スピンドルトップ博物館

2001年初頭、グリーンウッド氏のかっての同僚吉川君がヒューストンから車で、1時間くらいの所にある町ボーモント(Beaumont)にあるスピンドルトップ博物館を見学して写真を送ってくれたので、ここに紹介する。ここはクラディーシティーのブームタウン(Gladys City BoomTown)とも呼ばれている。

石油産業、ひいては20世紀の石油文明の黎明期に興味のある人にとっては記念すべきところだ。クラディー・ビンガム(Gladys Bingham)という地質学者がここスピンドルトップの丘の下に石油があるのではないかと調べ始め、その通りだったことからクラディーシティーと呼ばれている。

1900年の10月にこの近くで石油を掘りはじめ、1901年1月10日に1,060フィート掘ったところで、石油が30m噴き上がり、止めるまで9日かかったそうである。1902年まで、約600の石油会社が参入し、殆どは一夜で消え、残ったのはTexas Company (Texaco)、J. M. Guffey Petroleum Company (Gulf)、Magnolia Petroleum Company (Mobil)、Sun Oil Companyといったところ。

この博物館は当時の町の建物と木製の石油掘削櫓、タンク等を保存している。建物には当時の酒場、床屋、板金屋、雑貨屋、車屋、郵便局、写真屋などがある。

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酒場

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石油掘削櫓

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木製の石油タンク

パイプ以外は殆どが木製でタンクも木を張りあわせたものである。当時の写真で驚くのは櫓の数の多さで1/2マイル4方に400−500在ったようで、地面が見えない位、櫓だけ。1903年には油が出なくなり、ゴーストタウンになってしまったが、1926年、より深く掘る技術が開発され再びブームが甦ったそうである。ペンシルバニアやカスピ海でこれより早く商業生産が始まったが、スピンドルトップによる大量生産で安価な石油が供給できるようになったのはここからだ。テキサスで初めて石油が出てから1世紀、今年の1月10日には100年の記念式典が執り行われたそうである。

Rev. February 24, 2007


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