グリーンウッド氏は社会人となって4年目の1964年の夏、友人2人と北アルプス裏銀座コースを縦走した。七倉山荘→ブ ナ立尾根→烏帽子岳(泊)→三ッ岳→野口五郎岳→祖父岳→雲の平(泊)→三俣蓮華岳→双六小屋→樅沢岳→西鎌尾根→槍ヶ岳→上高地(泊)という3泊4日の コースで上高地入した。
七倉山荘→ブナ立尾根→烏帽子岳(泊)→三ッ岳→野口五郎岳→祖父岳→雲の平(泊)→三俣蓮華岳→双六小屋→樅沢岳→西鎌尾根→槍ヶ岳
最後の槍ヶ岳→横尾ルートは青色、横尾→上高地ルートは赤色で示した
ブナ立尾根は急登でまいった。三ッ岳からは槍ヶ岳が遠望できる。三ッ岳から祖父岳への尾根筋は百花繚乱の趣があった。黒 部の源流のある雲の平は桃源郷のようなところであった。雲の平から三俣蓮華岳、双六小屋までは穏やかな山並みである。槍ヶ岳へ至る西鎌尾根は痩せ尾根で かなり緊張した。槍ヶ岳山頂は雲の中であったので目をまわさずに登頂できた。
烏帽子岳から槍ヶ岳まで歩いた尾根筋は信州と飛騨の国境である。雲の平だけが尾根筋を越えて飛騨側にチョッとに入っている。この雲の平は黒部峡谷の源流に あたる。
雲の平から徳沢園まで2日の行程を1日で稼いだ。横尾山荘手前でついに歩けなくなったが、残っていたレモンと羊羹を分け 合って食べたらまた歩けた。横尾山荘で夕日が落ちた。山荘は人で一杯のため、更に小一時間歩き、徳沢園の一歩手前でついに力つき、梓川の河原に野営した。テントなどもっておらず、2人のポンチョをつないで夜露をしのいだ。足が冷えるのでリュック サックに3人の足を入れて暖めたことを思い出す。
縦走記録は当時の5万分の1の地図に記入されていたが、記録写真は見つからなかった。同行した栗林暉行氏に問い合わせる とアルバムを保管しておられた。お借りして一部をここに紹介する。
三ッ岳で槍ヶ岳を背に
三ッ岳のお花畑
三ッ岳から野口五郎岳ににかけての縦走路にて
視界数mの霧の中、槍ヶ岳に登った。
槍ヶ岳山頂にて
徳沢園一歩前で梓川の 河原で野営
河童橋にゴールイン
August 15, 08:30: 七倉山荘出発
August 15, 10:00: 濁小屋通過、ブナ立尾根を登る。
August 15, 16:00: 烏帽子小屋着(山小屋泊)
七倉山荘から烏帽子小屋までの総距離8.84km、累積登り1,684m、累積下り210m。実は七倉山荘はその後できた揚水発電用の七倉ダムのほとりに今もあるが、濁小屋は高瀬ダムの底に沈んでもうない。
August 16, 06:00: 烏帽子小屋発
August 16, 07:15: 三ッ岳通過
August 16, 15:00: 祖父岳通過
August 16, 16:00: 雲の平山荘着(山荘泊)
August 17, 05:00: 雲の平山荘出発
August 17, 07:00: 三俣蓮華小屋通過
August 17, 09:00: 双六小屋通過
August 17, 13:30: 槍ヶ岳山荘通過
August 17, 14:00: 槍ヶ岳山頂
August 17, 19:00: 徳沢園一歩前着(野営)
雲の平山荘から徳沢園までの総距離27.03km、累積登り1,567m、累積下り2,540m。
2019/11/12 雲の平の北9kmにある薬師見平というプロだけが到達できるところをNHKが探検した番組をみた。奥黒部ヒュッテから黒部川をさかのぼるという冒険ルートである。
1999年作成
Rev. November 12, 2019