2003年の航海日誌

2003年1月16日、晴天、東南の風、風速2m/s。2週間ぶりにもやい点検。異常なし。鳥の糞の清掃。ワックスでフェンダーのタッチ跡を除去できないためアセトンを購入。前回の操船ミスによるスクリューの軽いタッチ斑を見つけるが軽微。付近の船のスクリューを調べるが、いずれにも傷なく、相手はどれか不明。次回ペイント時にコンパウンドで磨けばとれそう。相手船とおぼしきスクリューをチェックするも損害を与えた形跡なし。北よりの風6m/sでの発着はむずかしいことを再認識。はずれたライフラインの代替ピン2本発注する。コンパス・グラスを購入。

2003年2月14日、晴天、東南の風、風速4m/s。ほぼ1ヶ月間、海外旅行、論文執筆などでほったらかしていたが、異常なし。アセトンでフェンダーのッチ跡を除去。非常に良く取れる。船体を水洗し、コックピットで心地よい風にふかれながら読みかけのヘミングウェイの小説をよむ。

2003年3月11日、晴天、東北の風6m/s。北の風が吹く間は出桟が難しく、船には近づかなかった。久しぶりに様子を見にでかける。失念していたが火曜の定休日で、ゲートコントロールカード切替のためマリーナ内に入れない。しばらくどうするか思案していたら、顔見知りのメンバーがいたので一緒にはいる。ちょうど世界一周ヨットレースClipper2002の参加艇8隻がイーストビジターズバースに入港していた。昨年10月リバプールを出航してパナマ運河を通過してハワイ経由横浜に到着したらしい。これからインド洋を横切って喜望峰周りで今年9月リバプールに返る予定とのこと。赤道近くを西回りに回るので総走行距離は34,000マイルに達するという。クルーは若く女性も多い。スピンポールを折ってしまった艇もあるらしい。残骸が陸揚げされていた。それにしても60フィートの大型艇は大きい。ROCAは異常なし。コーヒーを沸かしてキャビンで須賀敦子の「ヴェネツィアの宿」を読む。

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イーストビジターズバースで休むClipper2002の参加艇

2003年4月14日、ほぼ一ヶ月ぶりで点検に出向く。曇り、東北の風4m/sec。先月工事着手した新しいビジターバースが完成していた。新しいIDカード受領。船は異常なし。エンジンアイドルで1時間バッテリーチャージをする。コックピット清掃し、コーヒー沸かしてのむ。滞在2時間。

2003年5月9日、この1ケ月間、マキガス化計算で忙しく、セーリングはごぶさたであったが、仕事?も一段落した。数日来の嵐もおさまって出かけた。東北の風、7 m/sec,晴れ、残念ながらイエローフラッグである。やむを得ず、バッテリーの水チェックをする。この2年間チェックをした覚えがない。幸い密閉型とわかる。ひと安心。デッキのぞうきんがけをし、船底をブラシでこする。コーヒーを沸かし、昼食をとる。バースで午睡。前部ハッチから吹き込む五月の風は心地よい。帰るころ風は収まっていた。

2003年5月21日、11日間の雨も上がったのででかけたが、北の風4.5m/secでシングルハンドではバースから出れない。コーヒーを沸かし本を読み昼食をとって帰る。

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ギャレーで湯を沸かす

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キャビンからコックピットを望む

2003年6月22日(日)、東北の風、3.5m/sec、曇、梅雨と風力発電機設置工事でいそがしいのとでしばらくご無沙汰していた船にやってくる。台風変じた低気圧も日本海から東にぬけ弱い高気圧に覆われて、シングルハンドでは出航しにくい北の風を心配したが、風力が弱いので就航の決断をする。幸い近くにで家族ヨット乗りがいたので船を押し出す役をお願いした。日曜日はこのようなことが期待できるので今後週末に来よう。12:00-14:00まで2時間セーリング。今年初めてのセーリングであった。船底の海草がつきそろそろ塗装が必要である。

2003年7月28日(月)、東北の風、2m/sec、曇後晴れ。梅雨のため1ヶ月もご無沙汰してしまった。何事もないが、モヤイロープの端が水につかっていたので引き上げるとクリオネラの親類だろうか貝殻のない貝の中身のような生物がロープにびっしりついている。水から引き上げるとおどりてピュー・ピューを水を噴射する。これをこそげ落とし、ブラッシで洗って乾かすのに小一時間もかかってしまった。船底とラダーにもフジツボがびっしりついてもう船底洗浄して塗料を塗らなければならないことは明白だ。梅雨が明ける今週末には船台予約しよう。晴れなら2日で形がつく。エンジンを小一時間アイドリングでバッテリーチャージをして準備する。コヒーを沸かして休憩して帰宅。

2003年7月31日(木)、東北の風、3.5m/sec、晴れ。上架の申し込みと、船底ペイント、シンナー、目地テープを仕入れて船内に保管。通気しながら読書。近くのモーターボートの所有者が水にはいり、スクリュウー回りの清掃をするという。安全もため桟橋に上がるラダーの位置を確認。マリーナ内に長さ80センチ近いボラの大群が回遊しているのが見える。

