アルファロメオの直列4気筒エンジンは基本的にロングストロークエンジンです。だから
本来中低速トルクに優れているものであっても,レッドゾーンは約6000回転と,今となっては決して高回転型のエンジンではありません(でもいいかどうかは別にしてもノーマルでも7500くらいは平気で回っちゃうんですよね)。
しかし,中にはショートストロークエンジンを搭載したモデルもあります。ここで「GTA1300JUNIOR
の事だな」と思った人は正しいです。GTA1300JUNIORのエンジンは,簡単に言えばGTAの1.6リッターエンジンをストロークダウンして1.3リッターにしたものです。
でも実はGTA1300JUNIOR以外にも,直列4気筒でショートストロークなエンジンを搭載したモデル
があります。それはヌォーヴァージュリエッタの1.3リッターモデルです。日本に正規に入って
来たのは1.6リッター以上ですから,国内で見かけることはまず無いでしょうし,今後並行輸入
される可能性も限りになくゼロに近いですが,これは覚えておいて損は無いです。
105系に搭載されたエンジンは,GTAのような例外を除いてはロングストロークエンジンです。
しかし,この例外に忘れがちな車が2モデルあります。それは33/2ストラダーレとモントリオール
です。両モデル共外観はとても105系とは思えませんが,両モデル共型式から見ると,それぞれ105.33,105.64と紛れもなく105系です。そして両モデルの搭載しているV8エンジンはショートスト
ロークエンジンです。アルファロメオ社では無くて,AUTODELTAで打刻して且つシャーシの違う33/2ストラダーレを105系と呼ぶべきかは議論の分かれる所ですが,モントリオールはシャーシも同じなので105系と呼んで問題無いです。
アルフェッタ系の4気筒エンジンは基本的に105系と同じですが,オイルパンの形状は全然
違います。105系のあの巨大でボディ下面に張り出したオイルパンは,アルフェッタ系では小さくて
ボディ下面にはみ出さない常識的な大きさのものに変更されています。にも係わらず,一般的な情報で
は必要とされるオイル容量は両方共6〜6.5リッターで同じだったりします。また実際のオイル交換の
際にも,両者とも同じ量のオイルを入れています。アルファロメオ社発行のGTV2.0のインストラ
クションブックによれば,当初6.1リッターとされていたオイル容量はその後の追補編で5.6リッター
に変更されています。その間にオイルパンの形状が変わったとも思えないし,非常に不思議な状況ですね。
5.6リッターという値は,実際に入れているオイル量に近いですから,アルフェッタ系に関して言えば,
オイル容量は実際は5.6〜6.1リッターが正解でしょう。ちなみにGTV6は,計り売りで入れたら5.6リッターでした。
アルファロメオのオイルフィルターは大中小3種類あります。どれも径は同じなので,互換性は
あります。互換性の話をすると,2T-Gのフィルターが使えるのは常識ですが,117クーペの
フィルターも流用出来ます。今時117クーペのフィルターの方がよっぽどレアで,情報としては
意味が無いと思いますが,知っていると通っぽいです。
アルファ6に搭載されて登場したV6エンジンは,日産のVG30のお手本にもなったエンジンです。非常に良いエンジンですが,補機類の設計に冗談みたいな部分が有ります。このエンジンはベルト駆動の為,定期的なベルト交換が必要です。それはまあいいんですけど,ベルト交換の為にはラジエターホースを外す必要があって,ベルト交換時には合わせてクーラント交換もする事になります。それも許すとしても,ウォーターポンプを交換する時にまでベルトを外す必要があります。当然ウォーターポンプ交換の際に本来不要な工賃が発生します。ベルト交換の時期にウォーターポンプが逝ったら同時に交換すればいい
ですけど,ベルト交換直後にウォーターポンプが逝ったら工賃が非常に勿体ないです。
また,V6エンジンのオイルフィルターを交換するには,エアフィルター一式を外してやる必要が
あります。こちらはエアインダクションボックスを止めている3本のボルトを外すだけで済むので,
作業的には楽ですが,フィルターだけ下から外せればそれに越したことは無いです。
初期のTI,ジュリアスプリントなど一部の例外を除いて(こいつらにはベンディクス社製の電磁ポンプ
が付いていました),ノーマルなアルファロメオの4気筒エンジンの燃料ポンプは機械式です。
従ってエンジンを掛ける時に電磁ポンプの音など絶対にしません。誰かのエンジンが掛からない時に
「電磁ポンプの音がしない」と知ったふりして回りで呟くと通っぽいですが,アルファロメオ相手にそれをやると非常に恥ずかしいですからやめましょう。また,GTV6等電磁ポンプの車でも,電磁ポンプは普通フューエルタンクの側に付いているものなので,エンジンルームを覗き込みながら「電磁ポンプの音がしない」と言うのは間違ってはいないかも知れませんが,別の理由で恥ずかしいですね。
75以降の最近のアルファロメオの直列4気筒エンジンと言えばツインスパーク化されているのが特徴です。別にツインスパークはアルファロメオだけの技術ではありませんが,アルファロメオのそれのルーツはGTAに代表される60年代のレーシングエンジンです。一時期アルファロメオと日産が提携していたので,そういう誤解が生まれたみたいですが,日産の低公害エンジンではありません。
でも私としては,今の所は関係無いし,今後4気筒エンジンの車を買う事も多分無いから今後も関係無いと言えばそうなんですが,ツインスパーク化はやめて欲しいです。大体6気筒がシングルスパークでOKなんだから,4気筒がツインスパークじゃなければいけない理由なんてイメージ以外に無いじゃないですか。単なるイメージのためにプラグやプラグコード代を2倍払いたくないです(V8エンジンといっしょじゃん)。
可変カムシャフトと言えば,75以降のツインスパークエンジンの特徴ですが,実はそれ以前にUS仕様のスパイダーは可変カムシャフトでした。と言っても75みたいに高性能を目的としたものでは無くて,エミッションコントロールのためでした。つまり排ガス検査の領域で遅いカムプロファイルに変更するというものです(をいをい)。それってつまり上まで回すと排ガスが汚いと言ってるのと同じなんですけどね。
でもどことは言わないけど某メーカーのそれだって,最初はカムが切り替わった瞬間「排ガス規制ってなーに」状態だったわけだし,80年代の車としてはそんなもんでしょう。今売ってる車だってある特定の条件では前より排ガスは綺麗になってるかもしれないけど,全域で綺麗かと言えば疑問ですしね。
アルファ6に搭載されたV6エンジンを指して戦後初のV6エンジンとした雑誌がありましたが、日本では通常戦後というのは第2次世界大戦を指すのですから、とんでもない間違いです。別に戦後のアルファロメオの生産は戦前の6気筒モデルの再生産から始まったんでしょ、などと因縁をつける気は無いですが、アマチュアならいざ知らず、卑しくもプロなら60年代に作られた106系を忘れてはいけないですね(V6という意味では戦後初なのかな)。