱いされないわけですが、一般の人間が大喜びするクワガタの仲間も、椎茸栽培の方にとっては害虫だそうです。
また、ドクトルまんぼう@北杜夫氏のように、“こがねむし”採集家の思いは強く、「害虫どころか庭にきてくれるのがうれしい」と言う方も多いです。

“害虫”という言葉がいかに主観的な人間中心の言葉であるか実感させられる虫ですね〜♪

(special thanks to JAのTさま、Mさま/T・S氏)

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