奥多摩

浅間尾根

東京都檜原村の北秋川と南秋川に挟まれた浅間尾根(せんげんおね)がかって甲州と江戸の交易路であったという。北秋川と南秋川があまりに深いV字渓谷なので尾根道のほ うが歩きやすかったのだ。浅間尾根は各地にあるが富士の見える尾根という意味だそうである。富士も少しだが見えるらしい。

数馬の浅間尾根登山口から登りはじめ、浅間嶺(903m)に出て払沢(ほっさわ)ノ滝入り口に降る コースがおすすめ。下りが多いし、帰りのバスの本数が多い。尾根道は広く、昔は馬で炭などを運んだという。いまはマウンテンバイクファンも都民の森からの 下りコースを楽しんでいるようだ。今回のルートは下図のように総距離6.46km、累積登り513m、累積下り653m。


wakwak山歩会は2003 年1月9日、この浅間尾根を散策した。当日は高気圧に覆われ、日本晴れ。風もほとんどない。武蔵五日市駅に予定より早く到着したので、タクシーで浅間尾根 登山口に向かう。メンバー4名はタクシー1台に収まる丁度良い人数だ。正月に降った雪で路面が凍結しており、タクシーは浅間尾根登山口のある林道に入れな い。軽アイゼンを装着して、林道を登り始める。村の人が共同で林道の氷をシャベルで除去している。尾根までの登山路は南面していて陽だまりの散歩という感 じ。雪が解けてしまったので、軽アイゼンをはずす。尾根にでると小さな馬頭観音が路傍に立っている。

尾根道は交易路であったためか、尾根の小高いところは巻いて道を付けて出来るだけ登ったり、降りたりしないように工夫されている。ピークの北側を巻 くところは正月の残雪が残り、踏み跡は凍結していて軽アイゼンなしでは踏破できない。尾根の両側の斜面はきつく、ところどころナイフエッジの狭い尾根に なっているところもあり、崖のあるところは橋が渡してある。2時間45分かかってようやく浅間嶺に到着。山頂手前の浅間高原のあずまやで昼食をとる。ここ にはトイレも完備している。

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浅間嶺で (マーさん撮影)

浅間嶺山頂は桜並木があるだけなので眺望はよい。北側を望むと左から三頭山(みとうざん 1,525.5m)、御前山(ごぜんやま1,405m)、大岳山(1,267m)が手前に見 える。御岳山(みたけさん 929m)は大岳山の陰にかくれて見えない。テレビで紹介された御前山と大岳 山を示す、覗き穴が面白い。

三頭山、御前山の間の鞍部の向こうに2002年4月に登った雲取山(2,018m)とその石尾根の3つのピーク、すなわち七ツ石山(1,757m)、と日陰名栗ノ峰 (1,275m)、鷹ノ巣山(1,736.6m)がうっすらと雪を被って見える。高丸山(1,733)は日陰名栗ノ峰の左側にちょっと顔を覗かせている。 七ツ石山は石尾根の3つのピークでもっとも高い峰であるが、浅間嶺からはいちばん遠いので、写真ではいちばん低く見え、雲取山の前の中腹のように見えてい る。逆に右端の鷹ノ巣山は石尾根の末端にあるにもかかわらずもっとも高く聳えているようにみえる。七ツ石山から雲取山に至るブナ坂に積もった雪が白く、こ れに続く防火帯が明るい草原色で見えている。雲取山の西隣には飛竜山(大洞山2,077m)も見える。雲取山の山頂で撮影した360度パノラマビデオを観 て、雲取山から浅間尾根が見えることは確認したので間違いない。

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左から雲取山、日陰名栗ノ峰、鷹ノ巣山 (手前は御前山の西尾根、この尾根の向こう 側の谷に奥多摩湖がある)

南側に目を転じると、丹沢山系が目に入る。富士山が見えるはずと目をこらすと、ほとんど空の色と同じの白い富士の山頂部 が丹沢の西側に確かにみえた。大菩薩岳は手前の山に隠れて見えない。

あとは時坂峠経由、払沢ノ滝入り口のバス停まで下るだけである。時坂峠がなぜ峠と呼ばれるかは分からない。お代官休息処 なる時代物の建物が残っている。峰の茶屋以降は林道と登山道が交差しつつ、民家の間を下る。林道の雪が溶けているところと雪のある登山道が交互に現われる ので軽アイゼンをつけたりはずしたりで時間がかかり、浅間嶺から2時間30分かかった。終点の払沢ノ滝入り口には無料駐車場がある。ここを基地にして浅間 嶺への往復も考えられる。

バス時刻も丁度よく、町田で反省会を開いて解散。

8:20八王子駅八高線ホーム集合(休日は7:50)→8:26八王子発(休日は8:03)→8:45拝島発→9:02武蔵五日市駅 着(休日は8:49)→9:10タクシー(6,280円)→浅間尾根登山口より登山開始10:00→数馬下分岐→一本松(大沢山)→人里(へんぼり)分岐 →12:45浅間嶺着(昼食)→13:30浅間嶺発→時坂峠→15:50西東京バス、払沢ノ滝入り口着(18,000歩)→武蔵五日市駅行き発車時刻は 16:01(休日は15:14、16:10、17:01、17:35)

January 11, 2003

Rev. November 12, 2017


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