2003年8月4日(月)、南西の風、5-6m/sec、晴れ。気温32度。今年は東北の風が多く、出港しにくかったのだが、やようやく良い風が吹く。ラダーのフジツボをよく落とし、日焼け防止の化粧をして11:00出港。シングルハンド。フルセール、クローズドホールドで南下。ヒール角25度になる程強い風。2時間南下し横須賀沖に達する。帰路は1時間のランニングであった。港内機走で一周。合計4時間のクルージングを楽しんだ。水タンクのフラッシングをしたとき、タンクに内圧がかかり、キャビン内シンクに水があふれ、キールボルト周辺のビルジを溜めてしまう。本日の飲料水消費量は2リッターと生ビール中ジョッキであった。

2003年8月17日(日)、東北の風、3.5m/sec、雨時々曇り。気温28度。梅雨にもどったような長雨が続いたが、明日は晴れるとの予報で、上架予約したが、結局雨との予報に変わる。上架し、船底清浄とハルのワックス磨きを行なう。シンクのコック開で高圧水洗浄したため、船室内天井まで水が飛び散る。夕刻小雨中断。

2003年8月18日(月)、東北の風、3.5m/sec、雨後、曇り。気温32度。午後雨も上がったので船底塗装を行なう。2度塗りで3時間かかった。

2003年8月20日(水)、東の風、2.5m/sec、晴れ。デッキの水アカを3Mの研磨剤入りワックスで磨く。

2003年8月21日(木)、南東の風、2.5m/sec、晴れ。13:00下架。ステイのターンバックルのストッパービスを増し締めした。

2003年8月22日(金)、南東の風、2.5m/sec、晴れ。9:30出港、栗林夫妻と2.5時間セーリング。風弱く、帰路は機帆走。セーリング後、Bruschetta Pix. Caffeで昼食。(Restaurant Serial No.142) Seamans Cafe Pier-1で一杯。(Restaurant Serial No.164)

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バースにて (栗林夫人撮影)

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コックピットの夫妻

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ビジターズバースで

2003年9月10日(水)、南の風、7m/sec、晴れ。日本海に低気圧あり風強し。このところ酒の飲みすぎで体調もすぐれないので雑巾がけと昼食後、コーヒーを沸かしてヘンリー・ペトロスキーの 「ゼムクリップから技術の世界が見える」を読む。

2003年10月15日(水)、東の風、1.5m/sec、晴れ。高気圧に覆われほぼ無風。一昨日強風が吹き荒れたので1ヶ月ぶりに点検に訪れる。異常なし。雑巾がけしたのちは原氏にかりた 「真田太平記」を読む。真田庄は人生初めての探検をハイハイで敢行したところだからなつかしい。エンジンテストとバッテリーチャージは省略。船の中間検査は2003年5月でることを確認。

2003年10月17日(金)、東北の風、8.3m/sec、晴れ。高気圧に覆われ快晴だが風強く、波高し。しばらくエンジンを使ってなかったのでエンジン少しかかりがたし。菊池家の子供達にのっていただく。風もあるので安全のため 、展帆せず、機走のみ。東京湾内を周航するうちに船酔い者もでて帰港。ビジターバースに接岸し、テークアウト食でご機嫌の船上パーティー。子供達はバケツを持ってカニやムール貝取りに無中。食後は安全なマリーナ内で子供達に操船訓練を行なう。(以下5枚の写真は菊池恵子氏撮影)

ビジターバースで

舷側であそぶ凱くん

手前 香帆ちゃん

中央 恵子ママ

ヘルムをとる魁とくん

2003年11月24日(月)、北の風、6-7m/sec、曇り。海上には帆影なし。もやいロープを締めなおす。バウについたバース・フェンダー痕をワックスで除去。

2003年12月27日(土)、北北西の風、8.5m/sec、イエローフラッグ、晴。海上には帆影なし。もやいロープを締めなおす。エンジンを1時間アイドリングさせバッテリーチャージ。ことしは北の風が多く、出航を断念することが多く、船は浮かぶ別荘のようになってしまった。マストがセンターボードより前にあるため、低速ではバウが風下を向く傾向がある。船外機にしたため、エンジン使用時は舵ききが悪い。船外機の方向は数度しか変えられないので舵を使うしかない。というわけで北風の時は出航が非常にむずかしくなる。この1年の反省にたちよくよく考えた末、桟橋から出航するときの方法を夏と冬変えることにした。夏季の西南の卓越風の場合はピンク色のようにスターンが風上を向くように舵をセットしてバックで出る。冬季の卓越風はほぼ北のため、船をバースから引き離す方向に吹く。この場合、青色のようにスターンが風上に向く方向に舵を切ってバックして出港する。

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2003年 12月30日(火)、北の風、午前無風、午後7m/s、晴。マリーナは年末休暇中。けっこうオーナーが来てメンテナンスなどしている。ETAP-24購入検討者のためにボートを公開。NHKの山田さんという方である。現在カタリナに乗っているのだが、かって乗ったETAP-23がよかったので今回検討することにしたのだという。相模湾横断中、突然強風に襲われたとき、エンジンが非力でバウが風上に向かず、メーンセールが降ろせなくなり、恐怖の時間をすごした経験からフリードリクセンのトラックレスバテンカーシステムをマストに取り付けるのが条件とのことであった。マスト内にメーンセールをファーリングすることもテストしたが、フリードリクセンのトラックレスバテンカーシステムが一番信頼できるとのことであった。

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