柳谷戸(やなぎやと)

茅ヶ崎市の「柳谷の自然に学ぶ会」(問い合わせ先0467-51-8489野田様)からファックスしていただいた案内書を手に柳谷戸に出かけた。自然と農耕地が調和した典型的な「里山」ということである。かなりの地図を調べたが、柳谷戸という地名はない。五万分の一の地図で茅ヶ崎のスリーハンドレッドゴルフ場の北に芹沢という地区にあるのでそのあたりだろうと見当をつけて出かけた。

平塚寒川線(県道47号)は相模原台地の上を蛇行して東西に走るこの界隈の幹線である。小出小学校西側から北に入り、坂を下がって真っ直ぐ行くと道は狭くなるが、そのまま行くと小出川沿いの水田地帯にでる。小出川向こうの丘の上には慶応大学湘南キャンパスが見える。小出川沿いに少し下り、山すそに沿って走る道路に駐車する。車が時々くる程度の閑散としたところである。

五万分の一地図、「藤沢」の下場というところから南に向かって丘を登ると腰掛け神社にでる。相模風土記にでてくる古い神社である。「腰掛け」の名の由来は社伝によると日本武尊御東征の際、この場所で石に腰掛け休息し、西の大山を望み喜ばれたということから来ているとのこと。その石というものが社殿の外に置いてある。境内には舞台も設けられ、いまでも祭りの日には出し物があるようである。腰掛け神社の下の道路脇に駐車場ごときものが造成中であった。

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柳谷戸 (2001/10/25撮影)

腰掛け神社の手前を西に下れば、柳谷戸の入り口に出る。柳谷戸は平塚寒川線(県道47号)の北斜面の小谷である。ものの本によればこの小谷底を谷戸というのだそうだ。この谷戸は小出川に向かって開けている。一般に谷戸は台地の末端から地下水が湧き出るため、古くから水田地域であった。しかし、湧出する地下水による自然灌漑であるため、水の供給は極めて不安定で、湧出の多いときは湿害を、少ない時は旱害を被り、生産性の低い湿田である。今では柳谷戸の谷奥部分は水田も放棄され、一面、葦の原である。

柳谷戸を横切り、尾根を登ると丘陵の上に茅ヶ崎北部丘陵公園を作るという看板がでていた。中ノ谷(やと)、大久保地区住人の協力で作るとのこと。別の尾根を下れば、桜並木や門構えの立派な旧家が散在する。この丘陵地帯に車で入ると道が狭いので対向車が来れば苦労する。散策道として楽しみたい。

帰りは丘陵の縁を沿うように流れる小出川沿いの田園地帯を周り、行谷(なめやと)を登り、文教大学のキャンパスにでて、平塚寒川線(県道47号)を帰路とした。立教大学のキャンパスは尖塔や三角屋根を持つ赤レンガ色の建物群からなり、ロマンチックな雰囲気を持っている。

1999年2月7日

2001/10/25追補


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