EMさま

講義プロジェクトライフサイクル受講に関する質問への御回答

貴リポートは正月に受け取ったのに怠けていて締め切りがせまり、ようやく読みはじめました。皆様よく聞いていただいき、よく理解しておられるようで感謝してます。16名の方からご質問をいただきました。 

さてご質問ですが、

質問1「プロジェクトの具体例?」:私はプラント設計・建設会社(コントラクタ)におりましたので、業務の全てがプロジェクトでした。若いときは会社として経験のないLPG,LNG,天然ガス関連のプロジェクト基本設計技師として成果をあげて次々に受注し石油・化学に注ぐ一大ビジネス部門を会社にもたらすことに貢献できました。経験を積むと契約金額18000億円、設計技師350人、現場労務者5,000人のLNGプロジェクトのプロジェクトマネジメントを担当したのが、人生の華の部分です。さてコントラクタに仕事を発注するエネルギー関連企業、化学企業はフィージビリティー検討や企業化計画段階は自ら行い、コントラクタはgoとなったものを、競争入札で一括ランプサム契約で請け負うのです。企業化計画go決定のリスクは顧客、契約後の建設リスクはコントラクタが全てを負います。国際競争が激しくなり、コスト割れのジョブを受注すると大きなロスが出て会社経営は破綻します。何処までコストダウンできるかの限界の認識が非常に重要になります。

質問2「オペレーションの陳腐化の時期的意思決定の決め手」:非常にするどい質問です。オペレーションの陳腐化はしばしば当該オペレーションが最高の成績を出しているときに忍び寄っております。これに気がついて必要なアクションを取るのはトップマネジメントの責任です。賢明なトップを持っている会社こそ祝福されるのです。というのは事実でありますが、オペレーションは長く続いてほしいという願望も含め、永続性を前提としてとりあえず運営されており、そのほうがオペレーション組織内の意気も上がるわけです。いくら英明なトップがいても組織の意気低下は望まないため、改革が遅れます。組織をプロジェクトマネジメント指向にしておけばオペレーション組織の抵抗は減少します。ここら辺が米国の成功の秘密ではないかとひそかに思っております。

以上です。