家に泥棒にはいられた男が、大家さんにその被害報告をいたします。(といいつつ実はなにも盗られていない) さてさて、この落語を初めて聞いた時、私は「“花色木綿”ってなに?」と首をかしげた。 この謎が解けたのはそれから何年もたってからである。 そしてその謎がとけたとき、蘇芳、檜皮、浅葱、鈍色、利休鼠、といった色を表現する美しい日本語が、他にもたくさん存在することを知った。その美しい繊細で微妙な色が、ほとんど植物によってもたらされることも知った。自然の営みに驚き、先人の知恵に感服した。 そしてさらに最近、そういった染色に使う植物もハーブとよばれることも知ったのである。 |
アクセス:(自動車)関越自動車道高崎IC(or前橋IC)下りる。高崎観音をめざして約30分。 住所:群馬県高崎市寺尾町2302-11 TEL:027(328)6808 入園料:無料 営業時間:9:00〜16:30 *高崎市を見下ろす白衣観音の足下にある植物園です。お子さま連れのときは、ハイキングをしたり、遊園地もそばにあります。 |
高崎市染料植物園は、古くから伝えられてきた日本の染色文化やその魅力を多くの人々に伝えるために造られた植物染色のテーマパークです。園内は『染料植物の道』をメインに、昔から衣服などを染める原料につかわれてきた代表的な染料植物がたくさん植えられています。 今回なにもこんな冬枯れの園に行かなくてもよかったんだけど、その分想像力を働かせるということで御勘弁を。 |
![]() 『染料植物の道』 ・この道では古代から現在までの染色の歴史と、その時代に主に使われた染料植物を実際に見る事ができます。 |
芽を出し始めたヤマアイ ![]() 古代から中世にかけて使われた 日本最古の染料。 これでできた色が『青摺』 かなりな毒草でもある(^^ゞ |
![]() ・各植物に添えられた案内解説板により、媒染剤による色の違いなども知ることができます。 |
![]() |
![]() |
ここの展示物をみると、日本人の色にたいする美意識の粋が集められているような気がします。 古代色を実際に草木染めで再現しているのは群馬県重要無形文化財に指定された山崎青樹氏。古代人も然る事ながら山崎氏の労作も見事です。 お勧め本: |
![]() だれでも平気で紫なぞ着てはいけなかった時代 (デジカメでは色がきれいにでませんねえ。 もちろん再現は山崎氏の手によるもの) |
![]() この植物からなんでこの色が?という驚きもあり、 同じ植物なのに媒染でこんなに違うのか、 という驚きもあって面白いです。 |
![]() |
←『ブラジル』という国名は染料の赤に由来するそうで、そのもととなる植物がこれです。 Caesalpinia echinata ワイン色の染料植物として中央・南アメリカで栽培され、ブラジル東部の海岸沿いの森林に成育しブラジルウッドの名前でもしられている。 スオウ(赤色植物染料)は、ポルトガル語で「燃えるように赤い」を意味する「ブラサ(brasa)」に由来する「ブラジル(brasil)」の名で呼ばれていたが、そのスオウに似たこの植物が生えていたことからブラジルという国名がつけられたといわれる。 |