『スィートバイオレット』

アイスクリームにかかっていた紫色のシロップ
とろりと、紫水晶をとかしたように美しく
思えばスイートバイオレットに対するあこがれは
そのときからはじまったのかもしれません。

      

良く晴れた午前中、
足下からふわ〜っとキャンディのような甘い匂いが立ち上ってきます。
それがスイートバイオレットです。

冬枯れした庭、常緑のハーブも緑がはっきりしない、
そんなとき、鮮烈な濃い紫の花色が目をひきます。
それがスイートバイオレットです。
      

      

つぼみはあちこちで頭をもたげて、来る春への期待がふくらみます。
それがスイートバイオレットです。

      


1998年の夏、憧れのスィートバイオレットが2株自分のものになった。
自分の庭で咲き誇り、香り立ち上るスィートバイオレットを夢見ていた。

待ちに待った翌1999年の春〜初夏
花は咲いた、、、らしい。
でも、手のひら程におおきくなってしまった葉っぱの陰で
ぜーんぜん見えなかった。香りも気がつかなかった。

でも確かに花は咲いたようなのだ。

だって、
こんな種袋がいっぱいついたのだもの。
種がびっちり入っていた。

で、その年の6月、大騒ぎして種をまいた。

種にくっついている白いゼリーみたいなものは種枕(しゅちん)といって、アリを誘引する物質(オレイン酸などの脂肪酸、グルタミン酸などのアミノ酸、ショ糖などの糖)を含んだ種の付属体。エライオソームとも呼ばれるらしい。
この種枕の付いた種をアリが見つけて巣へ運び、運ばれた種は、巣の中でゼリー状の部分だけが食べられ、そのあと巣の外へ不要物や土と一緒に捨てられたりする。つまり種は発芽能力を失うことなくアリによって遠くに運ばれ子孫を増やし、アリにとっても、栄養価の高い種枕を獲得できるので、両方が利益を得ることになり、アリとスィートバイオレットは共生の関係にあるといえる。
ううむ、スィートバイオレットにアブラムシがつきやすいのもしょうがないのかー(^_^;)
『すみれとあり』 矢間芳子 // 福音館書店 参

 

でも
2週間たっても
1ヶ月たっても
3ヶ月たっても

芽がでる気配はない。完全に失敗したとおもって諦めかけたら

 なんと6ヶ月後に、発芽したのだ!

寄植えにしていたローズマリーの根元に
独特の形をした葉っぱがでていた。

年末、私が狂喜乱舞したのは言うまでもない。

      

2株の紫のスイートバイオレット、そして黄色の花が咲く種類のもの
加えて、この発芽した株

『我がハーブの庭』は
ぽつぽつと咲き出したこれらのスィートバイオレットの香りで始まります♪

黄色いスミレはまるでちょうちょのようです

  

  

【スイートバイオレット】(Viola odorata)
育て方:最初は苗で育て始めたほうが無難です。わざわざ種まきをしなくてもランナーでどんどこ増えていきます。根づまりしやすく、そうすると葉色が悪くなります。アブラムシ、ナメクジがつきやすいです。
色や花びらの形状など豊富な種類があります。スイートバイオレット・コレクターもいらっしゃるのでは? わたしの黄花のは種をつけませんでした。

利用:根っこには毒がありますので注意。花を集めて砂糖菓子にしたり、シロップにしたり。子供ののど薬にいいそうです。

  

  


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